なんで

やっぱ疲れてたんだなぁ

黄ちゃんは普段僕のことを青ちゃんとは呼ばない

この呼び方になるのはほんとにたま〜に

いいお兄ちゃん を取り繕えなくなった時だけ

そーとー無理してたね

これは、

黄ちゃんはね、気を抜かないから誰かの前で寝ることなんてない

寝ても僕らが体調崩したらすぐに起こされるから

眠りが浅かったっぽい

なんでそんな知ってるんだって？

まぁ、いなくなった時に部屋のすみずみまで見たからね

見たくないものも見た

結局僕は黄ちゃんを傷つけただけなんだよな

今更謝ったってどうにもならない

奪った幸せは戻らない

これからどれだけ償っても、

小さい頃に受けられるはずの愛情には勝らない

それくらい

あれは何だったんだろう

ただの夢にしては声とか見た目がしっかりしてた

青ちゃんが危険ってどういうことだろう

ていうかまずあの人って誰？

ほんとに信じてもいいの？

あれｯなんで今言わなかったんだろ

言えばよかったのに

そういや青、なんか泣いた跡付いてる？気の所為かな

帰りたいけど帰りたくない

ってわがまますぎるね

でもなぁ、帰ったらたぶん青は無理しちゃう

優しいから

それに僕も赤に会いたくない

どうしよ

それだけしか言えなかった

僕も帰りたくないなぁ

でも兄ちゃん達が心配してるだろうし

疲れてるんだったら体調悪くなるかも

帰るほうが良いのはわかるけど

帰りたくない

あ、『いいお兄ちゃん』に戻った