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独占からの共依存。

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独占からの共依存。

6 - 第六話︴我慢の後の反動は甘い

♥

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2026年01月23日

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桃は、以前より静かになった。

感情を閉じ込めていた頃とは違う。

今は、出し方が分からないだけだった。

さとちゃん

控室で、橙が呼ぶ。

これ、見て

スマホを差し出すと、 桃は自然に距離を詰めて覗き込む。

近い。

前より、明らかに。

橙は一瞬だけ驚いたけど、 何も言わなかった。

最近の桃は、よく橙の隣にいる

理由はない。 必要以上に触れない。 でも、離れない。

さとちゃん、今日ずっと一緒やな

冗談みたいに言うと、 桃は少し困った顔をした。

…嫌?

嫌ちゃうけど

橙は、桃の表情をじっと見る。

なんか、不安そう

その一言で、 桃の喉が詰まる。

…離れるのが、怖い

正直すぎる言葉。

前さ

桃は、視線を落としたまま話す。

我慢しすぎて、壊れかけたから

今は

ジェルがいない時間が、怖い

…それ、依存ちゃう?

あえて、軽く言う。

たぶん、そう

即答。

でも

顔を上げる

自覚してる

橙は、少しだけ笑った。

さとちゃん

橙は、桃の手首を軽く掴む。

俺な

離れたいって思ってないで

桃の目が揺れる。

でもな

全部、俺に預けすぎるのはあかん

優しい声

一緒に立つのはええけど

一人で立てんくなるのは、違う

桃は、ゆっくり頷いた。

…分かってる

夜、スタジオ。

人がいなくなった後、 桃はそっと橙の袖を掴んだ。

…今日は

もう少し、近くにいていい?

小さな声。

橙は、一瞬だけ黙ってから言う。

今日だけやで

その言葉に、 桃の肩の力が抜けた。

二人は並んで座る。 肩が、触れる。

それだけで、呼吸が楽になる。

さとちゃん

橙が低い声で言う。

俺がおらんくなったら、どうする?

桃は、少し考えてから答えた。

……ちゃんと立つ

それなら、ええ

桃は、橙の肩に額を軽く預ける。

ありがとう

なにが?

…一緒にいてくれて

橙は桃の頭をぽん、と叩いた。

当たり前や

桃は小さく笑った。

依存しかけている自分を拒まれず、 でも見失わせない距離。

それが、今の二人にとっての正解だった。

独占からの共依存。

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