テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

りょう

みなさん、これ、何日出してないと思いますか?

りょう

17日ですよ!ほんとにすみません。_(._.)_

りょう

だから!すこし展開早くしてくよ~

りょう

いってらっしゃーい!

ジェル

あー。めっちゃ歌ったなぁ

気付けば4時間も歌っていて、もう外は真っ暗になっていた。

暖かかった部屋から外に出ると、思った以上に気温が低い。

まだコートを着るには早いと思っていたけれど、もう数週間もすれば冬になりそうだ。

友達

この後どーする?

みんなは分かれるのが名残惜しそうだった。

遠井さん

ご飯食べて帰る?

友達

あー。いいね

ころん

えっと....あの、ごめん。僕帰るね。

盛り上がってるところ悪いなと思いつつ口にした。

もう8時に近い。

用事があるわけでもないし、親に怒られる。なんてこともないけど、このままさとみ君といるのは神経がすり減ってしまいそうだ。

みんなは随分仲良くなっているので、僕一人抜けたところで大丈夫だろう。

さとみ君だって、僕がいない方が楽しめるに違いない。

友達

えー?ころんくんかえるのー?

名前も知らないやつが馴れ馴れしく名前を呼んできて、笑顔が引きつってしまった。

さとみ

俺も帰るわ。

友達

え?さとみ君も帰るの?

文系コース組は残念そうな声を発する。

もうちょっとさとみ君と一緒に過ごしたいのだろう。

手っきりみんなと一緒に遊ぶと思っていたので、僕も驚いて顔をあげた。

ジェル

そっか。もうこんな時間やもんなー

友達

じゃあ2人気を付けて~

だけど、ジェル君や、理系コースのみんなはあっさり手を振って送り出す。

さとみ君はいつも早く帰るのだろうか。

理系コースにつられて文系コースも名残惜しそうに僕とさとみ君に手を振っていた。

みんなと別れてとりあえず2人で駅に向かって歩き出したけど、このまま彼と一緒に帰らないといけないのだろうか。

僕たちの間に流れる、この微妙な空気に僕はいつまで耐えないといけないんだろう。

かといって、目的地が一緒だから途中で別れるわけにもいかない。

まさかさとみ君も同じタイミングで帰るなんて...。

なんで、みんなと一緒に行かなかったんだろう。

予想外だ。想定外だ!

彼もきっと、居心地が悪いのだろうと思うと隣を歩いていいのかわからず、とりあえず少し速度を落として一歩後ろをついていく。

さとみ

なんで、離れてんの?

ころん

あ、足が、短いから、かな

怪訝な顔をしている彼にしどろもどろになる。

呆れたような溜息をついて、何故か僕の歩く速度に合わせて再び隣に並んだ。

“駅まで一緒に行こう”という意味なんだろう。

僕のことを嫌ってるはずなのに、放っていくようなことはしないらしい。

好意を示してくれているわけじゃないのはもちろん分かってる。

でも、優しさを感じる。

それを素直に受け入れられないのは、後ろめたいことがあるからだ。

無言の僕たちの間をひゅうっと秋の冷たい風が通り過ぎた。

駅が近いような、遠いような。

不思議な感覚で、彼の隣を歩く。

さとみ

なあ

ころん

あ、はい!

さとみ

,,,言い過ぎた

声に反応して、ぱっと顔をあげると、さとみ君は前を向いたまま、ポツリと言葉を零した。

突然のことに、言葉の意味が分からず、ポカンとする。

さとみ君がポリポリと頭を固くかいて言葉を続けた。

さとみ

ジェルにただ遊ぶだけって騙されて合コンに連れてこられたから、ちょっと苛々してた。

さとみ

それに、あのリクエストボックスからノート受け取ってんのって、お前だろ?

さとみ

つまり、その、俺が赤城の事、えーっと………

さとみ

す、好きって、知ってるんだよな?

ころん

……う、ん

好き、の言葉に何故か胸が疼いた。

さとみ

よく考えたら、協力してくれてんのにきついこと言って悪かったなって。

さとみ

お前と、赤城がわざと誤魔化してんなら、俺がお前の事責める筋合いねえよな。

少し落とした彼の視線から落ち込んだり、反省してるような雰囲気を受け取った。

意外過ぎるさとみ君の態度に、思わず足を止めてしまう。

さとみ

俺、場所とかさ、考えずに思ったらすぐ言っちゃうんだよな。

さとみ

あのあと、お前、俺に笑っただろ?

さとみ

その時に頭が冷えたというか。あの場所でいうことじゃねぇよな

さとみ

俺、最低だな。と思って

そこで、さとみ君は顔をあげて、僕が立ち止まってることに気が付いたらしく振り向いた。

さとみ

悪かった。

また、初めてみる彼の新しい表情だ。

真正面から人を見据えるように見据える真剣な瞳。

今まで見た、可愛らしさや、抱いた怖さは微塵も感じなかった。

目をそらすことができず、「あ、うん」と、小さく返事をすることしかできなかった。

相手がこんなにも真っすぐに僕を見て話してくれてるのに、相変わらず、ちゃんとした言葉を紡ぐことができない。

けど、彼はふわりと笑ってくれた。

そして、「行くか。」とまた隣を並んで歩く。

さっきまで、居心地の悪かった彼の隣は、一気に優しくて暖かなものに変わった。

さとみ

でも、お前ほんとに自分の意見言わねえよな。

ころん

そう、かなあ

明るい口調だったので、警戒することなく彼の言葉に返事ができた。

さとみ

言いたいこと、もう少し言えば?
話したくなさそうなのに合わせて笑ってるだけの時とかあったろ。

さとみ

文句言えよって、見てると苛々してくるんだよなあ。

ストレートな言葉がぐさりと胸に突き刺さる。

ころん

で、でも、言わなくていいことも、あるかもしれない、じゃん。

さとみ

そんなこと言ってると都合のいい奴って思われることもあるぞ。

それは確かにあるかもしれない。

でもこの場のみんなの笑顔が崩れちゃうかもしれない。

そう考えると、自分の意見が言えない。言いたくない。思っていた方がいい。

そりゃあ、さとみ君や莉犬みたいに、ズバズバ言えるのもいいなと思ってるけど。

さとみ

そういや、お前、名前は?

ころん

…青柳ころんです。

さっき、自己紹介したんですけど。

さとみ

ころんね。だからころん。もうちょっと自分の意見言った方がいいぞ?損するぞ?

さとみ

赤城の話は、なんか事情があるかもしれねえからいいとして。

ころん

はあ。

さとみ

お前やる気あんのかよ。

何のやる気だろう?

真面目な顔で僕に言うさとみ君を見つめていると、堪らず「ふは」と噴き出してしまった。

合コンな最中は怒られてしまったのに、不思議だ。

今はすごく心配してくれている。

素直で、真っすぐで、きついところもあるけど、すごく優しい人かもしれない。

さとみ

笑うところじゃないし。

ずっと笑い続けてる僕に、さとみ君は少し恥ずかしそうな顔をしてから肩をすくめて苦笑した。

さとみ

元カレの話も、嫌だったら断れよ。

ころん

wでも、みんな楽しそうだったし

さとみ

マジで人がいいな。それかただの弱虫か。八方美人っていうんかなあ。

言葉はすごくストレートなものばかりで、ちょくちょく胸を抉ってくるとは言え、嫌だったら、とか損をする。とか僕のことを思ってくれているのが良く分かる。

どうして、ほぼ初対面の僕を、こんなに気にかけてくれるのだろう。

合コンの時の罪滅ぼしだろうか。

それとも、僕が“莉犬の友達”だからか。

それでも、やっぱり悪い気はしない。

むしろ嬉しい。

さっきまではさとみ君と一緒にいるのが逃げ出したいくらい嫌だったのに、不思議だ。

2人で話しながら歩いていると、駅に着くのはあっという間だった。

さとみ

お前、どっち方面?

ころん

え、と、京都線。

さとみ

俺、大阪難波行きだから別だな。
じゃあ、ここで、気を付けてな。

改札をくぐって、ホームに降りる前の階段でお互いの帰る方向を指さした。

「じゃあ」とあいさつして踵を返すと「あ」とさとみ君が声を出した。

振り返ると「お前さ」と前置きして笑った。

僕に向けられる、初めての暖かな笑顔を見て、心臓にドンッと衝撃が走った。

さとみ

文句言われたら、俺が言い返してやるから、たまには意見言えよ。

一歩僕に近づいて、ポンっと僕の頭の上に手をのせた。

大きな手が僕の青い髪をとかすようにふんわりと包み込むのがわかる。

じんわりとさとみ君の手の温かさが全身に伝わってくる。

さとみ

じゃ、またな!

最後にもう一度、そう言って背を向けて階段を下りていく彼の背中。

それを見つめながら僕は、彼に触られた頭を触った。

莉犬のことを好きだと口にする。

僕に腹を立てたと思う。

だけど、謝って、心配してくれる。

そして__笑ってくれる。

思わず期待してしまいそうになる。

あの優しい笑顔も、“僕”だからなのかもしれない。なんて、思いそうになってしまう。

誰に対しても、さとみ君はきっとあんな感じなんだろう。

そう、誰に対しても。

きっとそうだ。変な期待はしちゃだめだ。

莉犬にだったら、もっともっと優しいのだろう。

心拍数がいつもより速い。抑え込むようにぐっと奥歯を噛んだ。

ぎゅっと目を瞑れば、瞼の裏にさとみ君の“僕”に向けられた笑顔が浮かぶ。

日が沈み、気温もぐっと下がり肌寒い。

なのに、体の芯がじんわりと温かく感じられた。

調子が狂う。やめてほしい。

これ以上、彼と接点を持たない方がいい。

ゆくゆくは嫌われる嘘つきなんだから。

………僕は。

りょう

遅くなってごめん!【1/3 23:50】

りょう

それではみなさん!

りょう

おやすみなさい!

さところ 『交換ウソ日記』第2章 黄色い、嘘

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,523

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚