天体の魔法使い

リサは満足げにうなずき、魔導書を再び開いた。そして、僕の目の前で魔法の詠唱を始める。風が森の中を駆け抜け、彼女の髪がふわりと舞い上がった。

リサの合図とともに、僕の指先に小さな炎が灯った。蝋燭の火のように揺れるその炎を見つめながら、僕は思わず安堵の息を漏らす。

だが、その瞬間、リサがふっと笑ったのが気になった。何かおかしい――。

「……？」 炎がだんだんと大きくなっていくのがわかる。僕の胸に不安が広がった。予想外の展開に、心臓が高鳴る。

その言葉と同時に、放たれたファイアボールは僕に向かって飛んでくるかと思いきや、少しずつ小さくなり、やがて完全に消え去った。

リサは笑みを浮かべたまま、優しく言った。

リサは手元の魔道書をパラパラとめくりながら、新しい魔法を探している。僕はというと、まだ解放されないまま椅子に縛られている状態。退屈に耐えきれず、つい大きなあくびが出てしまった。

その瞬間、リサがパタンとページをめくる音が止む。そして、冷たい目が僕に向けられた。

彼女の鋭い視線に、僕は思わず姿勢を正す。

リサの手がまた魔道書をめくり始めるのを見ながら、僕は内心で反省するべきか、逃げ出すべきか、真剣に悩んでいた。

リサが平然と言い放った瞬間、僕の恐怖はさらに高まった。

無邪気な笑顔を浮かべるリサ。

僕は冷や汗をかきながら、何とか反論しようと口を開いた。しかし、次の言葉で完全に言葉を失う。

リサの淡々とした口調が、逆に恐ろしさを際立たせる。僕は一瞬で目の前が真っ暗になり、頭の中では何とか生き延びるための方法を必死に考え始めた。

リサが冷静に言い放つのを聞きながら、僕は内心で震えながらも何とか笑顔を作った。

リサは再び魔道書をパラパラとめくり始めた。その音が心地よく、まるで子守唄のように聞こえてくる。眠気が襲い、僕は意識を手放しかけた。 朝の日差しが差し込み、小鳥の囀りが聞こえ、木々の安らぎに包まれる……そんな心地よさに夢中になっていたその時――