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パシャッ
カメラの音が 耳に響き渡った。
その音はまるで 音色かの様に、
心地よく耳で鳴った。
それは、君だったから、 かもしれない。
君じゃなければ、
私の耳には届かなかった はずだから。
風と共に、私は音の方 へと目線を向けた。
そこには ——
今朝、この学校に来て 初めて会話をして、
初めて心を抉られる 様なことを言った、
“ 君 “ だった。
君の手には、
フレームがボロボロに なっているカメラ。
何故かそのカメラを 見た瞬間、
私の胸は自然と温かさに 包まれていた。
そんなこんなで君を見て いるうちに君の眼は、
真っ赤に写る 鮮やかな夕日から、
目をまん丸にして 見る私へと変わる。
目が・・・ 合ってしまった。
🐶じふん.
君も私と同じく、目を まん丸にして驚く。
私の瞳には、確かに 写っているはずだ。
戸惑いが 隠せない君を、
私はただ見つめる事 しかできなかった。
心は、何故か今にも 叫びたいのに。
そうして、 私達は出会った ——
次の日も、 その次の日も、
私は欠かさず放課後 この屋上に来た。
もちろん、君も 欠かさずやって来る。
そこで、お互い心を開いて いくようになった。
君について知った 事はたくさんある。
君の名前は 「ぱく・じふん」。
外交的だけど 実は人見知り。
女子が トラウマで嫌い。
実は陰口 言われると傷つく。
毎日居眠りをして 過ごしている。
そして、いつも 撮っているカメラは、
亡くなったお母さんからの 誕生日プレゼント。
何だか私と似ている 所が沢山あった。
陰口を言われると 傷つくところも、
人見知りなところも、
“ 大事にしている カメラは、
亡くなった人がくれた 物 “ ってところも。
だから、余計に君の 事が知りたくなった。
カメラの話も、 沢山したいと思った。
何で女子がトラウマ なのに私は良いのかも。
彼のお陰で 私の学校生活は、
楽しい青春に なっていった。
そんな、ある昼休み。
君は私を 屋上に呼び出した。
君は柵にもたれかかって 私を隣に呼ぶ。
上から見た景色は、
驚く程 美しいものだった。
🐶じふん.
○○.
君はそんな 私を鼻で笑う。
でも、悪意には 感じなかった。
・・・と、その時、
君は急に、予想外な 言葉を口にする ——
🐶じふん.
○○.
🐶じふん.
🐶じふん.
🐶じふん.
この時既に、
私の返事は決まっていた のかもしれない ——
- 「脳内アルバム」 2 -
- 終わり -