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Amnecia

5 - #5(回想)

♥

125

2022年12月02日

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2か月前

ジョングク

ただいまー

ジミン

おかえり、今日もバイト?遅かったね

ジョングク

うん

ジョングク

大変だけど楽しいよ

ジミン

…そっか。良い事だね

いつも通り、アルバイトを終えて恋人の待つ家へと帰った。

もとは小金稼ぎで始めたものだったけど、次第にやりがいを感じてきていた。

ジョングク

あ、そういえばヒョン

ジョングク

今度の土曜日、合コン行ってきていいですか?

ジミン

…え?

ジョングク

またまた男女の数が合わないらしくって

ジョングク

居るだけでいいからって頼まれちゃいました

ジミン

…また?前も行ったばっかだよね。

ジョングク

あ、駄目ですか?

ジミン

……別に。好きにしていいよ

ジミン

お風呂入ってくる

ヒョンの気分を害してしまったらしく、すたすたと脱衣所に消えてゆく。

最近こんな風に、ヒョンとぎこちなくなることが多い。

ジョングク

僕だって、行きたいってわけじゃないんだけどなぁ…

いつも誘ってくる友人は、すごく親しい、というわけでもないので断りにくい。

恋人がいるからと説明しても毎度懲りずに誘ってくるので、押され負けて受けるしかないのだ。

ジョングク

(そんなにまでして人数揃える意味ってあるのかな?)

なんてぼんやり考えながら、ヒョンが作った晩ご飯を温めて食べた。

自分も、ヒョンが上がった後にさっさと風呂を済ませてしまう。

ジミン

ねぇ、僕のケーキ、知らない?

髪を拭きながらリビングに行くと、ヒョンが冷蔵庫をあさっていた。

心なしか、機嫌は少し良くなっている気がする。

ジョングク

ケーキ、ですか?

ジミン

昨日買ったんだけどさ、無くって。

ジミン

僕は絶対食べてないから…グガが知らないならどこにあるんだ…?

ヒョンが独り言のように呟きながら探していると、冷蔵庫が音を上げた。

パタンと扉を閉めてなお、立ち止まったまま考え込んでいる。

ジョングク

(…あれ、そういえば、)

ジョングク

(昨日の夜中、お腹空いて冷蔵庫覗いたような…)

ジョングク

(なんか食べなかったっけ、)

ジミン

えぇー…?どこ行っちゃったの?

ジミン

でも消えるわけないし、、

少し嫌な予感がする。

ジョングク

ヒョン、それって、どんなのですか…?

ジミン

見るからに高そうな箱なんだけど、

ジョングク

あ、いや、中身です。ケーキ。

ジョングク

(頼む昨日の僕…杞憂であって…!)

ジミン

こんくらいの丸っこい形してて、下がムースで上にいろんなフルーツが乗ってんの。

ジミン

イチゴがふんだんに使われてて…

ジミン

あと凄いのが、高級マンゴーがさ…

段々と、記憶がはっきりしてくる。

知らないはずなのに、ヒョンの言うケーキの見た目が容易く浮かび上がってきた。

…間違いない。

ジョングク

それ、

ジョングク

僕食べたかも…です

ジョングク

昨日の夜…。

ジョングク

あんま、記憶が無いんですけど…。

ぴたっとヒョンの動きが止まる。

ジミン

ジミン

た、べたの?

ジミン

ぜんぶ?

ジョングク

ごめん…

ジミン

嘘でしょ...

相当ショックなのか、しゃがみこんで蹲ってしまった。

ジミン

楽しみにしてたのに…

ジミン

今日はこれがあるからって一日頑張ったんだけど…?

ジョングク

そんなに大切とは分からなくて…

ジミン

…僕に一言くらい声かけてくれたっていいじゃん

ジョングク

寝ぼけてたんです、ほんとごめんなさい

何度か謝ったけど、ヒョンはぐちぐち文句を言ってくる。

一向に機嫌を直してくれない。

ジミン

はぁ~…

ジョングク

ヒョン、ごめんって

ジミン

良いよ別に、謝んなくて、

ジミン

どーせ、もう食べれないんだし

投げやりに吐き捨てるヒョンに、少しムッとしてしまう。

ジョングク

ねぇ、そこまで怒ることないじゃん

ジョングク

たかがケーキの一個ぐらい許してよ

ジョングク

そりゃ食べた僕が悪いけど、また買えばいいはなs、

ジミン

はぁ?

あ、まずい、と瞬時に感じる。

ジミン

勝手に食べといてたかがって何...?

ジミン

あれ限定だからもう二度と買えないんだけど

ジョングク

っ、じゃあ違うのなんか買ってあげるから、

ジミン

そういう問題じゃない!!!!

ヒョンは立ち上がり、泣きそうな顔で僕を睨む。

ジミン

っ、ねぇグガ!!

ジミン

いつからそんな自分勝手になったの?!

ジョングク

じ、自分勝手って、、

ジミン

最近ずっとそうじゃん

ジミン

いっつも遅い時間までバイト入れて、

ジミン

夜、誘っても疲れたからって断るし、

ジミン

合コンだってさ、僕が行って欲しくないの分かんない?!

ジミン

意味わかんない

ジミン

何が人数合わせだよ…

ジミン

お前に来て欲しいだけの口実だろ?!

段々ヒョンの語気が荒くなってくる。

ここまで怒るヒョンはなかなか見たことがなかった。

ジョングク

僕だって、毎回断って…

ジミン

ちゃんと?きっぱり?

ジミン

違うでしょ?

ジョングク

違くなんて…!!

ジミン

ちゃんと断ってんなら、こんな何回も呼ばれないだろ

ジョングク

、っ

ジミン

何?出会い求めてんの?

ジミン

僕一応恋人なんだけど、そこんとこ把握してる?

ジョングク

そ、そういう話じゃ…

ジョングク

ヒョンが、何も言わないから…

ジミン

……はぁ?

ジミン

っ、僕が、どんだけ我慢してるとっ……!!

ジミン

もういいっ、話になんない!

ヒョンが自分の部屋に逃げ込もうとしてか、階段に向かう。

ジョングク

……僕だって、行きたくて行ってるんじゃないし

ジョングク

それにっ、嫌なら嫌って言ってくんないとわかんないじゃん

ジミン

ジミン

ジョングク

…ヒョンの分からず屋

ぶっきらぼうに呟く。

するとヒョンは体の向きを玄関へと変えて歩き出した。

どんどんと、わざと大きい足音を立てるような早歩きで。

ジミン

…っ

リビングと玄関を区切る扉の前で一瞬立ち止まる。

ジミン

グガの、ッバカぁっ!!

思えば、それが最後の言葉だった。

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