泡と涙と血｡~1話~

私が見たあの光景。

なんだったかな｡

忘れてしまった。

でも,確かに衝撃的だったんだ｡

その時からなぜだか分からないが

赤い液体が目に見えると吐き気がして,体の震えが止まらなくなる｡

私は蔵居 桟(くらい たな)

この子は,眷 睦美(けん むつみ)

私を支えてくれる優しい私の親友｡

嗚咽を鳴らしながら私は目に涙を浮かべた｡

睦美は私を背中を優しく擦りながら,囁いてくれた｡

私がトイレに何故顔を突っ込んでいるのか。

先程クラスの男子がふざけていたのか大怪我をしていた。

血液が大量に出ており,

思い出すだけで…………

私はその言葉のおかげで吐き気が少し治まった｡

八尋 鍾(やしろ しょう)

見た目はチャラいけど勉強には熱心である。

鍾は私のことを〝蔵〟と呼ぶ。

鍾は椅子に座ったまま私の方に体を向け抱きついてきた。

そして,私のお腹らへんのところで頭をグリグリしてきた｡

鍾は上を向いて私の顔を見上げた。

にかーっと笑って言ってくれた。

あんたの方が可愛いよ｡

私は人差し指をたてて,鍾の口に当てた。

マジで可愛すぎ…

ふふふふ,てか、私達いつまでイチャイチャしてんの

出来ればいつまでもこうして居たいけれど。

こんなわがままで変なとこで甘える私を鍾も睦美も支えてくれる。

うちは門限がないからいつ行っても帰っても大丈夫なのだ｡

あぁっ!!!?????

気づくと私は倒れていた。

それに気づくのに3秒程かかった｡

首が痛い。

そしてなんだか生暖かい。

首を倒れたまま触ってみた。

手にはべっとり血がついていた。

ダメ。怖い。痛い。気持ち悪い｡

助けて、睦美,鍾

吐き気がしてきた。

たまたま近くにあったコンビニに駆け込んだ。

そして,ドアを開けた｡

良かった間に合った。

しかし吐き気は止まらなかった。

見ると気持ちが悪くなってしまうものが自分自身から出ているから、

連絡して,今すぐにでも来て欲しい｡

睦美

10分後

コンコン

ガララ…

少し慌てた様子だったが睦美は直ぐに私の背中を優しくさすった。

誰。

私を襲ったのは,,

次回→衝撃の犯人。

じゃあ第2話で会おうね!!

ﾊﾞｧｲ