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カラン、とドアベルが鳴る

ちょうど夕方の仕込みを終えてカウンターに立っていた私は、その音に顔を上げた。

sumire

(あ…また来た)

sumire

いらっしゃいませ。

入口から入ってきたのは、派手な金色と水色が混じりあった髪の青年。

目立つ色合いは、どこか現実離れしていて、1度見たら忘れられない。

一見すれば”絶対に近寄らない方がいい人”。

正直、最初の印象はそんな感じだった

彼は慣れたようにカウンター席に腰を下ろし、ちらりとこちらに目をやる

rindou

「いつもので」

sumire

はい、ブレンドとチーズケーキですね

毎回注文は同じ。

見た目の派手さに反してシンプルなオーダー。

それが妙におかしくて、最初は心の中でクスッと笑ってしまったことを覚えている

sumire

(…あの人、なんでこんな喫茶店に通ってるんだろう、)

周囲の喧騒から切り離されたようなこの古びた喫茶店。

学生や会社員が一息つきに立ち寄る場所。

あんなに派手な人が常連になるのは、どうにも不思議だった。

だけど気づけば、彼がドアベルを鳴らす瞬間を待つ自分がいた。

君と僕と、喫茶店で

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