実可子
ねえ!恭介くん!
恭介
・・・・・・
実可子
恭介くん!
恭介
うるさいなあ…
恭介
(・・・・・・)
恭介
(また…繰り返すのか…)
恭介
(いつも…同じことばかりだ…)
佐奈
はあ…
佐奈
何回見ても…かっこいいな…
恭介
(もう…嫌だ…)
恭介
(こんな…つまらない毎日は…)
恭介
(嫌なんだ…)
恭介
(佐奈…)
恭介
(僕は…君に…)
佐奈
恭介くん…
佐奈
私もいつか…こんな人に…
会いたい…!
✨パアァァッ✨
佐奈
!?
恭介
!?
佐奈
え!?なにこれ!?
佐奈
本に…
佐奈
吸い込まれる…!?
佐奈
っ…!
佐奈
ん…
佐奈
ここ…は…
恭介
佐奈
え…
佐奈
恭介…くん…?
恭介
佐…奈…?
実可子
え?え?
実可子
なに…これ…
実可子
あなた…誰…?
恭介
なん…で…
佐奈
私…いったい…
佐奈
(・・・・・・)
佐奈
(はあ…)
『Real×Novel』
それが、この本の名前。
私はこの本の主人公。 最終的に恭介くんと付き合うことになっている。
作者が書いたとおり、 忠実に物語が進む この世界で
私は、意識を持っている。
現実と小説の中との行き来ができる
それはただのストーリーで
実際にそんなことが起こっているわけじゃない
まあ、こんなフィクションの世界
実際もくそもないんだけど…
終わることも
変わることも
途切れることすらない
“つまらない”
そんな感情を抱きながらも
私はまた
同じストーリーを
繰り返す。
Fin.