藤澤涼架side
スタッフさん1
スタッフさん1
スタッフさんの声が嫌でも聞こえてきた
その後大きな笑い声が聞こえてきた
元貴と若井の返事は笑い声の前にも後にも聞こえなかった
元貴の若井は、あの質問になんて答えたのかな
「いらないですよね」 「ですよね」
そんな同意の言葉を発したのだろうか
…もしかしたら、だけど
スタッフさんの言う通り僕はアレンジが上手じゃない
若井は少しだけアレンジしてる時もあるけど、僕はできない
もし僕のアレンジで元貴の曲のイメージが変わったら困るから
なのに、そのくせに
アレンジをしていないくせに、一番ミスをしているのは、僕。
そんな人、Mrs.GREEN APPLEにいらないに決まってる
元貴と若井が優しくて、口に出さなかっただけで、
内心は僕のことを邪魔だって思ってるに決まってる
元貴と若井はあのスタッフさんの質問に同意を示した
だから、味方がいたってスタッフさんは笑って。 だから、味方がいたって元貴たちも笑った。
Mrs.GREEN APPLEの中に、僕の居場所はもうないのかもしれない
だからってミセスをやめたら僕は仕事がなくなるから、やめたりなんてしないけど
でも、二人が邪魔って思ってるなら、
二人と距離を置くのが僕の責任だよね
二人とは、少しだけ距離を置こう
Mrs.GREEN APPLEに、僕の居場所がないのなら、僕は大人しくしてるだけ
そう思った僕は、涙の跡を服の裾で拭って立ち上がる
そして、レコーディングルームの扉を、ぐっと押した
元貴と若井は今まで通り優しく接してくれるだろうから
だから、僕も今まで通り接する
でも、少しずつ、確実に、元貴たちとは距離を置いていく。
大森元貴side
fjsw.
スタッフが部屋から出たあと、涼ちゃんが何事もなかったかのように部屋に入ってくる
omr.
fjsw.
omr.
涼ちゃんは笑顔で俺たちに笑う
でも、涼ちゃんの雰囲気が違う気がする
俺たちに遠慮している気がする
俺たちに何かを隠している
涼ちゃんが、涼ちゃんじゃない
スタッフさん2
fjsw.
何かあったのか喋りかけようとした時、涼ちゃんはレコーディングに呼ばれた
そのままスタッフさんに連れられレコーディングを始めた
涼ちゃんの綺麗な手が白と黒の鍵盤を叩いていく
キーボードやピアノを弾いている涼ちゃんを見るのが好きだ
真剣に楽器と向き合っている顔が、よく見えるから
今日もいつもの様にキーボードを弾いている涼ちゃんを見ていると涼ちゃんの顔に焦りがで始めた
そして、涼ちゃんはキーボードを弾く手を止めてしまった
涼ちゃんは焦りと、悲しみと、苦しみと、絶望を混ぜたような顔をしている
そんな苦しそうな顔をしている涼ちゃんに今すぐ 「大丈夫だよ、安心して」 って言いたかったけど、涼ちゃんはすぐ真剣な顔に戻った
fjsw.
涼ちゃんは、スタッフにそう言ってまたキーボードに向き合う
涼ちゃんはまたキーボードを弾き始めた
真剣な顔
キーボードの音も、毎日進化している
毎日練習してるんだなってことがよく伝わる綺麗な音。
でも、涼ちゃんはまた同じところでミスをしてしまった
指が絡まったみたいだった
涼ちゃんの呼吸がだんだん浅くなる
そんな涼ちゃんにイライラしたのか、スタッフが急に怒鳴り始めた
スタッフさん1
スタッフさん1
俺がミスした時、あんな怒鳴られること、なかったのに
スタッフさん1
スタッフさん1
そのスタッフの言葉に、涼ちゃんが傷ついたのがわかった
迷惑なんて、思ってないよ
中途半端にやってレコーディングを早く終わらせるよりも、 涼ちゃんの綺麗で繊細な音色を大事にしたいから
fjsw.
スタッフさん1
スタッフはどんどん語尾を強めて涼ちゃんに怒鳴っている
だから、涼ちゃんは練習してるの
俺が立ち上がった時、視界の端で何かが動いた
俺と同じように涼ちゃんを見ていたらしい若井。 彼もまた、俺と同じ様に立ち上がっていた
こんにちは✨
いいねありがとうございます😭 感想もありがとうございます、凄く嬉しいです✨
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それではまた!
コメント
6件
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スタッフ許せない……、 続き楽しみです!
二人ともぉ、助けてあげて~!