俺達は警察だ。 その中でも俺と、眼帯男はかなり特殊な 役割として動いている。 本来警察は、それぞれの違う役割で動いている。 警備警察、刑事、組織犯罪対策、生活安全警察、これだけではなく、数え切れない程、科が分かれている。 その中で俺と眼帯男は、 刑事に似た様な役割を強いられている。本来、相棒や犯罪等の関与は、 刑事がするものなのだ。 かと言って、刑事という訳ではない 俺達は特殊な科として行動することになっている。
その理由は俺達が問題児だから。 暴れ馬な俺と、 他人に興味が無さすぎる男。 眼帯男は、多分俺のストッパーとして、相棒に任命はれたのだろう。 俺は無関心なこいつの代わりに、人の気持ちを深く考え行動する事で選ばれたらしい。 お互いがお互いのダメな所を補う様に、特殊な条件で俺達は相棒にとさせられた。それでも1つ問題がある。 性格が真逆すぎる俺達は、 "相性最悪" その所為か、必要最低限な 会話はしなかった。
桜
蘇枋
蘇枋
慌てて蘇枋の元へと 桜が走ってきた。 それがわかっていたかの様に 蘇枋は落ち着いた態度でニッコリと 優しそうに笑った。
俺達が相棒になってから 初の任務を強いられた。 相棒と仮に読んでいるだけで、 俺自身は認めていないが。 急いで出動準備をするべく、 パトカーへなだれ込む様に 座り込んだ。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
桜
エンジンを掛け、 パトカーを発進させた。 助手席に優雅に座っている この男は何がしたいのか ただ桜を揶揄うだけ。
口喧嘩ではこの男に勝てなくて、 小さく吠えながらも ハンドルを動かす。 そういえば、こいつになんの事件か 話してなかったなと 思い出し、運転しながら 軽く状況を説明する事にした。
桜
桜
蘇枋
蘇枋
話しをしながら桜は顔を歪めた。 被害者の事を思って、 苦しそうな表情をしたのだろか。 蘇枋は酷く冷静に状況を 整理している。 顎に手を添え考える素振りを していた。 その姿はとても絵になるもので、 どうしてモデルや芸能活動ではなく警察を選んだのだろうか気になるほどだ。
桜
桜
桜
桜
桜
桜
蘇枋
水死体。それは時間が経つにつれ、とても酷い状態で見つかる。 皮膚はブクブクに膨れ上がり、 匂いも腐敗により、 酷いものとなる。 顔も本人とは思えないほど 醜い物となる。 本人であり本人じゃないような状況だ
今まで身内の水死体を見た 家族達の悲痛な声や 歪んだ顔を思い出す。 それを見る度になんとも言えない気持ちになった。
桜
蘇枋
人が1人死んでるというのに、 隣に座る男は優雅に笑った。 他人なんてどうでもいいかと言うように。
桜
蘇枋
蘇枋
何科か説明する時、 俺達はその名の通り安直な名前を口に出した。先に現場にいた奴らが、 詳しく現場での状況を説明してくれ、 遺体の容態や、辺りには何も無かった事などを教えられた。 その他は、だいたい事前に聞いていた通りの説明で、犯人逮捕に繋がるような情報は何も無かった。
警察
桜
蘇枋
桜
手を固く握り下を俯いた所で、 蘇枋に声をかけられた。 がむしゃらに走りだそうな所を、 蘇枋に止められた。 眉間に皺を寄せるも、 グッと押さえ込んだ。 それでも声は何も出ない。 そんな俺を見兼ねたのか、蘇枋は ため息を1つ出してまた口を動かした。
蘇枋
蘇枋
こいつの言うことは最もだ。 こいつの赤黒く光のない隻眼が 俺の事を鋭く射抜くように見つめてきた。 自分の学生時代は、誰も助けてくれなくて、どんなやつも軽蔑する目で俺の事を見つめ、罵り、殴りかかってきた。 自分の存在価値を証明するために、喧嘩が強くなった。がむしゃらに1人で走ってきた。 それが今では、警察と言う1つの小さな世界で、何一つ思い通りにいかなくて、周りをもっと見ろ。 後先考えて行動しろ。 暴れ馬。 と言われてしまう始末だ。
何も言わないで、下を俯くだけの 桜の様子に、 蘇枋はやってしまったという顔をした。心無い言葉を、桜に向かい言いすぎてしまったと。 こういう所が自分の欠点だと理解していても、他人の気持ちを理解することが出来ない蘇枋は、つい言い過ぎてしまう。相手がヅダボロになるほどに嫌な言葉を。
自分の失言に気づき、 嘘くさい笑顔を取り繕った蘇枋は、 心が1つも籠っていない謝罪を口から出そうとした。
蘇枋
桜
桜
桜
桜
蘇枋
桜
桜
桜
桜
桜の思わぬ回答に、 蘇枋は赤い目を大きく見開いた。 空いた口も塞がらない様だ。 今まで蘇枋といて、見た事ない顔に 桜も内心驚いた。
蘇枋
今迄とは少し違う、 優しさが混じる笑顔で、 蘇枋は笑う。 その頬は少しだけ赤く染まって見えた。
桜
蘇枋
桜
警察
やっと会話が終わったのかと 待っていてくれた警官が話しかけてきた。こういった感じで、人から支持を受け、行動しようとするのは初めてで、なんという返事を返すのが合っているのか分からなくて、桜は口ごもった。
蘇枋
桜の肩をスルリと掴み、 代わりに蘇枋が ニッコリと胡散臭い笑顔を浮かべ返事をした。
初めて相棒と受ける事件は、 これからどう転がるのか。 今はまだ想像も何も出来ない。
コメント
8件
すおちゃん,ちゃんと謝れて偉い🥺 桜はもう桜って感じで安心😮💨 こりゃ一本取られましたな🤭
すおさんにズタボロ言われるのか…泣いてまうよ
ものすごく気に入らない感じの2話が出来てしまいました……今からでも書き直したいくらいには…… 計画性もなく描き始めてしまう私の悪いところですね……😞 ここから頑張って良いものへと変えていくので、あたたかーーく見守ってやってください……🙇🏻♀️