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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

彰人

おい、冬弥。マジでやんのか?

冬弥

ああ。

彰人

やめとけって。つか、絶対関わらない方がいいってば。

冬弥

だが、俺だって会長の役に立ちたい。

冬弥

それに…会長はとても優しく、素晴らしい方だ。その方が誤解されているのが、俺は嫌だ。

彰人

だからってさー

冬弥

えっと、2年B組は…

彰人

聞いちゃいねーな?

冬弥

失礼します!

冬弥

神代さん、少しお時間よろしいでしょうか。

冬弥

突然申し訳ありません。

彰人

マジですみません。

は、はぁ…えっと、今度は何用で?

冬弥

貴方は会長を誤解されている。なので…

冬弥

俺が尊敬する我が会長のプレゼンをさせていただきます。

プレ…ゼン…?

彰人

すみません…一応、聞くだけ聞いてやって下さい。

は、はい…

冬弥

まず…

冬弥

会長はとてもお優しい方です。いつだって周りを照らして道を示してくれる、まさに太陽みたいなお方で、俺が落ち込んでいる時もすぐに気付いてくださって、勇気付けてくれるんです!天馬の名に恥じないようにと、勉強でもスポーツでも何でも完璧に1番を目指す、努力家な方でもあります!いつだって自身のことより、家と家族のことばかりを考え優先する、とても心優しい方なんです!更に会長は(以下略

へ、へぇ…

冬弥

こちら、会長に関するプレゼン資料です。良ければお持ち帰り下さい。

は、はぁ…あ、ありがとうございます…?

(って、重?!え、紙だよね?!)

彰人

…(呆)

えっと…(よく分からなかったけど)すごい人なんですね。

冬弥

はいっ!会長は凄いんです!✨️

(…この人、変だけどちょっと可愛いかも。)

(いい子そうだし…この人にこんなに好かれてる会長も、多分いい人なんだろうな。)

プレゼン自体は理解されなかったが、ちょっとだけ会長の株が上がった。

廊下

む!かみし…

あ、会長!

あの…この間は、バカとか言ってごめんなさい。

母さんとクッキー焼いたんです。会長のお口に合うかは分かりませんが…良ければ召し上がってください。

?!

会長さえ良ければ、また一緒にお昼食べましょうね。

じゃあ、失礼します。

な……!?

(オレは…病か?!心臓発作で倒れてしまいそうだ…っ)

彰人!!オレは何かの病なのか?!

彰人

そっすね。きっとバカっていう不治の病ですよ。

これを見てくれ!!

彰人

クッキー?女子にでも貰ったんですか?受け取るなんて珍し…

神代がくれたんだ!!

彰人

えっ

彰人

しかも手作り?うわ、女子力やば〜

神代は男だぞ

彰人

知ってますよ

はぁ…まだ心臓が大きく脈打ってる…

彰人

ま、良かったですね。ちゃんとお礼言いました?

お礼?

彰人

……まさか、言ってない?

ああ、そうか。早速イギリスからお礼のクッキーを取り寄せなければな。

彰人

そうじゃなくて、

彰人

「ありがとう」ってちゃんと言いました?

……?

彰人

いや、そんな「何言ってるか分からない」みたいな顔されても困るんすけど…

アリガトウ…?

彰人

日本来たての留学生かよ

彰人

嘘だろ、アンタ「ありがとう」も言えないんですか??

いや、だって……そんなの教えて貰ってないし…

彰人

はぁぁぁぁ

彰人

良いですか?人から何かもらったり、厚意を受け取った時は「ありがとう」って言うんですよ。

ほう……そうなのか。

…む、そういえば冬弥はどうした?

彰人

あぁ、図書室で読書してから来るらしいです。

彰人

それより、神代センパイにちゃんと「ありがとう」って言った方がいいですよ。

うむ…

アリガトウ…

彰人

カタコト過ぎるからダメっすね。

むぅ…難しいな…

彰人

そういうのは、相手見てたら自然に出てくるもんなんですよ。

彰人

大事なのは気持ちなんで

ふむ…

中庭

♪〜

(ここの花も綺麗に咲いたな〜)

(会長さんも花とか好きなのかな?)

か、神代!

あっ、会長!

こ、これ…この間のクッキーの礼だ。

え、お礼?!

そんなわざわざ…ありがとうございます!

!!

わ、しかもこれ高いやつ…あ、僕このクッキー好きなんですよね。

そうだ。渡したクッキーどうでした?

あ、ああ…大変美味だったぞ!

本当ですか?良かった〜…!

(言うんだ!「ありがとう」って…!)

ふふ、また何か作ったらお裾分けしますね。

あ…か、神代!

はい?

あ、あり……

あ……アリガトウ、!

(やっぱり無理だ彰人……っ!!!!)

ふっ…ふふっ!なんでそんなカタコトなんですか?

!!

(わ、笑ってくれた!初めて!)

あははっ、すみませ、面白くって…ふふっ

そうだ、会長。花はお好きですか?

む?

花か……まぁ、愛ではするが。

(別にそこまで特別に好きと言うわけでもないな…)

ふふっ、綺麗ですよね。

見てください。ここの花たち、僕が育てたんですよ。

神代が?

はい!ふふ、綺麗でしょう?

……うむ。

たしかにとても美しいな!やはり、育てる者が美しいからだろうか。

?花は誰でも正しくお手入れすれば美しく咲いてくれますよ。

む、そういう事じゃ無いんだが…

あっ、そうだ!会長、ちょっと待っててくれます?

?ああ。

会長!これ、花束にしてみたんですけど…良ければ、生徒会室に飾って下さい。

!!

あっ、でも花瓶も必要になるし、水換えもしなきゃいけないから会長の手間になっちゃうか…

……いいや、問題無い。

そのくらいはどうとでもなる。有難く頂こう!

ふふっ、良かった。何か分からないことがあればいつでも言ってくださいね!花のことなら自信あるので!

あぁ、ありがとう!お前は本当に花が好きなんだな。

…どうした?

いや…「ありがとう」って、普通に言えてるな、って。

ふふ、さっきはなんであんなにカタコトだったんですか?

え?!お、オレ…今、「ありがとう」って言ってたか?!

え?はい、言ってましたけど…

「そういうのは、相手見てたら自然に出てくるもんなんですよ。」

…!!

言えた…!!言えたぞ!!

ありがとう!神代!!花、大事にする!

あ…ふふ、はい!

(なんだ。やっぱりいい人だな。)

(それに、ちょっと可愛いかも。)

♪〜

生徒会室

冬弥

(あれ、会長の机に花瓶が…)

冬弥

彰人が置いたのか?

彰人

ん?いや、来た時からあったぞ。

ああ、オレが飾った。

冬弥

会長が?珍しいですね。

ふふん、綺麗だろう?

神代がくれたんだ。良かったら飾ってくれと。

彰人

へー。あ、そういやあの人緑化委員ですもんね。

冬弥

そうなのか。良かったですね、会長!

ああ!

彰人

意外と仲良さそうじゃないですか。

ふっふっふ…今のところ順調だ!

彰人

(良かった。変に少女漫画の真似とかしてなくて…)

そこで次のステップに移ろうと思う。

冬弥

次のステップ?

無事に友達にもなれたし、良好な関係を築きつつある…

となると、次はやはりデートだろう!

彰人

はぁ…デートっすか…

彰人

ちなみに最終目標は?

最終目標?決まってるだろう。

神代を生徒会として迎え入れ、更にオレの恋人として手に入れる。

冬弥

なるほど!

彰人

いや、ツッコめよ。

冬弥

え、そんな要素あったか?

彰人

あるだろ。神代センパイって男だぞ。

む、恋に性別など関係あるのか?

彰人

いや、世間体とか…お父様とか、そういうの許してくれるんですか?会長、御曹司でしょ。

父さんか。

許すも何も、気にしないだろう。あの人はオレに興味など無い。

冬弥

そ、そんな事…

冬弥

彰人

あー…えっと、デートでしたっけ。どこ行くつもりなんですか?

おお、良くぞ聞いてくれた!

実を言うと迷ってるんだ。是非二人の意見も聞きたい。

冬弥

もちろんです!

彰人

(どうせまた海外とかバカなこと言い出すんだろうな…)

遊園地か水族館…どちらがいいと思う?

彰人

?!?!

む、どうした?

彰人

いや、まとも過ぎてつい…頭打ちました?

失礼だな!

ふっ、ちゃんと勉強したに決まってるだろう!この参考書で!

彰人

(バカな金持ちがいない少女漫画で良かった〜〜〜〜)

冬弥

遊園地に水族館…神代さんはどちらの方が好きなんですかね?

む、神代が好きな方…

……………

…??

ハッ、どっちも楽しめる施設を作ればいいのでは?!

彰人

ん???

冬弥

ああ!たしかに、悩むならそうした方がいいですね。

よし、そうと決まれば早速工事の手配を…

彰人

待て!!!このバ……会長!!

む、なんだ?

彰人

「なんだ?」じゃねーよ!!せめて2日に分けてどっちも回るとかにしろよ!!

彰人

金と権力ばっか誇示して、それでこの間神代センパイに「バカ」って怒られたばかりだってのに…

な……

その発想はなかった!!そうか、2日に分ければいいのか!

よし!そうしよう!

彰人

(良かった……)

冬弥

会長。神代さんはもう誘ったんですか?

いいや、まだだ。これから誘うための完璧なプランも考えてある!

この花のお返しに富貴蘭を贈り、そのまま流れでスマートに誘う!

※富貴蘭…高いもので一株約400万円。

ふっ、どうだ。完璧だろう!

冬弥

はい!完璧だと思います!

彰人

今までに比べたら1番マシっすね

さて、早速富貴蘭を10株ほど手配するか。

彰人

待て待て待て

彰人

どうせなら1株の苗贈ったらどうですか?

何故苗なんだ?花の方が良いだろう。

彰人

あの人、花育てるの好きなんでしょ。そっちのが喜ぶんじゃないですか?

おお……!

たしかにそうだな!それに、きっと神代が育てた方が綺麗に咲くはずだ。

よし、明日誘うぞ!!

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