テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
桃は、もう不安定じゃなかった。
以前のように、 橙の一挙一動に心を削られることもない。
その代わり橙の変化に いち早く気づくようになっていた。
橙
桃
橙
桃
そんなやり取りが増えていく。
桃は、内心気づいていた
橙は自分も依存している自覚がなかった。
橙
冗談みたいに言う。
橙
軽い嫉妬。
笑って済ませられる範囲。
でも、桃は見逃さない。
橙が、 俺の予定を確認する回数。 他の人と話している時の視線。
全部、覚えがあった。
俺が通った道だ。
ある日。
橙がスタジオに入ると、 桃がスタッフさんと談笑していた。
距離は近くない。 内容も仕事の話。
それなのに
胸の奥が、ざわっとする。
橙
橙
少し強めに呼ぶ。
桃
桃は、いつも通り穏やかだ。
橙
自分でも驚くほど、声が低かった。
桃は一瞬、目を瞬かせてから理解する。
桃
橙
橙はそれ以上聞かない。 でも、機嫌が分かりやすく落ちた。
その夜、桃宅にて。
橙
橙は正直に言う。
橙
橙
橙
拳を握る。
橙
橙
その言葉を聞いた瞬間 桃の胸が、きゅっと締まる。
可愛い…
そう思ってしまった自分に、少し驚く
桃
桃
橙
桃
橙の目が揺れる。
桃
少し笑って。
桃
それどころか、 大事にしたくなる。
桃は、橙の額に軽く触れる。
桃
桃
桃
橙の喉が鳴る。
橙
桃
橙
桃の服を、きゅっと掴む。
橙
桃
低く優しい声で言う。
桃
桃
桃
桃が橙の頭を撫でる。
逃げない。 離さない。 でも、縛らない。
橙は、桃の肩に額を預ける。
橙
桃
橙
桃は笑って応える。
桃
桃
少しだけ強く抱き寄せる。
桃
橙は、安心したみたいに目を閉じた。
今度は、 桃が“支える側”として、 橙をとんでもなく可愛がる番だった。