TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

圉鵺市

墓参りを終えアタシは 花を片手に歩いていた。

小春

相変わらずアイツのお節介な部分も変わらねーなァ...

小春

てか...

小春

小春

誰かに付き纏われてる感じがするなァ...

小春

大方予想はつくが、アタックしてこないってことは下っ端の人間なのか?

その時、アタシの腹が グウゥ〜と鳴った。

小春

あ...そういやもう昼か...

小春

家帰るにもまだ歩かにゃならねーし、そこら辺の店で食うか

そしてアタシは現在地から 近いファミレスに 足を踏み入れた。

ファミレス

店内は昼にもかかわらず 比較的ガラガラだった。

一通りの注文を済ませ 静かに待っていると 店内に見覚えのある 人物を見かけた。

小春

アレは...

小春

小春

椿か?

そこにいたのは サイケデリックな花屋を営む 燐堂 椿だった。

アタシが不思議そうに 見ていると向こうが気付き こっちに来やがった。

椿

あら、また会ったわね

小春

あー、さっきはどうも。おかげでご先祖様も喜んだと思うわー

椿

棒読みでアナタが私をどう思っているのかがよく分かるわ♡

小春

キメェ...

小春

てか口調、プライベートだからか?

椿

今日は私の気分が乗らないから午後の営業はお休みなの。だから苦手な敬語も使わないわ

小春

どっかの誰かさんも似たようなこと言ってたなァ...

小春

ま、タメの方が気が楽だから今後もそれで頼むわ

小春

で、アタシに何の用だ?

椿

用も何も素敵な花が見えたから気になって来ただけよ。誰かへのプレゼントかしら?

小春

ちげーよ、実は...

そしてアタシは花を 貰うまでの経緯を説明した。

椿

なるほど、そういうことだったのね

椿

ちなみにその花、アナタの態度を見る限り要らなそうだから私が貰ってもいいかしら?

小春

ああ、欲しけりゃくれてやるよ

椿

ありがとう♡

小春

さて、それじゃあ用も済んだし元の座席に戻れよ。アタシはオムライス食うからさ

椿

まだ用事はあるわ。あ、でもオムライスを食べながらでいいわよ

小春

何だよ、面倒だなァ...

仕方なしにアタシは オムライス優先で彼女の話を 聞くことになった。

椿

ねぇ、突然だけど...

椿

椿

アナタは“運命”って信じるかしら?

小春

...は?

アタシは耳を疑った。

小春

...運命?少女漫画の読み過ぎには気を付けた方がいいぞ

椿

あら、ご忠告ありがとう。でも私はそんなもの読んでないわ

小春

じゃあ何だよ

椿

私ね、運命は必ず存在すると思うの

椿

例えば今日、アナタとここで出会うことも運命だったんじゃないかって思うのよ

小春

あ、脈なしなんでパスで

椿

でもね、中にはその運命に抗おうとする人間がいるのよ

椿

よくアニメや漫画であるでしょう?死ぬ未来を変える為に奔走する展開...

椿

私はそれが死ぬほど嫌いなの

椿

だから私はそんな人間を潰すのが趣味なの♡

小春

いや、趣味なの♡とか言われても突然のヤバイ暴露話で食欲失せるからやめろ

椿

あと、それだけじゃないわ

小春

話聞けよ

椿

人は長い人生においてコツコツ努力をして生きていくわよね?

椿

そしてその努力がようやく実る‼︎...っていう瞬間に私はそれを全て崩したくなるの

椿

つまり、あと一歩のところで人を“絶望させる”ことも私の趣味なの♡

小春

だから趣味なの♡じゃねーよ、聞かされてるこっちの身にもなれよ

椿

あら、気持ち悪いって思うのなら無理やりにでも私を追い返せばいいのに

小春

今オムライスに集中してるから、それは無理だ

椿

今までこの話を聞いてくれた人は全員私を追い返したのよ?

椿

でもアナタは私を追い返さなかった

椿

もしかしたら、アナタと私は何か通ずるものがあるのかもしれないわね♡

小春

あ?テメェと一緒にされたかねーよ

椿

ふふっ、照れちゃって可愛い♡

小春

ダメだ、コイツ話通じねーわ

小春

てか用件はもういいかァ?何か頭痛くなってきたわ

椿

それはお大事にね

小春

一番の原因が何言ってんだ

アタシはさっさと オムライスを食べ終えると 会計を済ませ、一度も 振り返ることなく帰った。

絵鳩 小春の終末論

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚