武道
じゃあな!
千冬
火事に気をつけろよ!
武道
強盗が来たら迷いなく急所を狙ってね!
頼
お前らは私をなんだと
思ってるの?
思ってるの?
そんなこと言われても
実際、昨日強盗入って来たし 一昨日に火事になりかけたし。
頼と別れて、千冬と並んで歩く。
武道
はぁ……
千冬
疲れた…な
武道
まさか頼があんな過酷な日常を送っていたとは思わなかった…
千冬
なんであいつ
生きてるんだろ…
生きてるんだろ…
武道
この前それ聞いたら『私が一番知りたい』って言ってた
千冬
だろうな
武道
アイツの周囲
犯罪率高過ぎないか??
犯罪率高過ぎないか??
武道
某名探偵の世界じゃん
千冬
あの子供の姿をした
死神と五角だと思う
死神と五角だと思う
千冬
記録しておいて
来年の自由研究にしたい
来年の自由研究にしたい
武道
いいねソレ
そんな事を話しながら歩いていると
千冬が急に大声を出した。
千冬
あ!
武道
うわびっくりした
武道
なに?
千冬
俺ら明日から三日間、三ツ谷くんとこの手伝いに行くじゃん
千冬
その間の頼の護衛どうするよ?
武道
……そうだった
三ツ谷くんがデザイナーの仕事で 疲れ果てている様子を見て 手伝いを申し出たんだった。
すごい喜んでたから急に 断るわけにはいかないし…
武道
代役……
いい人いないかな…
いい人いないかな…
千冬
うーん……
2人で悩んでいると
まるで事情を知っていたかのように 救世主が声をかけてきた。
ココ
…あれ?ボス?
ココ
こんなところで偶然だな
武道
ココくん!
ラフな格好をして 髪をひとつに括っている。
よぉ、と片手を上げて ニコッと笑った。
九井side
野暮用を潰し ブラブラ金になりそうな物を 物色しながら歩いていると
前の方に 見覚えのある金髪が見えた。
そこで気づく。
我らが黒龍のボスである、 花垣武道だ。
ココ
(挨拶しとくべきか?
…面倒臭いな…)
…面倒臭いな…)
ココ
(けど声かけなかったら
イヌピーに怒られるしな…)
イヌピーに怒られるしな…)
声をかけるべきか迷っていると。
武道
まさか『ライ』があんな過酷な日常を送っていたとは思わなかった…
ココ
(待てよ?『ライ』って言ったか?)
藍崎頼。
俺が最近目をつけていた、 今一番金になりそうな奴だ。
話を盗み聞きした限り、 どうも藍崎は誰かに命を狙われていてその護衛を丁度今探しているらしい。
ココ
(恩を売るか、脅すか、利用するか。なんにせよ、繋がりを持っておいて損はない相手だ)
顎に手を当ててしばらく考え、 声をかけることにした。
人当たりの良さそうな 笑みを浮かべて。
ココ
…あれ?ボス?
ココ
こんなところで偶然だな
お困りごとなら なんでも聞くぜ
ココ
(まぁ有料なんだけど)







