同じ空を見上げてる~after story~

私が来たのは 海浜公園 海に夜景が反射して キラキラ輝いている

徹 私はね 君とはじめて会った時も 分け合った牛乳パンも ぶつかり合ったあの日々も

恋に気づいた時も 想いを伝えてくれた日も はじめて繋いだ手の温かさも 初めてしたキスも 恋が終わりを告げた瞬間も 最後に見た君の姿も

怖いくらい覚えてるんだよ

そしてそのどれもが 憎らしいほど 輝いてる

もう 忘れたいよ 忘れて楽になりたいよ

でもやっぱり 忘れたくないな

綺麗な思い出にできるように 私頑張るね

アルゼンチンに来てから10ヶ月ほど経った

俺のスペイン語はまだまだで スマホや翻訳機は手放せないし バレーだってチームの皆について行くには 今のままじゃ足りない

俺にできるのは 努力することだけだ

この人は近所のお姉さん 通称ナタリー

偶然会ってしまったら 高確率で連行されちゃう

ていうか俺のことめちゃくちゃ ガキ扱いしてくるんだけどこの人 ムカつく 一歳しか変わらないのに

しかも普通にボーイフレンドいるらしいし なんで俺のこと誘うの!? 正気!? いっつも距離感バグってるしさ 外国ってこれ普通なの!?

最近の悩みといえば このナタリーのことかもしれない 顔だけは爆美女なのに もったいない!!

どうしたら逃げられるか 教えて岩ちゃん

それにしても 海外に行ってもモテモテの俺 すごい

まぁ恋愛するつもりはないけどね バレーと結婚してやるもん なんてさすがに惨めか

でもこの先 彩音以上の女の子に出会える気がしない やっぱりバレーと結婚するしかないかも ごめんねお母ちゃん、お父ちゃん ついでに姉ちゃん

やっぱり岩ちゃんの声聞くと 落ち着くなー 会いたいよ

いつか一緒にお酒でも飲んで 積もる話や 昔話に花を咲かせてさ もう朝まで話したりして そして俺はまた岩ちゃんに殴られるんだ

えっもしかして俺 岩ちゃんに殴られたいの？ ドM？？？