数年前
小学校の時は楽しかった。
友達が居て、勉強も楽ちんで、
でも、そんな世界はずっとは続かない。
小5の時だったかな。あの出来事が起こったのは。
紗良
はいっ!チーズ!
結花
撮れた?
紗良
うん!めっちゃいい感じ!
結花
お~
結花
加工していい?
紗良
もっちのろん!
結花
あれもつけて~これもやって~
紗良
やり過ぎでエイリアンみたいになってるよww!
結花
それが良いって事なんだよww!
結花
やばい!もうこんな時間!帰らなきゃ!
結花
バイバイ!
紗良
バイバ~イ
結花
ただいま~!
結花
って、まだ仕事か
私の本当のママは私のお産の時に死んだ。
だからパパしか親がいなかった。
ママの記憶は無くて、パパが居れば良かった。
なのに
結花
あ!電話だ
結花
はい、はい、え?パパが…死んだ?
結花
そんな訳ない!そんな事ありえない!
結花
嫌っ!いやあああ!
泣いて泣いて、泣きじゃくった。
神様なんて存在しない事を知った。
仲が良かった事もあったのだろうか、 とりあえず紗良の家に住む事になった。
楽しい日が始まった。
紗良
なにそれww?
結花
でも~ww
私はまるで最初から家族だったかの様に馴染んだ。
でも、本当の家族にはなれない。
中学生になって、たまたま聞いただけ。
紗良
あんなヤツ家族と思ってる訳ないじゃんww?
愛
だよね~
琴音
あんな陰キャ女と仲良い訳ないよね~ww
愛
あっ!アイツあそこにいるじゃんww!
琴音
何見てんだよ!
紗良
あ…
結花
家族だと思ってたのは私だけだったんだね…
紗良
ちょっとまっ
あの時、私は現実から逃げた。走って走って走って。
あの日から、何もかもが白黒になった。







