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『弱虫ヒーロー』

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『弱虫ヒーロー』

6 - 陸.「重要なのは」

♥

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2025年02月08日

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__et.

(rn,大丈夫かな)

rnが会場に向かってから,十数分が経過した。

正直,rnにそこまでの力があるように見えないのも事実。

自分の力は,他の誰にも負けないぐらい強いものだと そう信じていた。

だが現実は違った。

__et.

(…強かったな)

私はあの人の隣には立てないのだと,直感でそう思った。

圧倒的な力の前に,足がすくんで逃げ出したくなった。

どうせ,その程度の私だった。

__et.

(rnはどうだろう)

私のように,自分の力を過信して

無惨にもその自信を打ち砕かれる。

そんな姿,見たくない。

__et.

(嫌な相手に,当たらないと良いけど。)

全身が痛い。

rnの体力も,そろそろ限界が近いようだ。

__rn.

はぁ……ッ

__ur.

大丈夫…?w

__ur.

威勢よく意気込んでたけど,案外大したことないな

言い返す言葉も見つからなくて,不安と苛立ちだけが つのっていく。

__rn.

平気ですよ,rnにとって重要なのは勝つことじゃない

そういうと,相手の方は少し怪訝そうな目を向けてきた。

それもそうだろう,地位と強さが全てのこの学園で

rnの求めるものは全く違ったものであると

地位も名誉も必要ないと,今この場で宣言したのだから。

__rn.

そもそも,こんなごっこ遊び飽々しませんか?

rnと相手にしか聞こえない声で。

__rn.

初日から,生徒の間に優劣をつけるような意味のない争い

__ur.

………

「なぜお前にはこんなこともできないんだ?」

勝手に期待されて

「隣の家の◯◯ちゃんは,既に出来ているのに」

勝手に比べられて

「お前に期待した父さんが馬鹿だったよ。」

勝手に失望されて。

はなから完璧なんて望んでない。

何もしなくても,ただ愛される人生が欲しかった。

__rn.

(rnが弱いから愛されないんじゃない。)

「父さん!ごめんなさい,私今回もできなかった…」

「仕方ないよ,始めたてでここまで上達できるなんて すごいことだ。」

rn"だから"愛されなかった。

ここも同じだ。

地位,名誉,力の差で

優劣が決まって

それが当たり前だって思ってしまう彼らは

__rn.

(親から愛されて育ったんだろうな)

__ur.

なに,ピンチなのによそ見とか

__ur.

随分余裕あるね

余裕なんかあるわけない。

既に身体はボロボロだし

次の一手で決めなきゃ間違いなく負ける。

でも

__rn.

言いましたよ,重要なのは勝つことじゃない

きっとrnは_______

__rn.

友達の為に戦った

__rn.

___その事実だけです。

愛されたいんじゃなくて,愛したかったんだろう。

会場から煙が上がった。

大きな音と,爆風を立てて。

__rn.

あ~ぁ…、負けちゃいましたか

あんなかっこつけて

rnってほんと弱いなぁ…

__ur.

……

お相手さんが,何か言いたげな目でrnを見下ろしてくる。

__rn.

なんですか…、何か言いたいことがあるなら,はっきり言ってくれませんか?

全身の痛みに耐えながら,そう笑った。

__ur.

…まぁ,弱かったよ

__ur.

弱かったけど

__rn.

(なんだ,貶しにきただけか…)

__ur.

___お前かっこいいな。

__rn.

……え、

返ってきた言葉は,あまりにも彼の口から出るには意外な言葉で

つい,呆けた声を出してしまった。

__ur.

…じゃ,次はSクラスで会おうぜ

__rn.

え,ちょっと…

まるでrnがSクラスに来ることを分かっているかのように

次に会うときの約束をされて

思わず体を起こす。

__rn.

ッいった……‼︎

彼に殴られた身体が,悲鳴をあげたように痛んだ。

__rn.

なんなんですか,もう…‼︎

文句は垂れつつも

家族以外と"約束"なんて言葉を使うのは初めてで

少し嬉しいような,じれったいような気もした。

どうやら,rnが負けたようだ。

あまりにも早かった決着に,会場を囲う人々も 困惑しているみたいだった。

__それほど,強い相手に当たったんだろうな。

__et.

(D以下は避けたいけれど)

__et.

(本当に大丈夫かな…)

……あの…

可愛らしい声で,肩を叩かれる。

__et.

……はい…?

桃色の髪に,ハーフサイドテールをしている女の子。

誰が見ても"可愛い"と思うような顔立ちをしていて

__et.

…かわいい…

つい,私もそう声に出してしまう。

えッ,あ…ありがとうございます…

__et.

あ、こ…声に出てました?すみません…

__et.

(……あれ、)

顔ばかりを見ていて気づかなかったけれど

よくみると,緑のマントを纏い

翡翠のブローチで胸を飾っている。

__et.

さ……3年生ですか⁉︎

この服装は三年生で間違いない。

さらに,スカートには金に輝く刺繍が施されていて

彼女が"Sクラス"であることは聞かなくともわかった。

__et.

すみません…気がつかなくて…

いえいえ…!全然大丈夫です!

na__.

私はnaです。よろしくお願いします!

そう名前だけ告げて,彼女は桃色の瞳を揺らした。

__ur.

名 ur 呼 ur/さん 種 人 生 南の国「レインシード」 齢 15 得意魔法 闇 ▷hrととても仲が良い。いつもおちゃらけていて 手の内が読めないが,心理戦が得意。

na__.

名 na 呼 naさん 種 人 生 北の国「ピクシー」 齢 17 得意魔法 治癒 ▷穏やかだが,怒らせると怖い激情型。 妹が一人いるが,苦手意識を持っていて__?

next…

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