na
記憶を、失っていた。 事故。東京を覚えてない。
jpさんは私のことを覚えてない。
その事実を受け止めるのに、 一晩では足りなかった。
夢か現実かわからない様な感覚。jpさんの笑顔が写真のように焼き付いている
na
仕事で来ている以上、 3日しか滞在できなかった。
na
na
na
カシャ(カメラ/撮
na
午前の取材は昼間に終わった。
撮影の合間に浮かぶのはjpさんのこと。
帰り道、気づけば足は昨日と同じ方向に向かっていた。
カラン(鐘/鳴
na
奥の方でコーヒーカップを並べていた jpさんが顔を上げた
jp
na
jp
jp
na
jp
仕事のふりをしながら、jpさんを目で 追ってしまう。
jpさんに「覚えてない?」と問い詰めたい気持ちと言ってはいけないという理性がせめぎ合っている。
jp
na
na
jp
na
jp
jpさんが残念そうな表情に胸が痛んだ
jp
na
jpさんが戻っていく背中を見て決心した
na
午後の取材を終え、海沿いを歩いた。
na
過去の連絡先リストに「jpさん」の文字
通話ボタンを押す勇気がなかった
na
翌日
昼の取材を終えて喫茶店を通りかかったとき、ガラス越しにjpさんが手を降っていた
jp
na
jp
中にはレモンパイが入っていた
jp
jp
na
5年前、jpさんがレモンパイを 焼いてくれた。
甘さ控えめで、酸味が強く、少し焦げたような香ばしさ、を思い出した
na
na
jp
jp
jp
na
jp
jp
目の前のjpさんは、記憶をなくした少年のように真っ直ぐだった
na
na
jp
na
na
jp
na
jp
na
jp
na
jp
na
5年前の気持ちが蘇る
na
na
na
柔らかい酸味と甘い香りが広がった
na
思い出の味と違うのに涙が出てしまう
jpさんはやはり、覚えていない。でも、心は何か覚えている気がする
na
na
そう思って、ベットに入った
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