今日は雨が降っていた。
天気予報では晴れと言っていたのに
冷たい雫が、灰色の空から。
天気関係なく折り畳み傘を持ってくる私は、何も困ることはなかった。
無駄に暑い制服に、冷たい空気の中歩き始める。
隣には誰もいなかった。
後ろにいる人の笑い声が微かに聞こえるだけで
生きる意味を見つけられない自分と向き合うことが出来ず、
現実逃避を繰り返す。
いくら歩いても、いくら走っても振り落とせない「何か」。
苦しさと寂しさが混じって「涙」となった液体は
雨とともに、水溜まりとなる。
このまま消えてしまえばいい。
それが出来たら楽なんだろうな。
締め付けられる程に苦い記憶
悲しみとか、苦しさとか、痛さとか。
いろいろ混じって、もうよくわかんないや。
生きる意味も死ぬ意味も見つけられず、運命を彷徨う。
知らない場所を歩き始め、傘も閉じていた。
神様。「絶望」の次は何を下さるのですか。
「死」ですか。 それとも「生」ですか。
それは、声にならない質問とともに風で流された。
知らない場所で、ただひとり。
もう死んでしまおうかとも思う
隣にあなたがいたら、こんなこと思わなかったのかな。
ただひとり、孤独な私は あなたの顔すらも忘れてきて
もう、なんでもいいや
でも、夢に出てくるの。
なんでかな。
もう夜になっていた。
こんな所にいても、することはない。
無駄に暑い制服を着ていたと思ったのに、 なんだか肌寒い。
涙なんて乾ききっていた。
全てが水溜まりとなり、 儚く消えてゆく。
自分もこうなれたらいいのに。
そんなことを考えながら、知らない道を歩き始める。
彼からそんなことを聞いたことがある。
なんでか、思い出してしまった。
泣きたくなるような笑みに、 私の興味のなさそうな顔が思い描ける。
それは半分冗談で、 半分本当。
その時の私は、 彼とずっと一緒にいられると思って、素っ気ない返事をしたのかな。
ただ強がってるだけの私は、 あの素直な笑みには似合わない。
私の言葉を無視するかのように言う素直で真っ直ぐな言葉は
苦しさや悲しみがつまった心から解放するように刺さった。
透き通った綺麗な瞳に 私は映っていて
ほんのり香る花の匂いは、 彼の甘さを含んだ声と一緒になっている気がした。
私はいなくてもいいのかな
そう思って、私は逃げ出してしまった。
それが最後だったなんて、思いもしなかっただろうね。
定期的に思い出してしまう彼との記憶は、
まるで夢だったかのように消えてしまう。
でも今日は、 彼との記憶を思い出したままで
なんだかずきずきする感覚は、 きっと辛いのかな。
今までは思い出したくないと思っていたけれど、 心のどこかでは思い出したかったのかもしれない。
何故か涙が出てくる。
でも、それは冷たくなくて、 ほんのり暖かい。
淡い記憶とともに、流れ落ちた涙。
それもまた、水溜まりとなってしまう。
私の胸には、棘のようなものが刺さっていた
大きい矢ではない、 細長い、ちくっとした棘。
もうすぐ抜けそうなのに、抜けない。
そんな感じの、よく分からない中途半端な。
神様は理不尽で、ずるい。
私ばかりに不幸が起こって、
自分の感情を言葉に出来ず、
思っていることも言えない。
でもこれは、自業自得なのかな。
全て忘れたい。
彼との記憶も。
そしたら私は自由になれる
かな
夜道を歩いていると、ひとつだけ光った星を見つけた。
直ぐに消えてしまいそうで、儚い星だけれど、
あの星は何故か、綺麗な硝子玉みたいな感じで。
あれはきっと、 彼なのかな。
私が星になったら、 彼からは離れよう。
星になっても、泣いてしまいそうだから。
きっと私は六等星となるだろう。
一等星の君の隣には立てない。
私は今、 死ぬ意味を見つけました。
神様から授けられたのは 「死」だったようです。
これが1番、楽になれる選択肢。
もう一度君に会いたい
そう思いながら、 私は星になることにします。
一等星の君へ。
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