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コメント
6件
青葉城西純粋すぎるなってのはまじ共感 岩ちゃん…いい男すぎる
イケメン…✨ マジで現実にいてほしい
及川 徹
突然の提案に、葵はペンを止めた。
声を掛けてきたのは、バレー部主将・及川徹。
いつも軽く、でも鋭く、
誰かの懐に入り込む天才のような男だった。
朝霧 葵
及川 徹
及川 徹
及川 徹
朝霧 葵
及川 徹
おどける様にウインクを飛ばす及川に葵は苦笑いした。
朝霧 葵
その場では曖昧に笑ったけど、放課後の体育館、その言葉を反芻していた。
(マネージャーか…)
人と関わるとこが怖いわけじゃない。
でも関わった先で傷つくのが嫌だった。
前に進んで、裏切られたことがある。
努力して届かない場所を知っている。
だから、距離を保つことで、自分を守っていた。
朝霧 葵
声にならない独り言をこぼす。
体育館の隅で、黙々とモップをかけている岩泉の背中を見ながら、
葵はふと思った。
(この人達、本気で笑ってるのかな?)
青葉城西バレー部。
いつも騒がしくて、時にうるさくて、
でも、嘘がないように見えた。
誰かの陰口も、裏での評価もなく、
ただ、真っ直ぐにバレーをして、
ぶつかって、笑っていた。
(そんな世界が本当にあるの?)
岩泉 一
不意に岩泉が近ずいてきて、葵の額にぽんとタオルを当てた。
朝霧 葵
岩泉 一
葵は返す言葉を失った。
(なんでそんなにわかるの?)
岩泉 一
朝霧 葵
図星だった。
岩泉 一
朝霧 葵
おもわず声が震えた。
笑いたくないのに、笑って、誰にも嫌われないように演じて。
それでも嫌われて…
(それでも私は嫌われなくないって思ってる。)
朝霧 葵
ポツリと落ちたその言葉はまるで体育館に響くボールの音のように
静かに空気を打ち抜いた。
岩泉は少しだけ目を細めて、素っ気なく答えた。
岩泉 一
朝霧 葵
岩泉 一
岩泉 一
本音を話す。
それがこんなにも些細な1歩から始まるなんて_
朝霧 葵
岩泉 一
二人の間に小さく笑いが生まれた。
演じる笑いじゃない。
初めて、本物の笑いだった。