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シャケさんがお姫さまに忠実なのがまたいい...
昔々、ある所に
勇敢で、美しく、心の優しいお姫様が居りました。
彼女は国の人々に慕われ、国王や王妃に愛され、清く健やかに育ちました。
そんなある日、城にパーティーの招待状が届きました。
お姫様が最も信頼する護衛の男に言います。
「いい?私が戻るまで家を守ってちょうだい。頼りにしているわ」
男は彼女の言いつけを守り、城へ近づく者は何人たりとも許しませんでした。
それから幾日、幾月、幾年と時が流れ
何時しか男はこう呼ばれるようになりました。
歴戦王と。
Nakamu
新たな国を作りたい。
俺の一言から始まったこの旅で
元から行動を共にしていたきりやんに加え、Broooock、きんとき、スマイルが仲間になった。
きりやん
Broooock
スマイル
きりやん
きんとき
Nakamu
きりやん
きんとき
きりやん
スマイル
Broooock
きりやん
きりやん
俺が思い描く国は差別も、孤独も、迫害も、束縛も無い、誰もが笑顔で過ごせる平和な国。
俺達は皆、何かしらの問題を抱えていた。
だからこそ、今こうして共に旅が出来ている。
悲しみを知る者は他人の悲しみにも敏感になるものだから。
苦しみを知る者は他人の苦しみにも敏感になるものだから。
痛みを知る者は他人の痛みにも敏感になるものだから。
だから共に支え合うことが出来るのだ。
きりやん
Nakamu
きりやん
きんとき
スマイル
Nakamu
Nakamu
きんとき
スマイル
きりやん
Broooock
こんなに信頼できる仲間を持つこもができた俺はとても運が良い。
これから会う彼とも打ち解けられるだろうか。
スマイル
Broooock
十数年放置されていた国は廃れ、雑草に覆われていた。
錆付き文字が読めない看板や、水の流れていない噴水を眺めながら先に進む。
商店街の通りを抜け、坂道を登り、更に奥へと進んだこの国で最も高い位置に城はあった。
きんとき
きりやん
Nakamu
Broooock
スマイル
Broooock
スマイルが珍しく焦った声を出す。
と同時に、Broooockが一歩門に足を踏み入れた瞬間
強い殺気に襲われた。
反射的に剣を抜き辺りを見渡す。
きんとき
Nakamu
咄嗟に剣を振り上げた。
金属同士がぶつかる甲高い音がして背中に嫌な汗が伝う。
もしきんときが気づいていなければ、危ない所だった。
きりやん
Nakamu
Nakamu
スマイル
剣に弾かれ少し離れた場所に着地した男は、怒りを帯びた目で俺達を威嚇する。
歴戦王なんて名前を付けられるくらいだから屈強な男が現れるのかと思っていたが
驚いたことに彼は小柄で俺達と歳もそう変わらない青年だった。
二本のナイフを握り今にも飛び掛って来そうな勢いで男が吠える。
シャークん
シャークん
Nakamu
シャークん
シャークん
きんとき
スマイル
Nakamu
Nakamu
シャークん
シャークん
きりやん
Broooock
Nakamu
Nakamu
Nakamu
シャークん
Nakamu
シャークん
シャークん
Nakamu
Nakamu
シャークん
俺達は突き刺すような視線を背に元来た道を引き返した。
空き家を借りて一息つく。
きりやん
Nakamu
きんとき
Broooock
スマイル
Broooock
Nakamu
きりやん
Nakamu
Nakamu
スマイル
きんとき
俺達は話し合い明日に備えて眠りについた。
Nakamu
翌朝、再び城を訪れ門の外から声をかける。
すると仏頂面な彼がどこからとも無く姿を現した。
シャークん
Nakamu
シャークん
スマイル
Broooock
彼の動きが一瞬止まった。
お姫様に反応したのだ。
Nakamu
Nakamu
彼は俺を見つめたまま黙った。
きっと会話をするべきか考えているのだろう。
大きな進歩だ。
シャークん
シャークん
Nakamu
シャークん
良かった、話を聞く気になったらしい。
まだ警戒はされているけれど。
きりやん
シャークん
シャークん
やっぱり、彼は主人の帰りを待っているんだ。
もう戻って来ることは無いのに。
Nakamu
Nakamu
シャークん
シャークん
Nakamu
シャークん
シャークん
あぁそうか。
怒る彼の瞳には、悲しみが隠れている。
必死に叫ぶその声が、悲鳴のようにも聞こえる。
シャークん
シャークん
Nakamu
シャークん
シャークんは地面に手を着き吠えた。
まるで獣のように。
シャークん
昔々、ある山の中で赤ん坊が泣いていました。
大きな荷物を背負い、頭から血を流す女性の傍で泣いていました。
そこへ近付く影が一つ。
銀色の毛に身を包んだそれは狼でした。
狼は泣き止まない赤ん坊を口に咥え住処へ連れ帰りました。
時は流れ赤ん坊が一人で狩りをする事ができる程に成長したある冬のこと。
少年が目を覚ますと、そこに狼の姿はありませんでした。
遠吠えをし呼んでみても帰ってきてはくれません。
白く染る山の中で彼は一人ぼっちです。
小さな体がぶるりと震えた、そんな時。
山に一人の少女が迷い込みました。
涙を堪えて歩く少女が少年を見つけ駆け寄ります。
「貴方も迷子なの?」
「ガルルルル」
帰ってくるのは唸り声。
しかし不思議と彼女は恐怖を抱きませんでした。
「大丈夫、心配いらないわ!私が助けてあげる」
少女は少年の手を引き歩きます。
少年は少女の手を見て歩きます。
山の出口に立った時、空はオレンジ色でした。
暖炉の前で少女は少年の髪を乾かしてあげていました。
少年は初めて入る風呂に最初は抵抗していましたが、今はとても大人しくしています。
「貴方お名前は?」
「グルル」
「家族は居るの?」
「ガゥゥ」
彼女は悲しそうに目を伏せます。
「ごめんなさい、何と言っているのか分からないの」
少年はただ髪を梳く手に擦り寄ることしかできません。
「そうだわ!私が名前をつけてあげる」
少女は顎に手を当てああでもない、こうでもないと考え
そして顔を上げ微笑みました。
「今日から一緒に暮らしましょう。ね、シャークん」
城で暮らすようになって数年。
シャークんは言葉を覚え、武器を持ち、彼女を守ると誓いました。
そんなある日のことです。
国王の元に手紙が届きました。
交流の深い他国からパーティーの招待状です。
お姫様が嬉々として支度をする中、シャークんは暗い顔をしていました。
彼女の傍を離れるのが嫌なのです。
そんなシャークんの両肩を掴み、彼女は真剣な目を向けました。
「できる事なら貴方を連れて行きたいわ。でも貴方には城を守っていて貰いたいの。パーティーが終わったら直ぐに帰ってくる。だから待っててね。私の家を頼んだわよ」
シャークんは大きく頷き、お姫様は優しく微笑みました。
この後の悲劇を彼らはまだ知りません。
今何処にいる?
何をしている?
いつ頃戻ってくる?
番犬は星空を見上げて一人呟きます。
何日も、何週間も、何ヶ月も、何年も。
ただひたすら主人の帰りを待ち続けました。
誰の言葉も聞かず、城を守り続けました。
Nakamu
スマイル
シャークん
きんとき
Broooock
きりやん
Nakamu
Nakamu
武器を構えようとする仲間を制し、水色の瞳が俺を捉える。
Nakamu
シャークん
Nakamu
予想もしていなかった言葉にピクリと体が跳ねた。
当たり前ではないか、姫が俺を捨てるはずがない。
当然だ、それなのに何故、俺は今安心感を抱いたのだろう。
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
そうだ、知っている。
知っていて見ない振りをしていた。
城の者が、街の者が、国の者が流した涙から目を背け、耳を塞いで、噛み付いた。
彼女の言葉を盾にして、逃げていただけなのだ。
ぼんやりと視界が歪む。
漸く絞り出した声は本当に自分のものかと疑ってしまう程に小さく情けないものだった。
シャークん
いくら袖を濡らしても涙が止まることは無い。
Nakamu
突き付けられた事実に驚く事は無かった。
それは体にすっと溶け込み馴染んでいく。
シャークん
シャークん
自分の知らない所で彼女が死んだ。
もし、城ではなく彼女を守るように命じられていたならば、彼女の傍に居られたのならどれ程良かったか。
シャークん
シャークん
今更足掻いたところで彼女が帰ってくる訳では無いが、どうも自分はじっとしていられない性分らしい。
そんな自嘲とも取れることを考える余地すら与えず彼は言った。
Nakamu
Nakamu
Nakamu
彼女の為に出来ること。
俺がしたいこと。
シャークん
案外スラスラと出てきたものは、きっと褒められるものでは無いのだろう。
それなのに、彼らは一歩も引かず、寧ろ俺に寄り添ってくれた。
スマイル
きんとき
Broooock
きりやん
Nakamu
Nakamu
姫。
俺は元気だよ。
仲間が出来たんだ。
騒がしいけど信頼できる仲間が。
だから、心配しないで。
どうか安らかに、眠ってくれ。
END
ーアフタートークー
Nakamu
きりやん
スマイル
きんとき
Broooock
俺が思い描く国は差別も、孤独も、迫害も、束縛も無い、誰もが笑顔で過ごせる平和な国。
Nakamu
シャークん
Broooock
スマイル
きりやん
きんとき
Nakamu
きりやん
Nakamu
きんとき
Broooock
シャークん
スマイル
きんとき
Nakamu
シャークん
きりやん
Broooock
シャークん
Broooock
スマイル
きんとき
Nakamu
シャークん