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僕たち6人のカメラ
いや
7人?
8人か?
6兄弟の末っ子として生まれた僕は
兄たちと共有している記憶が少ない
なんでもカメラにおさめるというルールは
いいことなのかわるいことなのか
幼少期の記憶がほぼない僕
少しでも兄たちと記憶を共有するべく
僕はカメラを起動させる
rt
りいぬにぃとななにぃ
今の僕よりもずっと幼い彼ら
上から僕を見下ろしている
rt
さとにぃだ!
まだ生まれたばっかみたい
あれ?
ころにぃは?
次の次くらいにころにぃを発見する
保育器というものに入っている
お母さんがいたり
優しそうに笑うお父さんもいた
なんとなく楽しみながら見ていた
そこで出会う
これは
僕が撮った
最初で最後の写真だ
このとき僕は4歳だった
ころにぃがお父さんに連れてかれてから
帰ってこない
リビングでは
お酒を入れたり
お菓子を開けたりする音が聞こえるから
おそらくお父さんはいる
この家には今
りいぬにぃとななにぃは学校
さとにぃはじゅくにいっているため
じぇるにぃところにぃと僕しかいない
ころにぃを探さなきゃ
じぇるにぃに入っとけって言われた
僕たちの唯一の部屋の窓を開ける
すると
ころにぃは案外すぐに見つかった
おうちの後ろ
背の高い草がたくさん生えているところに
ころにぃはいた
外は寒くて
rt
たすけて……っ)
どうしたらいい?
僕になにができる?
ころにぃが死んじゃうかもしれない
迷っているうちに
ころにぃは草むらに倒れ込んだ
嬉しいことも、辛いことも
そんなルールをふと思い出した僕は
カメラのシャッターを押した
この写真が
裁判の証拠に使われたのも
思い出?
ころ兄ちゃんが連れてかれた
jl
父さんが帰ってくると
目を伏せても絡んできそうな感じ
るぅちゃんを部屋に移動させて
殴られる覚悟を決める
いつも
兄ちゃんたちが代わりに殴られてくれたり
兄ちゃんたちみたいな
かっこいい兄ちゃんになりたいから
ガチャ……
jl
jl
父さん
父さん
jl
jl
父さん
父さん
父さんは
さっきよりも怖くない
ころにぃちゃんは
ジャンパーもなにも着ないで外に行った
jl
jl
父さん
父さん
jl
つい
こわくて
行かない選択をしてしまった
父さん
父さん
父さん
そう言って父さんは
こぶしを丸めて高くあげた
jl
まるでサンドバッグだ
兄ちゃんたちは
いつもこんなのされてたの…?
jl
父さん
父さん
父さんからの暴行は
止まる気配が無い
すると
外から話し声が聞こえた
兄ちゃんたちだ
jl
jl
兄ちゃんに助けを求めようと
玄関に走り出したその時
おれはふと思い出す
そうだ
ころにぃちゃんが
死んじゃうかもしれないんだ
jl
方向転換し
玄関から1番近い窓がある
キッチンへ向かう
父さんは
歩いて追いかけてきているようだ
窓を開ける
そこには
にぃちゃんが3人いた
jl
rn
rn
jl
jl
りーぬちぃちゃん以外の2人は
目を丸めて立ち尽くしている
jl
jl
rn
jl
父さん
父さん
父さん
父さん
父さんのこぶしが
また高くあがった
おれには
もう耐えられる気はしていなかった
ごんっっ…!!
jl
立てない
手に力が入らない
涙で霞んだ視界
目の少し上あたり
出血したんじゃないかという
冷たい感覚
ああ……
もうだめだ…
目が閉じようとしたその時
rn
rn
りーぬにぃちゃんに
抱かれる
そのまま
階段をあがっていく
そこで
おれの意識は途絶えた
朝
いつものように
いつもと同じ朝
だとおもってた
部屋には
ひとりで
息を殺して泣いてる
ころにぃと
新しいあざがいくつもできている
さとにぃと
ただぼーーっと
部屋のどこかを見つめている
りいぬにぃ
それと
まだ眠っているじぇるにぃ
ななにぃは居なかった
今日は平日
いつもだったら
みんな学校の準備をしに
部屋を出ているのに
なにかあったのか
いや
なにがあったのか
僕は
まだこどもだから
知らされないことも多い
でも
お兄ちゃんを責めることはしない
rn
rn
泣きそうな声で
僕に話しかけてくる
rt
まともに会話できる人がいなそうなので
じぇるにぃを起こすことにした
すると
りいぬにぃは
部屋を出て
階段を下っていった
rt
じぇるにぃは
なんでこうなったか
知っているのだろうか
jl
jl
jl
rt
jl
jl
jl
rt
rt
jl
彼は
ぼくを抱き寄せた
jl
jl
jl
なんだか
少し安心する
rt
jl
jl
泣いてるころにぃと
座ったまま動かないさとにぃ
に気づく
rt
rt
jl
jl
rt
rt
jl
じぇるにぃは
なにかに気がついたみたいだ
jl
jl
jl
jl
ぼくは
記憶を遡った
nn
jl
rt
nn
nn
nn
jl
jl
nn
兄ちゃんは迷っていた
なにかと戦っている
なにか言おうとして
nn
やめたみたい
nn
兄ちゃんは
ひとりで戦っている…?
nn
nn
rt
jl
兄ちゃんは俺たちを抱き締めた
兄ちゃんは
珍しく
泣いてるみたいだった
jl
jl
jl
jl
るぅちゃんは
めったに見せない
兄の泣き顔に
戸惑っているようだった
rt
rt
その言葉に
兄ちゃんは何も言わず
また涙をこぼした
じぇるにぃは分かっていた
ななにぃは
居なくなってしまったのか…?
rt
rt
rt
なんとなく
ななにぃが居なくなってしまうような
気がしたんだ
jl
すると
りいぬにぃが帰ってくる
涙の後は消えて
いつものりいぬにぃの顔
顔を洗ってきたのかな
rn
rn
rn
聞きたくなかった
耳を塞ぎたかった
rn
rn
rn
予想通りだった
外れてくれれば
どれだけほっとしたことだろう
jl
jl
rn
rn
rn
rn
これは
6年前の記憶
もう朝か