本当の自分。

休み時間、友達の千穂に そう言われて私は思いっきり 胸をはる。

私の言葉に道子が隣で ｢ねー｣と愛らしい返事をして うなずいた。

私たちのやりとりを聞いていた 結衣が笑いながら話に入ってくる

この1年2組の教室で いつも繰り広げられる お決まりのやり取り。

私関内心と、宮原道子は約1年間 中学三年生の時に 意気投合した大親友だ。

この春無事に同じ高校に 合格して奇跡的に同じクラスになれた

ほとんど知り合いのいない状態で 始まる高校生活。

楽しみな反面、不安もあったけど 道子が側にいてくれるのが とても心強かった。

道子が隣にいてくれるだけで 私はいつも自然体でいられる。

そのおかげで高校でも直ぐに 新しい友達が沢山できた。

特に、さばさばしてて かっこいい千穂。

元気いっぱいで活発な結衣は、 今までにいなかった タイプの友達で話してて すごく楽しい。

千穂がおばあちゃんみたいな 口調でそうこぼすと

道子が待ってましたとばかりに きらきらした笑顔で言う。

そこで私もすかさず 道子の発言に乗っかかる。

私と道子は適当な掛け声に合わせて ハイタッチをかわしつつ ケラケラと笑い合う。

ボケとツッコミも息ピッタリ。 まるでお互いに考えている事が 分かっているような以心伝心。

千穂と結衣は私たちが じゃれ合うのを呆れ顔でながめている

私と道子が肩を揃えて｢ねー｣と 口を揃えると 千穂と結衣が ｢さすがバカップルっぷりだわあ｣ と笑う。

そう、私と道子は大の親友。

これからもずっと一緒。

それがなによりも幸せだと思ってた＿

この時はまだ。