第二話
安穏、暗澹
カツ、カツ……
カツ、カツ……。
食卓へ向かう足音が止まる。
___一階のダイニングへ通じるであろうドアを、
恐る恐る開ける。
ya.
ya.
no.
no.
no.
ya.
no.
彼は柔らかく微笑んだ。
カチカチと秒を刻む時計はの針は、 6時過ぎを指していた。
no.
ya.
彼の向かいの椅子に座る。
彼の表情は柔らかく、 どこまでも魅力的だった。
美味しそうな料理をつまみながら、彼の顔に目をやった。
味もいいし、顔もいい……
ya.
___でも、魅入っている場合でもなかったんだった
自.殺したやつの同居人だと、 忘れてはいけない。
no.
いつ、何が「ゆあんくん」 の身に起こったのか分からないし、
いつ、何が「ゆあんくん」の身に起こるか分からない。
no.
no.
ya.
ya.
とか言いつつ、
ついつい、笑みが零れてしまった
no.
一度零れた笑みは、もう止まらない。
ya.
食卓を取り巻く空気は、少し暖かくなった。
___そうだな…… まるで、春が訪れたみたいに。
ya.
ya.
no.
no.
ya.
遂に、微笑みを交わした。
無知が1番怖いって言うのに、 何も分かっちゃいないのに、
なんだか、「ゆあんくん」が死のうとした原因が、彼じゃない気がした
それほど、彼といる時間が 幸せに思えた。
no.
ya.
ya.
突然のことに、驚いた。
no.
no.
あれ、彼が照れた?
顔が熱い……?
ya.
てか、それより、いつも可愛いって 言われてるの?
no.
no.
no.
ya.
no.
ya.
ya.
ya.
何を言っているんだ、俺は。
昔の「ゆあんくん」の性格なんて、 知ったこっちゃないから
適当な言い訳をしてるだけ___
no.
no.
ya.
ya.
演技は難しいし、ノっとこう。 多分そう考えた
no.
no.
ya.
___可愛い?照れる?好き?愛?
もしかして、彼は「ゆあんくん」の 彼氏で……
俺と彼は付き合って___
ya.
no.
ya.
いや、そんなわけないか
___俺も彼も、男だから。
変な妄想しちゃったな……
no.
にしても、カトラリーを持つ指
……綺麗
____
ya.
no.
no.
ya.
no.
no.
ずっと、笑顔。
こう見ると……
ya.
彼の青く透明な瞳も
さらさらと艶めく髪も
手も、足も、顔も、服のセンスも……
ya.
ya.
no.
___ガチャ、
階段を一段ずつ踏む。
一歩ずつ、一歩ずつ……
こつこつ音を立てて。
ベッドに仰向けになる。
少し、考え込む。
暗くて、何も見えない俺の部屋___
ya.
それでも瞼の裏に、彼がいた。
ya.
見れば見るほどきれいに見えた。
あぁ……
これは恋だ。
ya.
ベッドの上にいて、
身体が倦怠感に包まれ、
次第に、目が重くなってきた。
ya.
眠い理由は、薬の袋を見ればわかる。
記憶はないけど。
きっと今朝、ODして、
首吊って、___
ya.
____
ya.
ya.
ya.
夢か、?
___妙で奇妙な夢だ……
いや、それより
頭がずきずきする。
ya.
ぐるぐる、頭の奥の方が……
ya.
気持ちが悪い。
寝たいのに、呼吸ができない。
息が気管に詰まって、 血の気が引いてくる。
ya.
暫く続いた。ざっと、数十分は。
___落ち着いた頃には、既に眠りに落ちていた。
______
規則的に、規則的に、
耳の奥から、電車の揺れを聞き取る。
恐らく電車の中の夢なのだろうと察する。
_______
?
no.
no.
no.
no.
これは、彼の____
「ゆあんくん」の同居人の声だ。
?
no.
no.
?
no.
________
ガタンッ、
no.
?
電車が突然、大きく揺れる。
no.
?
あれ、前、線路が落ちて______
_______
鈍い轟音に包まれ、平衡感覚を失う。
がらがら、ばきばき、がしゃがしゃ……
痛い音が響く。 砕ける。散らばる。
嗅覚は感じないけど、 鉄の香りと血の香りを肌で感じる。
?
____で、俺は誰?
ya.
____あっという間に朝が訪れた。
ほの明かりに顔が照らされる。
……とんだ悪夢を見た。
ya.
「 俺は誰? 」
ya.
頭から離れない。
頭から離れない。
単に夢の余韻であろうか。
_____胸の奥底からの、SOSであろうか?
ya.
笑って誤魔化してみるけど、
どんどん、身体と心が乖離していくばかりだった。
俺は本当に「ゆあんくん」なの?
記憶が更々ないのは、何か関係がある?
ya.
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コメント
2件
たまらんわ。めっちゃ良い感じ。まじ最高!! ゆあんくんの夢のゆあんくんは誰なんだろう(? まじで、夢が奇妙すぎ。何でなんだろう?考察します!!