はる
はる
傾ければ、
ブツブツと穴が空く所から、
細かく溢れ出る水。
少し大きめの花壇には、
ずらりとお花や植物が並んでいて。
私が少し笑えば、
植物さん達も、
嬉しそうに笑ってくれているような気がした。
はる
はる
はる
はる
植物は凄い。
私達人間が出す二酸化炭素を、
光合成の力を利用して吸い上げ、
酸素を吐いてくれる。
そして、私達は生きていける。
誰かに言われた訳じゃない。
こんなに薄くて、
小さなその葉から、
そんな凄い事が行われている事が偉くて。
植物が居るのは当たり前。
でも私は、
そんな植物さんに感謝してる。
はる
はる
?
?
水をあげ終わり、
一休みしようとした時、
後ろから聞こえてきたのは男の人の声。
どくん
と、心臓が跳ねて、
妙に身構える。
ゆっくり後ろを振り向けば、
"今日も水あげてんの?"
なんて言いながら近寄る、
佐藤先輩が居た。
はる
佐藤先輩
はる
佐藤先輩
佐藤先輩
佐藤先輩
はる
"相変わらずな毒舌"
そう言うも、
どこが嬉しそうな佐藤先輩。
私はもう一度、
"気持ち悪い"
と吐き捨てると、
"一応先輩なんだけど。"
と、朝からふわふわオーラを放っている。
はる
佐藤先輩
佐藤先輩
はる
はる
佐藤先輩
はる
朝。
早めに学校に来て、
誰も水をやらない花壇に水をやるのが私の日課。
別に、誰かに押し付けられた訳じゃない。
ただ、植物さんに感謝しているから、
ほんの少しの恩返し…と言った所だけど。
なぜか、いつもいつも私の隣に来るのは、
佐藤先輩だ。
この、ふわりと微笑んで、
無気力で、
脱力で、
常に眠そうに、
だるく動くこの先輩。
毎日のように、
私に会いに来ただのなんだの。
何でこんなに懐かれてるんだ私は。
コメント
2件
佐藤せんぱァァァァァァァァァァァァァァ←
はい!待ってました!