ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
いつからだろう
どれだけ一生懸命走っても 追いつけなくなったのは
いつからだろう
全てを諦めるようになったのは
いつからだろう
全力で走ることを辞めたのは
ピーッピーッピーッピーッ!!
速報です!直ちにみなさん 安全な場所に避難してください!!!
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誰かのスマホから流れるどこかの有名な テレビ局のアナウンサーの荒々しい声
そして外からも沢山呻き声が聞こえる
ある日突如として現れた 驚異的生命体『ゾンビ』
映画の中でしか現れないと誰もが 信じていたそれは
急にここ日本へと現れた
授業中にその出来事が起こってしまったがために俺たちは学校から1歩も 出られずにいる
下の昇降口はなんとかバリケードで 塞がれているがそれもいつ破られるか 分からない
俺はもうすぐ充電がなくなりそうな スマホの電源を落とす
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ピンポンパンポーン
アナウンス
アナウンス
教室から歓声がわき起こる
アナウンス
アナウンス
アナウンス
どう考えても無謀だろ
教室に沸き起こっていた歓声も いつの間にか無くなっている
アナウンス
アナウンス
アナウンス
アナウンス
アナウンス
ピンポンパンポーン
ぞろぞろとみんなが立ち上がり 昇降口へと向かう
だが俺はそのまま教室の席に座り 机に突っ伏していた
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俺は教室の窓から校庭を見下ろす
見ると人の匂いに寄ってきているのか 呻き声をあげながらバリケードで 閉ざされた学校のドアをこじ開けようと しているのが見える
日に日にゾンビの量は増している
全校生徒の中で何人が 生き残れるのか
どうせ最終的にはみんなゾンビに なっちゃうのに
今更どう足掻いても、、、
意味なんてないのに
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上履きを見ると靴紐が解けている
そういえば結んどけとか言ってたっけ
まぁ、、、、関係ないか
いつもなら紐が出ているとすぐ転んで しまうので解けていたらすぐ結ぶけど
今はもう全てがどうでもいい
なんてことを考えていると
はぁっはぁっ、と息が切れる音が 聞こえる
それに合わせて廊下を駆ける上履きの 音も聞こえてくる
段々とその音が近づいてきて、、、
ガシャン!
教室のドアが開けられる
くるりと振り返るとそこに居たのは
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息を荒くしながら机をかき分けて こっちへと近づいてくる
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俺は右足をさすってみせる
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俺は皮肉っぽく笑ってみせる
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きんときは気まずそうに俯く
そう、あれは、、、
遡ること数ヶ月前
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俺たちは高校から仲良くなった
同じクラスで前後の席だった俺たちは 直ぐに意気投合した
4月の終わりごろ、部活をそろそろ 決めないと、という時に俺は陸上部に きんときを誘ってみた
中学から陸上をしていた俺は地域の大会 で活躍できるほどには足が速くて
高校でも特にやりたいことは無いし そのまま陸上部に入ろうとおもっていた
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はは、と少し困りがちに笑うきんとき
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他人に流されやすい性格なきんときは やや困りながらも俺の願いを聞いて 一緒に陸上部に入ってくれた
遅いなんて言いながらもクラスでは全然 速い方で、、、
陸上部でもトップクラスだった
初心者なのが信じられないくらいに
かくゆう俺は、、、、
陸上部の誰よりも速くて1年ながらに エースなんて言われたりもして、、、
5月の大会には1年ながら学校対抗の リレーに選ばれた
1年生は俺1人だった
きんときは誰よりもそれを 喜んでくれたっけ
日々の練習は辛かったけれど2人で 笑ったりしながらなんとか 乗り切っていた
大会まであと1週間、そんな時だった
その日はHRが無かったので少しみんなより早かったのできんときと部活着に 着替え、靴も履き替えてみんなが 来るまで自主練をしていた
いつも通りアップの基礎的なラントレを していた時
事件は起こった
たまたま解けていた靴紐を踏んでしまい 地面へと倒れていく俺
それ自体は良くあることだった
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差し出してくれる手をいつものように 取り、立ち上がろうとする
しかし、俺の体が立ち上がること はなかった
力が全く入らない
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そこからのことはよく覚えていない
気づくと俺は病院に運ばれて 手術台の上にいた
手術は順調に終わった
しかし、、、
俺が退院する頃にはもう大会は 終わっていた
結果は優勝、
喜ぶべきことだ、俺の代わりに 走ってくれたのはきんときらしい
大健闘だったそうだ
だけど、、、、
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気持ちはずっと晴れなかった
手術が終わり退院すると心配そうに きんときが1番に駆け寄ってきてくれる
あまり顔を見たくなかったと言うのが 本音だけど
いつも通り接してくれる彼に俺もまた いつも通り接した
1ヶ月してもう走れることになり
久しぶりにきんときと一緒に 部活へ向かう
基礎的なトレーニングは少し前から 始めていたのでラントレなども 滞りなく終え、タイムを測る時間になる
日々成長出来ているか、自分の コンディションはどうなのかを見るためにうちの学校では毎日しっかり記録する
俺は久々なのでいちばん得意な 100メートル走だけ記録することに なった
その時たまたま一緒に走ることになった きんとき
きんときとはもともと1秒差 以上はついていた
少しは落ちているかもだけど 負けるわけない
そう思っていたのに
ゴールテープを先にきったのは きんときだった
タイムを聞くと、、、、
きんときは今の俺より速いどころか元の 俺のタイムすら上回っている
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心配そうにこちらを見るきんとき
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ただ笑って誤魔化すしか無かった
その日から俺は段々足を理由に 部活をサボるようになった
きんときは毎日誘ってくれたけど
いつも理由をつけてサボっていた
何回一緒に走っても俺がきんときを 追い越すことも
追いつくことすらも出来なかった
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つい口が悪くなる
でももう俺も精神的に限界 だったのだろう
どんどんと暴言が溢れてくる
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ブロロロロロロロ
外からバスの音が聞こえてくる
国のバスとやらが到着したのだろう
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きんときの目にうっすら涙が浮かぶ
そこではっとするが もう引き返せなかった
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そういい教室を出ていくきんとき
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胸がズキンと痛む
これで、、、これで良かったんだ
、、、、、良かったはずなんだ
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外から生徒の声が聞こえてくる
バスに乗り込んでいるのだろう
呻き声もさらに大きくなっていく
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ドアが空いたということはつまり ここにもじきにゾンビがやってくる のだろう
どうせ死ぬなら、、、、
一息ついて廊下に出てみる
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ゾンビ
一体のゾンビが階段を上がってきた
俺を見つけると一直線に駆けてくる
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すぐそこまでゾンビが迫ってくる
思わず怖くなり目を瞑る
噛まれる
そう思ったがいつまでたってもおれが 噛まれることは無かった
ゾンビ
苦しそうに呻くゾンビの声を聞き 恐る恐る目を開けるとそこには、、、
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ゾンビの血らしきものがついたバットを 握りしめて立っているきんときがいた
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よいしょ、といって弱っているゾンビを 窓の外に投げ飛ばすきんとき
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いつものように笑いかけてくれる きんとき
思わず笑みと同時に涙も溢れてくる
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そういい手を差し出してくれるきんとき
だがその腕には、、、、
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ゾンビの噛み跡がくっきり残っていた
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きんときが腕をおさえて苦しみ出す
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苦しそうに手を押さえながら 真っ直ぐ俺の目を見るきんとき
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涙を零しながら優しく笑うきんとき
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さらに苦しみ出すきんとき
少しきんときから距離をとる
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こぼれる涙を拭き取り きんときに背を向ける
クラウチングスタートの構えをする
耳を研ぎ澄ましスタートの合図を待つ
ゾンビの声が聞こえた瞬間に俺は
全力で廊下を駆け出す
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後ろから追いかけて来てるのがわかる
右足がズキンズキン痛む
途切れそうなほど痛い
でも俺は全力で廊下を走った
今度は2人でリレー出たいな
個人種目だって一緒に決勝で 走りたいよ
まぁ勝つのは俺だけどね
きんときとなら全国まで行けるって 本気で思ったりしちゃって、、、
なんて思考を巡らせながら 全力で走る
今まで1番速い走りだろう
すごいってきんときは褒めて くれるかな
廊下の端まで行き階段をダッシュで かけ上る
そして
俺は、、、、、
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
ぱんけーき
コメント
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えっえっ…… ガチで好きなにこれホンマに好きすぎる ラストどうなった?! えっえっえ……もう語彙力ドッカいった
ちょっと涙腺の埋葬にいってきますね★