なちゅ
なおきり
ゆあん
なちゅ
寒い冬が終わって
桜が咲くのを今か今かと待ち望む季節
僕と貴方は屋上で
手を繋いで……離れたくない気持ちで、いっぱいだった
なおきり
ゆあん
なおきり
先輩の冗談に何も言えずに
風で消えてしまいそうな先輩を
ひたすら見続ける
なおきり
なおきり
笑顔で見送りたいのにどうしても涙を堪えることしか
出来なくて……
ゆあん
なおきり
ゆあん
一年前
先輩は一人で屋上にいてイヤホンで、音楽を聞いていた
なおきり
先輩は僕の方を見ると手招きした後、一緒に聞く?
……と誘ってくれた。
なおきり
ゆあん
渡されたイヤホンを片耳につけると
先輩らしくない失恋ソングのような……遠距離恋愛の曲が流れてきた
ゆあん
ゆあん
なおきり
先輩は風になびいて遠くを見つめる顔が綺麗だった
なおきり
ゆあん
なおきり
モブ
ゆあん
ゆあん
モブ
なおきり
後輩だから距離感を気にしてしまう
どんどんと前に進んでいって、一生追いつけない距離
季節が進むにつれて遠くなっていく距離感が苦しくて
なおきり
拳を握りしめてもどうにもならないんだよ
なおきり
なおきり
貴方とはさよならなんてしたくない
何かないのか……貴方に伝わる言葉
どうか教えて欲しい
貴方がいれば俺は何もいらないのに
なおきり
小学生の頃
ゆあん
なおきり
ゆあん
なおきり
ゆあん
なおきり
ゆあん
なおきり
先輩は小さい頃から僕のことを
「なお兄」
って呼んでた
でもそれはじゃぱぱの真似で、先輩の方が年上だった。
でもなお兄って呼ぶから弟みたいに……思ってて……だから
ゆあん
なおきり
ゆあん
ゆあん
なおきり
モブ
ゆあん
ゆあん
なおきり
全部がいきなりで訳が分からなくなった。
なおきり
ずっと弟みたいに思ってた奴が
中学生になって
高校になって
俺から離れていく
小さい頃繋いでいた手は意図も簡単に離れてしまった。
なおきり
高校生にもなって友達のことで寂しいと思うのはおかしいのかもしれない
でも、それでも……
なおきり
ただ……離れて欲しくない
卒業式の終わりを告げるベルが鳴った
手が離れていく
君も目を合わせなくなる
俺は凄く焦って
なおきり
ギュゥ……(抱きしめる)
ゆあん
なおきり
ゆあん
先輩はこちらを向いて背中を撫でて……そのまま離れて行った。
なおきり
ゆあん
♪♪~♪
先輩が好きだった曲を歌いながら先輩のことを考える
5年後の卒業式の日、学校はすっかり変わってしまったけど……
なおきり
三年前に先輩は僕の居ないところで……お空に行ってしまった。
なおきり
そう言って引き留めても変わらなかった運命
それでもいつまでも貴方を愛すよ
なおきり
モブ
なおきり
なおきり
どうかまた会えますように