あの日からずっと
七夕祭りが楽しみで。
…夜もまともに眠れなかった。
…そして。今日はついに…!!
七夕祭り 当日…!!!
祭りなんて久しぶりだから
私、変じゃないかな?って
何度思った事か。
・・・。
いや、明らかに変だよっ!!
私に似合わないほど 華やかな向日葵柄の浴衣。
薄紅色の優しい感じの簪。
夜もまともに眠れなかった 自分が馬鹿みたい。
そのどれもが…。
私に似合う訳などない。
…やっぱりいつもの 服が良い、と
家に戻ろうとした時。
…悪戯っぽい声がしたんだ。
?
?
?
?
…最悪のタイミング。
…光樹くんが、来ちゃった…。
改めて光樹くんを見つめると…
…灰色のシンプルだけど 素敵すぎる浴衣。
…紫色の、お洒落な帯。
やっぱり似合ってる…
…どうしよう…。
光樹くんが素敵すぎて。
…話すのに集中できないよ…。
私は、必死に目を泳がせながら光樹くんと話す。
紫
紫
光樹くん
光樹くん
光樹くん
紫
紫
…か、かかかか、可愛いっ!?
その言葉に、私の鼓動が とくんと反応する。
…そして、
光樹くんに 聞こえちゃうぐらいに
大きく音を鳴らす私の太鼓。
光樹くん
光樹くん
そう言い、光樹くんは 目をそらす。
…光樹くん…!?
なんだか今日は 素っ気ない気がするような…?
…あ。
光樹くんの頬っぺた… 赤くなってる…!?
…気がつかなければ良かった。
私まで「光樹くん病」が 移っちゃうよ…。
光樹くん
光樹くん
光樹くん
恥ずかしい空気を 断ち切るように
光樹くんが楽しい話題を持ちかけた、その時だった。
光樹くんの 携帯がぴろんっと鳴る。
…すぐさま携帯を見る 光樹くん。
光樹くん
光樹くん
紫
紫
光樹くん
光樹くん
光樹くん
…用事…?
…よくわかんないけど…
伊織くんが、 大変なんだよね…!?
…それなら。
紫
紫
紫
光樹くん
光樹くん
紫
紫
自分で言った言葉なのに。
棘のように私の心に 深く刺さる。
光樹くん
光樹くん
光樹くん
光樹くん
光樹くん
紫
紫
光樹くん
紫
紫
光樹くん
光樹くんの居ない七夕祭りは。
色褪せていて。
…心に穴が開いたような…
そんな気持ちになった。
お土産に、りんご飴でも 買っていこうかな…?
…そう思う前に、私の足は 歩き出していた…。
屋台に並ぶ、 真っ赤なりんご飴。
どのりんご飴も、艶々と 輝いて見えた…。
屋台の人
屋台の人
屋台の人
紫
紫
屋台の人
紫
「1つで。」
そう言いかけて、やめた。
紫
紫
紫
屋台の人
屋台の人は驚いた声を出す。
…まあ、驚くのは当然の 事だよね…。
屋台の人
屋台の人
紫
屋台の人
紫
屋台の人
紫
屋台の人にも、 心配されちゃってる…。
そうだよ!!
元気、出さなきゃ…!!
買ったりんご飴を、 一口かじってみる。
…けれど。
なんだか味気ない。
光樹くんがいたら…。
そう思いかけて、やめた。
…今日はもう帰ろう。
そう思った時だった。
知らない人に手を掴まれる。
そして、その手を強く 引っ張られる…!?
…え。待って…?
もしかして…!?
何処かに連れて行かれる…!?
紫
?
私が喋ろうとすると、
その人は舌打ちをする。
?
紫
駄目だ…。
怖くて声が出てこない…。
…それに。
少しでも逆らったら、 何をされるか分からない。
もしかしたら。
殺されちゃう可能性も 大いにある!?
…一体私。
何処に連れて 行かれるの…!?
コメント
13件
ちょっと待って!?伊織くんに何があったの!?紫ちゃんは大丈夫なの!?お願い!!光樹くん!!紫ちゃんを助けて!!!
読んでくれてありがとうございます!!!光樹くんルートも次回最終回の予定です!!
光樹君、早く助けに来て……!! 紫ちゃん危ない……!! そして連れ去ろうとしてる奴許さん💢www