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第1話 - あ

2023年03月22日

#恋愛

結城真矢

キョウ

なんなんだよ！

キョウ

京都の舞妓さんとやらは。

マイコ

どうしたの？

マイコ

何をそんなに怒ってるの？

キョウ

昨日の京都旅行だよ！

マイコ

あー、旅行？

マイコ

お泊りデート、京都旅行楽しかったじゃん！

キョウ

そうか？俺は最悪な気分で終わったけどな…

マイコ

え…

マイコ

私の、とこがダメだった？

キョウ

お前のことも一部あったけど、まずは

キョウ

舞妓、ありゃねーわ

マイコ

何で?めちゃ新鮮だったじゃん！

マイコ

舞妓さんも可愛かったし。

キョウ

可愛いとかそういう問題じゃねーだろ。

キョウ

態度が悪すぎ。

マイコ

そうかなぁ？

マイコ

そこまで言うほど、気にならなかったけど…

キョウ

俺ら観光客に対して、もっと礼儀良く挨拶するのが普通ってもんだろ？

マイコ

普通に笑顔で、挨拶してたよー？

キョウ

いーや、俺の時は無視したしな。

マイコ

そんなそんな。神経質になりすぎでしょう？

キョウ

あれはありえねぇ。

マイコ

気にし過ぎだってば、キョウ。

キョウ

マイコも気にしなさすぎ！

マイコ

私は普通にしてるつもりだし…

キョウ

もっと気をつけろ。

マイコ

気を付けろ言われても、いつもそう言うだけじゃん…

キョウ

はぁ？俺が悪いってのか。

マイコ

言うだけ言って、細かい事情は教えてくれないじゃない！

キョウ

俺が嫌だって言ったら、それはダメだっていう理解でわかるだろ？

マイコ

そんな、毎回毎回覚えてられないわよ！

キョウ

彼女なんだから、それくらいインプットしろよ！

マイコ

彼女とか関係ないでしょ。

キョウ

じゃあ、次からはちゃんと覚えとけよな。

マイコ

もうなに…

キョウ

あーそれと、人力車のも最悪だった。

マイコ

人力車？

キョウ

あの野郎はくそだったわ。

マイコ

えー？

マイコ

あの人力車なんて、一番面白かったじゃない！

キョウ

お前、本気？

マイコ

お兄さん、面白かったよ！？

マイコ

お二方カップルにサービスって言って、割引までしてもらったし♡

キョウ

あー…

キョウ

あれはもっと最悪な時間だったわ…

マイコ

何言ってるの！

マイコ

お兄さんが、ゲーム実況をしてるような説明で町の案内をしてくれた時、

マイコ

一緒になって笑ってたじゃない？ｗ

キョウ

あの時は笑ってたけどな。

キョウ

あんなの、社交辞令に決まってんだろ。

マイコ

え、そうだったの？

キョウ

あの野郎、マイコに馴れ馴れしかったんだよ。

マイコ

なにそれｗ

マイコ

嫉妬ですか？

キョウ

は。そんなんじゃねぇ。

マイコ

じゃあ何よ？ｗ

キョウ

その時のマイコは10点だな。

キョウ

んで、舞妓さんと接してるマイコは20点ってところかな。

マイコ

ん？なに、その点数。

キョウ

俺がマイコに対する好感度の点数。

マイコ

何なの、それいる？

マイコ

人力車の時の私と舞妓さんと接してる時の私、全然差がないじゃない？

キョウ

俺をそっちのけにしてると低いってわけよ。

マイコ

いやいや、意味わからないし。

キョウ

周りの男とかにちやほやされてたじゃん。

マイコ

それは、私のせいじゃなくて、周りが寄ってくるわけなんだしさ？

マイコ

キョウがどうにか制止してくれてもよかったじゃない。

キョウ

は？俺に文句でもあるわけ？

マイコ

彼氏なんだからさ…？

キョウ

はいはい、あーそうですか。

キョウ

俺が悪いと？

マイコ

じゃあ、どうしろっていうの…

キョウ

俺が言うことに従ってれば、結果オーライってことですわ。

マイコ

なんなの、それ？

マイコ

勘弁してよ…

キョウ

それと、俺がこれまでこうしろっていうことに対して、なってなかったんだけど？

マイコ

え、なんかあったっけ？そんなこと。

キョウ

まず、デートの時は男とは一切喋るなっていう約束だよな？

マイコ

そんなの、無茶に決まってんじゃん！

キョウ

約束は約束だろ。

マイコ

私オッケーなんて言ってないし。

マイコ

そっちが勝手に決めてたことじゃない！

キョウ

言ったことは覚えてるだろ？

マイコ

私は、嫌だと言いました！

キョウ

俺が言ったことは、絶対なんだよ。

マイコ

なによそれ。

キョウ

それともう一つ。

マイコ

もう一つ？

キョウ

まず、俺との会話でのことは聞き逃すことがないようにっていうルールだよな？

キョウ

付き合い始めの頃、そういう話しただろ？

マイコ

いや、なんか言ってたかもだけど…

マイコ

そんなの、冗談だと思ったし、忘れてたわよ…

キョウ

ふざけんなよ！ルールは守ることが基本だろ？

マイコ

ルールルールって

マイコ

私の意見はないわけ？

キョウ

俺の意見、聞いてくれないくせに、自分の意見とかあるか？ｗ

マイコ

聞いてるわよ！

マイコ

私だけなの？楽しかったとか思ってたのは…

キョウ

俺は全然楽しめなかったわ…

マイコ

そんな…

キョウ

食事の支払いだって、俺が奢りたかったのに割り勘にするし？

マイコ

それは、申し訳ないと思って…

キョウ

だから高い店は嫌だったんだよ。

マイコ

どうして？

キョウ

俺が支払うに躊躇するじゃねぇか。

キョウ

安いところだったら、割り勘にしようだなんて考えないだろ？

マイコ

いやいや、どこにしたって全額支払ってもらおうだなんて思わないよ！

キョウ

俺だって、男だからな、かっこつけたいわけよ？

マイコ

は、はぁ…

キョウ

次は、高い店勘弁だからな！

マイコ

たまにしかない旅行デートなんだし、ちょっとリッチにしたいじゃん…

キョウ

お前、男の顔立てられないよなぁｗ

キョウ

もっと男について勉強しとけよ。

～数日後～

ミツハシ

キョウ久しぶり～

ミツハシ

大学のサークルで一緒だったミツハシ。

ミツハシ

覚えてるか？

キョウ

あれ、先輩じゃないですか！

キョウ

お久しぶりです！

ミツハシ

聞いたよ、彼女できたんだって？

ミツハシ

可愛いらしいじゃん！

キョウ

いやいや、それがそうじゃなくてですね？

ミツハシ

え？そうなのか？

ミツハシ

写真も見たけど、結構美人じゃん？

キョウ

顔だけですって…

ミツハシ

えー、そんな顔だけとか言っちゃダメダメー

ミツハシ

彼女に失礼だよー？

キョウ

いいんですって。

キョウ

実際そうなんですから。

ミツハシ

なんか不満なところでもあるのか？

キョウ

まず、デートの集合時間は遅れるんです。

ミツハシ

女の子は準備がたくさんあるらしいじゃんか？

キョウ

そんなんで許しちゃだめですって。

キョウ

時間を守らないなんて、人としてあり得ないことでしょう？

ミツハシ

厳しいなぁｗ

キョウ

それと、歩き方とかだらしないんです。

ミツハシ

歩き方？

キョウ

ガニ股で歩いたりとか、もう女っ気がなくて…

ミツハシ

まぁ、それは大目に見てやってよｗ

キョウ

メイクだって、してないときがほとんどで

キョウ

付き合いたての時の方が、ガッツリきちんとしてて

キョウ

今では、可愛さゼロに近い状態…

ミツハシ

俺が見せてもらった、メイクしてた写真は…

キョウ

あー、それは本当に付き合い立てのやつです！

キョウ

今の彼女を見せたら、ガッカリすると思いますよｗ

ミツハシ

そんな変わるもんか～？

キョウ

そうですね…

キョウ

まだ、一年も経ってないです。

ミツハシ

ま、これからまたどんどん垢抜けてくかもよ？

ミツハシ

デートはしてるのか？

キョウ

そうですね、最近でしたら京都旅行に泊まりで行きましたよ。

ミツハシ

お！良いじゃねぇか！

ミツハシ

どうだどうだ？色気っぷりは～

キョウ

それも、やばかったんですよ。

ミツハシ

おお？

ミツハシ

綺麗すぎて鼻血が出そうだったか？ｗ

キョウ

逆です。

キョウ

背中とかのムダ毛がボーボーで、もう幻滅…

ミツハシ

おいおい…

ミツハシ

そこまで言わんでも…

ミツハシ

まぁ、彼女も彼女なりに頑張ってると思うし、あまり言い過ぎるなよ？

キョウ

だといいんですけど。

～数時間後～

マイコ

ねぇ！ちょっと！

キョウ

なんだ、どうかしたか。

マイコ

私、先日の飲み会でミツハシさんっていう人から聞いたんだけど。

キョウ

え、お前ミツハシさんと知り合い！？

マイコ

友人がたまたま先輩だって連れて来てね。

キョウ

なんだよ、俺も行きたかったわ～

マイコ

そんなことはどうでもいいの！

マイコ

私と京都旅行に行った日の、愚痴がたくさんあったらしいじゃない？

キョウ

は？なんだ急に。

マイコ

服装が好みじゃなかった、メイクが後半崩れててやばかった。

マイコ

温泉入ったときに、俺より出るのが遅かったとか？

マイコ

私に対しての不満がそんなにあったわけ？

キョウ

ま、それだけじゃないけどな。

マイコ

よく、そんなことを堂々と他人に言ったじゃない！？

キョウ

だって、本当のことだし？

キョウ

あれは無い、最悪。

マイコ

酷い…

キョウ

ま、選んでくれた旅館は、そこそこ良かったから

キョウ

総合28点ってとこかな。次は頑張れよ～

マイコ

それも点数つけるのね…

マイコ

そんなんなら、もう旅行なんて行かない。

キョウ

そんな、拗ねるなってｗ

キョウ

あー、それよりさ

キョウ

来週なんだけど、ミツハシさんがダブルデートしようって持ち掛けてて。

マイコ

ダブルデート？

キョウ

絶対来いよ？

マイコ

ちょ、急じゃない？

キョウ

ミツハシさん、大手商社で働いてるんだけど。

キョウ

良いところ見せたいし、良い女感最大で来いよ！

マイコ

何で？

キョウ

俺、ミツハシさんがいる会社に就職したいからさ。

マイコ

良い女最大でか…

キョウ

頼むぞ！

～デート当日～

キョウ

おーい、時間まであと少しだけど？

キョウ

付いてる？

マイコ

そろそろ着くよー

キョウ

着いたらまた連絡してくれ～

キョウ

あ、ミツハシさんもこのトークに招待させとくわ。

ミツハシ

こんにちは～

ミツハシ

俺もそろそろ着くかなー

マイコ

お久しぶりです。

マイコ

私着きましたよ！キョウの近くにいるんだけど。

キョウ

は？どこだよ

マイコ

ちょ、人混みがすごいけど。

マイコ

手を振ってる人、私！

キョウ

あーいたいたって…

キョウ

へ？

キョウ

お前、その格好といい頭、どうしたんだよ！！

マイコ

あなたの言う、完璧な女の姿で来たんだけど？

キョウ

丸坊主じゃねぇか！

キョウ

白塗り？は？意味わかんねぇんだけど…

マイコ

ムダ毛も一切ないし、これでメイク崩れもしないし？

マイコ

何か問題だったかしら。

ミツハシ

おまたせ～って

ミツハシ

え？え？誰なの？

マイコ

すみません、ちょっと人通りがあれで離れて見えづらいかと思います。

マイコ

手を振ってるのが、彼女のマイコと申します～

ミツハシ

え、あの時会った、マイコちゃん！？

ミツハシ

べ、別人…

キョウ

なんで、その容姿にしたわけ？

マイコ

さっきも言ったじゃない。あなたのご希望通りのつもり。

ミツハシ

キョウくん…どういうこと？

キョウ

あ、いや～あの、こんなはずじゃなかったんですけどね～？

マイコ

なんだか、失礼じゃない？

マイコ

あ、ミツハシさん、聞いてください。

ミツハシ

ん？どうした？

マイコ

彼なんですが、先輩の会社に入るために、私の容姿を良くして来いよって

マイコ

脅してきたんですよ？

ミツハシ

は？どういうこと？

マイコ

先輩に良いところを見せたいがために、彼女を使って

マイコ

自分の良いところを見せようってアピールをしようとしてたわけです。

ミツハシ

おい、それ本当か？キョウ

キョウ

あ、いや、それは…

ミツハシ

いや～、ガッカリだわ…

ミツハシ

普通に良い後輩だと思ってたのに、彼女にここまでさせて…

ミツハシ

俺んところの就職は、無しだね。

キョウ

え、ちょ、それだけはどうにかできませんか…

マイコ

あー、話の途中ごめんね。

マイコ

私、今回はデートするために来たわけじゃないからさ。

キョウ

は？

マイコ

あんたと別れる決意固めてきたの。

キョウ

は！？

マイコ

就職もこれからの人間関係も絶望だろうけど、頑張ってね～

マイコ

私はもう帰るけど、バイバーイ。

キョウ

ちょっと！？話ついてけないんだけど！？

キョウ

嘘だろ…

～後日談～

マイコ

その後、私が帰った後に、彼はミツハシさんから総叩きされたという。

マイコ

彼女に対しての愚痴が酷かったことはもちろんのこと、

マイコ

人としてくそだということで、就職の話も白紙となったそう。

マイコ

後先見えず状態で、引きこもりにまで陥っている状態。

マイコ

そして、彼のことが最低男として

マイコ

ミツハシさん伝いで、大学側には最低男ということが広まったという。

マイコ

反対に私はというと、丸坊主にしてから生活が大きく変わることに。

マイコ

可愛いウィッグ生活が生まれ、毎日楽しんでいます。

マイコ

彼のモラハラと呼べるほどのことがあってか、

マイコ

恋愛はしばらく良いかなって思い始めています。

マイコ

友人との友情生活を楽しもうって。

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結城真矢

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