大翔
人間の創造と繁栄
の物語はこのように続くのだが……実は、この後にもまだ続きがあるのだ。それは、人間が滅びたあとの話なのだ。
人類が滅亡して、また新たに人間が生まれるということだ。つまり、再び世界には人間が増えてゆき、繁栄してゆくということだ。
しかし、これは何度でも繰り返される。なぜなら、人間の繁殖力は強く、絶滅することはあり得ないからだ。たとえ人間が全滅したとしても、また次の世代が生まれるのだ。
こうして、世界の人々は永遠に生き続けることができるだろう。
●終わりの始まり● あるとき、一人の男が、世界の果ての壁の向こう側に行こうと考えた。男は旅に出て、壁を越えた。するとそこには見たこともないような景色が広がっていた。
美しい花々、木々、動物たち……。それはまさに楽園と呼ぶに相応しい場所だった。
ここにいれば何も心配はない。いつまでもここで暮らしたいと思ったその時――突然地鳴りが起こった。大地が大きく揺れ始めた。
地震だろうか? 男はそう思った。しかし違うようだ。大地が大きく揺れているのではなく、まるで巨大な生き物のように動いているのだ。
一体何が起きているのか? その時、男がふと見ると、地平線の向こうに大きな影が見えるではないか! それは大きな足だった。
巨人族!? まさか、と思ったが、それしか考えられなかった。なぜなら、巨人の住む国があるという言い伝えがあったからだ。
しかし、そんなことよりも大変なことが起きているのではないか? 男の背筋に冷たいものが走った。
今、まさに目の前にある巨体は、巨人族のもので間違いないとして、彼らはどこにいるのか? どこから来たのか? どうしてここに現れたのか? 答えを知る術はない。
ただ一つ言えることは、あの怪物が自分達に向かって歩いてくるということだけだ……。
『世界の始まり』と呼ばれる伝説によれば、最初に生まれたのは混沌であったとされている。そこに光が生じて世界を照らした。それが天となった。また別の説では、天が裂けて太陽の光が差し込み、それによって闇が生まれた
