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ウマ娘/GROUND ZERO

第1話 - 目標

2025年06月12日

#ウマ娘

#ウマ娘プリティーダービー

#ウマ娘プリティダービー

○

ウマ娘。

それは、走るために生まれてきた。

ときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前と共に生まれ、その魂を受け継いで走る───。

それが、彼女たちの運命。

この世界に生きるウマ娘の未来のレース結果は、まだ誰にもわからない。

彼女たちは走り続ける。

瞳の先にある、ゴールだけを目指して。

トレセン学園　体育館入学式にて

秋川やよい

歓迎！！君達には今後、我が校が開催するトゥインクルシリーズの伝説を背負う者としての自覚を……

カツラギエース

(「ふぁぁ……眠っ…。長い入学式だなぁ…こりゃ…」)

カツラギエース

(「にしても、かなりの生徒人数だ…流石は"中央"。アタシんトコじゃこんな光景見られねぇってのに…。」)

カツラギエース

(「……あ～…やっぱり眠気が…まぁ少しだけ寝ても…バレねぇだろ…。」)

カツラギエース

……zzz

シリウスシンボリ

…おい。

カツラギエース

うおわぁっ！？

シリウスシンボリ

でかい声を出すな…。
ほら、退場だと。お前が起きねぇと後ろの列が詰まっちまうだろうが。

カツラギエース

わ、わりぃわりぃ…！
ありがとなっ。

シリウスシンボリ

………。

カツラギエース

な、なんだ…もう終わってたのか…いつの間に…っ。

カツラギエース

(「にしても、ちくしょお…！
寝ちまったアタシに非があるとはいえ、入学早々恥ずかしい思いしちまった…！！」)

カツラギエース

「(いや、クヨクヨしてたって仕方ねぇや…。早ぇとこ切り替えていかなくっちゃ…。)」

シリウスシンボリ

……変なヤツ。

カツラギエース

んぁ？何か言ったか？

シリウスシンボリ

…早く行けって言ってんだよ。お前のせいで後ろの私も教室に戻れないんだが？

カツラギエース

あぁ！？！わ、わりぃ！すぐ行くっ！

シリウスシンボリ

……やっぱり変なヤツだな…コイツ。

数ヵ月前

???

エース姉ちゃん。本当に行っちゃうの…？

カツラギエース

ああ。こればかりはアタシが決めたことなんだ、後悔しない選択をした。後は進むだけだ…！

???

私…エース姉ちゃんがいなくてもやっていけるかな。

カツラギエース

…？

???

怖いの。いじめられたりだとか、何かあったらエース姉ちゃんに頼ってばかりだったから。

???

エース姉ちゃんみたいに…私は強くないから…

カツラギエース

…実はアタシも少し怖いんだ。中央に行くの。

???

…えっ。

カツラギエース

へへっ、皆にはナイショだぞ？

カツラギエース

1人で地元(ここ)を離れて…向こうでは何があるか分からない。

カツラギエース

正直、ここに残ってもいいかなって思ったんだ。

???

なら…どうして…

カツラギエース

でも、人生は1度きり。どうせならウマ娘としてやれるだけのことは全部やりたい。

カツラギエース

それに…見返してやりたいのさ。地方のウマ娘が中央のスゲー奴らをバッタバッタと倒してく……

カ…ラ……さ…。

カツラギエース

地方出身、無名のウマ娘だからって固定観念をアタシが覆してみたい！

???

…お姉ちゃん…

カツラギエース

へへへっ、まっ。できるかどうかは分からねぇけどな。でもやってみる価値はある。

カツラギエース

…アタシも向こうで頑張って、お前に最高の選手になった姿を見せる。だからお互い頑張るんだ。離れていても、ずっとずっと…

カツ…ギエー…さ…

カツラギエース

だから、もしアタシが最強になったら…

カツラギエース

……その時は…

トレセン学園 ○年△組　教室

教師

カツラギエースさん！！

カツラギエース

ひ、ひゃいっ！？

教師

自己紹介ですよ、立って挨拶と目標を。

カツラギエース

あ、あはは…すんませんっ。ボーッとしちゃって…！

生徒達

ふふっ…あの人面白いね…(ｸｽｸｽ)

シリウスシンボリ

………。

カツラギエース

えーっと、カツラギエースです。地元は△□で、目標は……

カツラギエース

目標……

カツラギエース

………。

教師

……？どうかしましたか？

カツラギエース

……最強…

教師

…はい…？

カツラギエース

…目標は、最強になることです。

生徒達

最強…？なにそれ…(ｻﾞﾜｻﾞﾜ)

生徒達

なんか子供みたいな夢だね…(ｻﾞﾜｻﾞﾜ)

シリウスシンボリ

……。

カツラギエース

最強になって、地元のやつらに夢を見せます。

カツラギエース

それが…私の目標です。

教師

なるほど、ありがとうございました。では次の生徒は挨拶を…

シリウスシンボリ

……シリウスシンボリ。

シリウスシンボリ

目標は……

シリウスシンボリ

……フッ。

シリウスシンボリ

目標は、夢を見せるとほざくヤツを完膚なきまでに叩き潰すこと。

生徒達

えっ…！？(ｻﾞﾜｻﾞﾜ)

カツラギエース

……！！

教師

シリウスさん…？それは自己紹介としてあまりにも…

シリウスシンボリ

ハッ、変だってのか？先生。だが悪いな、これが私の目標だ。

シリウスシンボリ

おい、寝ぼすけ。
一応言っておくが…ここは夢語りしてその通りに事が進む程甘くねぇんだよ。

カツラギエース

…………。

シリウスシンボリ

ハッ、ビビっちまったか？それならさっさと地元に…

カツラギエース

あ！お前、さっきアタシを起こしてくれた…！一緒のクラスだったのか…へへっ、よろしくなっ！

シリウスシンボリ

あ？

カツラギエース

……えっ？

カツラギエース

いんやぁ…さっきはあんがとな。このまま寝てたら先生に怒られてたぜ…！

シリウスシンボリ

……っ…

カツラギエース

お、おい…！何で無視して逃げるんだよ、お～い！

シリウスシンボリ

……フン…！

カツラギエース

……？

数日後…

カツラギエース

よっ、おはよーさんっ。シリウス！

シリウスシンボリ

………(ﾌﾟｲｯ)

カツラギエース

……？？

また数日後…

カツラギエース

おーい！シリウスっ。お昼、一緒に食べようぜ～？

シリウスシンボリ

っ～～～！！！

シリウスシンボリ

いい加減にしろッ…！！お前、いつまでくっついて来るつもりだ！？

カツラギエース

いつまでって…卒業するまで？

シリウスシンボリ

はぁ…！？冗談だろ！？

カツラギエース

冗談でンなこと言うかよ。アタシはとっくにダチだと思ってたからな。

カツラギエース

それに、あの時アタシの目標に対して宣戦布告してくれたじゃねぇか。凄ぇ嬉しかったんだ。

カツラギエース

そういう関係ってさ。
ライバルっつうか…ダチだろ？

シリウスシンボリ

…はぁ。

シリウスシンボリ

あのなぁ、私はお前が気にくわなくてああ言ったんだぞ。

カツラギエース

気にくわない…？

シリウスシンボリ

そうだ。
地方出身のカツラギエース…いかんせん、上京して地元の奴らに夢を見せたいだとか、そういう感じだろ？

シリウスシンボリ

どうせお前ちっぽけな夢なんざ大して叶わねぇよ。

カツラギエース

……何？

シリウスシンボリ

頂点に立つのは私だからな。頂点に立ってアイツを見返す。それに比べればお前の夢は……

カツラギエース

おい。

カツラギエース

シリウスに何が分かるんだよ…アタシの夢が、ちっぽけだって。

シリウスシンボリ

…あ？

カツラギエース

アタシは地元の皆の思いを背負ってここにいる。独りよがりでワガママな夢じゃない。

シリウスシンボリ

…なんだと…？

生徒達

ちょっと…アレやばいんじゃない…？

生徒達

先生呼ぶ…？

カツラギエース

私の夢を馬鹿に……

カツラギエース

するなッ！！

憤怒した彼女はシリウスシンボリの胸ぐらを掴み、右手を握り締め振りかかった。

シリウスシンボリ

ぐっ…！？

シリウスシンボリ

ハッ、やりやがったな…！？

負けじとシリウスシンボリも反撃。廊下には2人の怒声と喧嘩による騒音が鳴り響いた。

カツラギエース

はぁ…はぁ……！！シリウス…ッ！！

シリウスシンボリ

しぶとい…ヤツじゃねぇか……

シリウスシンボリ

もう一発、お見舞いしてやr……

シンボリルドルフ

2人とも。そこまでだ。

カツラギエース

っ……！

シリウスシンボリ

…！！
お前…は……ッ…！！

シンボリルドルフ

生徒から通報を受けてきた。これ以上騒ぎにするのであれば、こちらも容赦しない。

シリウスシンボリ

…ご親切に最後の忠告をしに来たって訳か…

シリウスシンボリ

…"シンボリルドルフ"さんよ。

カツラギエース

っ………

カツラギエース

シンボリ…ルドルフ……。

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