特に言うことないんでれつごー!
午後の宮殿
大理石の床に陽が射し込み、紅茶の香りが部屋いっぱいに広がっていた。
テーブルに肘をつき、いるまは退屈そうに窓の外を眺めている。
いるま(王子)
……ひま。
いるま(王子)
なつ、なんか読め
命令口調だが、声はどこか甘えた響きを含んでいた。
すちがすかさず柔らかな笑みで返す。
すち(執事)
まあまあ、王子。
すち(執事)
先ほど読み聞かせをしていただいたばかりでございますよ
いるま(王子)
べ、別に……
いるま(王子)
聞きたいなんて言ってないし!
いるま(王子)
退屈だから仕方なく言っただけだ!
耳まで赤くして反論する王子。
そこへ、クールな執事。なつが冷ややかに口を開く。
なつ(執事)
……退屈を人に押しつけるとは、さすが王子様でございますね
いるま(王子)
なっ……!
いるま(王子)
お、お前、バカにしてるだろ!
椅子から身を乗り出すいるま。
すちが紅茶を差し出しながら、にこやかに追い打ちをかける。
すち(執事)
ですが、否定はできませんでしょう?
すち(執事)
王子は本当は寂しがりでいらっしゃいますから
いるま(王子)
ち、違うっ!
いるま(王子)
お、俺はひとりでも全然平気だし!
必死に反論するが、その声は震えていた。
なつが本を手に取り、わざとらしくページをめくる。
なつ(執事)
ほう……では、この本も必要ないと?
いるま(王子)
うっ……!
視線が泳ぎ、真っ赤な顔で口ごもるいるま。
すちが横から甘い声で囁く。
すち(執事)
“本当に欲しいもの”を欲しいとおっしゃるのも、王子の強さでございますよ
いるま(王子)
~~っ! そ、そんなこと言えるか!
両手で顔を覆ってしまういるま。
なつは肩をすくめながら、静かに笑う。
なつ(執事)
結局のところ……素直になれないだけでございますね
いるま(王子)
お、俺は……っ、俺は……!
言いかけて、言葉にならずに黙り込むいるま。
二人の執事は顔を見合わせ、同時に微笑んだ。
その笑顔には――「可愛らしい王子を言葉で追い詰める」ことへの、わずかな愉しさが隠されていた。
主だよ☆
おっけーい!
主だよ☆
今回は責めプレイ(?)にした!
主だよ☆
ほなまた次回お会いしましょ!






