私は、学 生子。高校生だ。私は人と関わるのが苦手で、人見知りでもある。だから、人に話しかける勇気が出ず、友達がいない。
学 生子は、自分を責め続けていた。どうして私は何も出来ないのだろうと、そして、今は下校中であった。
学 生子
はぁ、今日も誰にも話しかけられなかったなぁ…、もぉ、私ほんと馬鹿だな…。
学 生子
…?、公園のブランコに子供達がすごい集まってる…、なにあれ?何かあったのかな?
高坂
あ!おーい、そこの学生服さーん!
学 生子
え?私!?学生服さんって何!?
高坂
ちょっとこっちに来ておくれよー!
学 生子
え?いや、ちょっとまって…、ブランコに乗ってるの子供だと思ってたら、1人大人混じってるし…、何あの人…。
高坂
おー!来てくれたか!ありがとう!ところで、ブランコってどーすれば勢いがつくんだい?
学 生子
え?(いや、なんで大の大人がブランコなんか…。)
高坂
いやぁ、ブランコに乗るのって久しぶりすぎて、こぎ方忘れちゃってねー。ははは。
学 生子
…。(いやはははじゃねーよ。何この人、変な人…。)
子供
…。
高坂
ん?あれ?よく見たら子供達がすごく集まっているではないか。どうしたんだい君達?
学 生子
(いやもっと前から見てたし…。)
子供
…っ、お兄ちゃん、大人なくせにブランコ子供になんで譲らないんだよ!
子供
そうだよ!なんだよお前!
子供
変われよー!
高坂
あぁ、この学生服さんに注目しているんじゃなく、俺に注目していたんだね!それは気づかなかったよ!
学 生子
(いや、どーみてもこの人のことみんな見てるし…。)
高坂
あ!さっき、変わって欲しいと言ったね?
子供
言ったよ!
子供
さっさと変われよ!
学 生子
(ほんとだよ…、てか私はなんで呼ばれたの?)
高坂
この学生服さんと一緒に、俺にこぎ方を教えてくれよ!それで俺が上手くこげたら変わってあげよう!
学 生子
いやこぎ方教えて欲しかったのかよ!あっ…、いや…あの…。(ついついツッコミを声に出してしまった…。)
高坂
あれ?君の心の声が溢れちゃったのかい?ふふっ。君は面白いなぁ。はははっ。
学 生子
いや、面白くないですけど別に…。(ツボおかしいでしょ…。)
子供
なぁ、お姉ちゃん!
学 生子
え?あ、はい!
子供
一緒に、こいつに教えてくれる?
学 生子
えっ、うん。いいよ。(さすがに子供達に逆らう気はない。今日は暇だし、いいや。)
高坂
ほんとか!?やったー!いえーい!よし、君達!俺と一緒に、さぁ、ハイタッチというものをしよう!俺達はもう仲間だからな!ほら!いえーい!
子供
やだよ!
子供
なんでお前となんかしないといけねぇんだよ!
学 生子
(うわぉ…、最近の子供達は強いなぁ…。大人に対する口の聞き方よ…。)
高坂
…。
学 生子
(あれ?さすがにこの変な人でも、さっきの言葉には傷つけられますか?)…あっ、あのー、そんなに凹まなくて大じょっ
高坂
どうしたらハイタッチしてくれるんだい?
学 生子
は?
子供
あ、ブランコ変わってくれたらしてやってもいいけど?
高坂
言ったね?
学 生子
え?いや…。(ブランコはいいんかい!)
高坂
ほい!さぁ、降りたからハイタッチしよ!ほら!
子供
いえーい。
学 生子
…。(この人アホでしょ…、子供のわなにはまるなんて…。)
高坂
お!ほら君も!いえーい!
学 生子
あ、はい。いっ、いえーい。
高坂
…君は、楽しいいえーい!ではないな?
学 生子
はい?(楽しいいえーいってなんやねん。)
高坂
…、ガッコとかで、悩んでいることでもあるんだね?
学 生子
はっ、えっ、なんでわかっ…、あっ…。
高坂
やっぱりね…、そんな気がしたよ…、ずっと下を向いて歩いていたもんね。
学 生子
!…、だっ、だって、…、ここって…、よく…、ガッコの人に会うから…。
高坂
そうなのか…、大変だよね、学生さんは。
学 生子
っ…、それに比べて、あなたはっ…、楽しそうですね。(あれ?私、なんで泣きそうにっ…。)
高坂
俺は、楽しいよ。
学 生子
っ…。もうっ、帰りますっ。
高坂
あっ!待って!
学 生子
なっ!なんですか!人を泣かせておいて!
高坂
え!?いや!泣かせるつもりなんて!
学 生子
もう!なんですか!
高坂
君は1つ、やり遂げていないことがあるだろう!いや!2つ、いや、3つだ!
学 生子
はぁ!?いいかげんにっ
高坂
1つ!楽しいいえーい!をしていない!2つ!俺にブランコのこぎ方を教えていない!3つ!俺らと友達になれていない!
学 生子
は?(あ、涙吹き飛んだわ…。なんでこの人はこんなしょーもないことしか言わないんだろ…。悩んでいることがあるね?とかカッコつけたこと言っときながら…、なんだ…この人、ただのアホか…。)
子供
お姉ちゃん!そうじゃん!俺ら!この男嫌い組として仲良くしよーぜぇ!
子供
そうだよ!俺らはもう友達っ!
高坂
えっ?俺のこと嫌い組っていうのは?えっ?俺がなにかしたかい?えっ?え?
学 生子
ふふっ。なんなんですかこの時間。てかあなたって、ほんとに、鈍感なんですか?
高坂
君は笑顔がとてもよく似合う。
学 生子
人の話聞いてます?
高坂
あっ、ごめん、なんて言ったの?
子供
こいつアホだ!
子供
あーほ!あーほ!
高坂
え?誰のこと?
子供
お前だよ!
学 生子
ふふっ。私、頑張ってみようと思いました。あなたは私に、笑顔の作り方を教えてくれた。ガッコでも、笑顔で、そーゆーことなんですね?
高坂
?まーぁそうだね!何言ってんのかはわかんないけど、どんな時でも笑顔になれば気持ちも明るくなるものさ。
子供
姉ちゃん!ブランコ乗っていいぜ!
学 生子
え?ほんと?じゃあ、おじゃましまーす!
高坂
え?あっ!ちょまっ!俺が先じゃないのかい!?
子供
お前はだめぇ!
高坂
えええ!?
学 生子
ははっ。
高坂
…?、笑顔の作り方を俺が教えた?そんなことしたつもりないけどなぁ…、俺はただ純粋に、ブランコに乗りたかったのと、誰かとハイタッチがしたかっただけなのだけれどなぁ…、まぁ、楽しそうだからいいか。
意味深発言の多い男、高坂によって、元気を取り戻し始めた学 生子は、自分からクラスメイトに話しかけるようになった。笑顔はもちろん増えた。よかったよかった。(´∇`)
因みにこの話でもわかるように高坂は、意外と子供っぽいところがあったのだった。ちょっと萌えポイントか?(°▽°)