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エル
えぇ？聖女って能力じゃないんですかぁ？
魔王
いや、聖女はただ神様の加護を受けた者がなれるってだけであって別に能力とは微塵も関係ないわよ
エル
ええ！？
エル
でも！別の人に仕えるってなると加護は受けられなくなるんですよね？
魔王
ええ、まぁ
エル
だったら、その、入学は出来ないって言うか、
魔王
うーん、
魔王
あ！
魔王
マフタ！
マフタ
はいぃ！
魔王
この子にあの事を教えてあげなさい。
マフタ
ふぇ？
魔王
そうしたら警備を怠ったことは不問にしてあげるわ
マフタ
喜んで説明させていただきます!!!
エル
???
マフタ
ささっ！エルさんこちらへ！
エル
あ、はい
ガチャン！
サード
あの、
魔王
どうかした？
サード
勇者って今どこに？
魔王
あぁ、あの子ね、
魔王
地下の牢獄で軟禁させて貰うわ
サード
理由をお伺いしても？
魔王
そりゃ、勇者って魔王を倒せるくらいでしょ？
魔王
だったら捕らえておかないと
サード
失礼ですが、ワタシも貴方様の敵なんですが……
魔王
でも貴方たちは正直殺すのに3秒もかからないわよ？
サード
勇者はそうではないと？
魔王
…否定しないのね？
サード
だって、本当のことでしょう？
魔王
そうね、
魔王
まぁ、だってね
魔王
勇者は能力が厄介だし
サード
知ってるんですか？勇者の能力のこと
魔王
……？
サード
？
魔王
私は何か思い違いをしていたようね
魔王
ねぇ、勇者って王族じゃないの？
サード
んー、そうですねぇ
サード
そうだと言えばそうなるのでしょうか
魔王
なにか含みがあるような言い方ね
サード
華族なんですよ、あの人
サブ
華族…ってなんだっけ
サード
王の血を引いてはいるんですけど王位継承権を持たない人たちのことです
魔王
あ、そうなの？
サード
なぜ貴方まで知らないんですか……
魔王
少し政治には疎いもので〜
魔王
……じゃあ軟禁しなくて良かったかも
サブ
えぇ、そんないい加減な……
魔王
ごめんなさい。今すぐにでも解放を───
サード
いや、いいです
サブ
なんでぇ？
サード
あの、
サード
複雑な話になってしまうんですが、
サード
私と、エルと勇者って幼なじみなんです
魔王
あら、じゃああなたも貴族なの？
サード
えぇ、まあ
サード
昔は勇者も誰にでも優しく接するいい人でした。
サード
そんな勇者を私とエルは心から慕っていました。
魔王
今は違うの？
サード
はい。
サード
彼が華族だって話をしましたよね、
サード
でも、本当は勇者は王になるはずだったんです
サブ
へぇ？
サード
今の王──つまるところ彼の兄で、
サード
でも兄は先代の王と庶民の間にできた子なんです
魔王
その場合王位継承権はないんじゃないの？
サード
そのはずなんですが……
サード
今の王が余りにも優れているもので、
魔王
あー、
魔王
それで勇者はグレたって訳？
サード
おっしゃる通りで……お恥ずかしい
魔王
じゃあそのままでいいわ……
サード
ありがとうございます
サブ
……というか
サード
はい？
サブ
お前よく魔王様と気軽に話せるな……
サブ
メンタル鋼かよ
サード
あはは〜
サード
ワタシ、自分で言うのもなんですが貴族の中でも結構上の位で、
サード
ですが、その地位は魔法を熱心に研究してたら手に入った。という変わり者の一族でして、
サード
森の中でひっそり暮らしていたからか心臓が強くなっちゃって
サード
だからかなと
魔王
ふふっ
魔王
おかしな人
サード
いやぁ、はははっ
一方その頃
勇者
おい！ここは何処だ！
???
ったく、うるせえな
勇者
誰だ！貴様！
???
チッ
???
普通見たらわかるだろ!!!
勇者
見ただけで分かったら逆に怖いわ！
……どうなっちゃうんだ！？
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