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主だよ☆
主だよ☆
王宮の広い廊下を、王子。いるまは小さな足音を響かせて歩いていた。
背筋を伸ばして偉そうに振る舞っているが、その瞳はどこか不安げに揺れている。
いるま(王子)
いるま(王子)
そう言い放つと、すちはにこりと笑って頭を下げた。
すち(執事)
すち(執事)
すち(執事)
その優しい声に、いるまの耳までほんのり赤く染まる。
いるま(王子)
とそっぽを向きつつも、椅子に座ってそわそわと待っている。
廊下の影からその様子を眺めていたのは、もう一人の執事。
なつだ。
なつ(執事)
冷たい口調ながら、目線はいるまの足先に注がれていた。
小さく揺れている――落ち着かない証拠。
やがて運ばれてきた紅茶を一口含んだいるまは、ふわりと目を細める。
いるま(王子)
いるま(王子)
すち(執事)
すちは変わらずにこやかに返す。
そんな光景に、なつはため息をつきながら椅子を引いた。
なつ(執事)
なつ(執事)
いるま(王子)
抗議の声は、真っ赤になった頬で説得力ゼロだ。
なつ(執事)
そう言って本を開くなつ。
その声は冷静だが、読む調子は驚くほど柔らかい。
耳を赤くして聞き入るいるまを見て、なつは思わず小さく笑みをこぼしてしまう。
いるま(王子)
いるま(王子)
なつ(執事)
視線を逸らしつつ、なつの耳もまた赤く染まっていた。
そんな二人を見て、すちはひっそりと満足げに微笑んだ。
――ツンデレな王子と、それを支える二人の執事。
こうして今日も王宮に、静かで温かな時間が流れていくのだった。
主だよ☆
主だよ☆
主だよ☆
主だよ☆
主だよ☆
主だよ☆
主だよ☆
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