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この話は、ヨルシカの「ただ君に晴れ」のファンノベルです
歌詞を私の解釈で小説にしています
裕太
吐いた息は白く、ホットコーヒーに溶けるミルクのように溶けて消えた。
冬は好きだ
冬だけは君を忘れられる気がする
沙奈江
裕太
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
裕太
裕太
真冬なのに、なぜか夏の
あの湿った香りがかすかに、鼻腔に香った気がした。
沙奈江
不在着信
沙奈江
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
そんなことを言ってたっけ。
まったく君はいっつも突然なんだ。
裕太
そんなことを思いながら考える
あの夏に忘れてきてる言葉を、思い出してみる。
錆びた道路の標識を横目に
帰り道、通学バスの駅へ向かう
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
裕太
裕太
裕太
バスは満員。乗客の熱気で結露し、
僕の代わりに泣いていた。
冬の満月が、くぐもった窓からぼんやり見えてクラゲのようだった。
沙奈江
裕太
沙奈江
裕太
裕太
僕はどんな顔をしてただろう
くぐもった窓ガラスが僕の顔まで隠してくれていたらよかったのに。
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
今自分がどんな顔をしてるかなんてことが気になってうまく話せない
どんな目で君を僕は見ているの
沙奈江
沙奈江
ガタガタ揺れているのがバスなのか
自分の鼓動なのかもう分からないくらいに心臓が揺れていた
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
裕太
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
自分でもそんな言葉を言ったのが意外で、思わず口を噤んだ。
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
タイミングがいいのか、悪いのか降車駅にバスが止まった。
沙奈江
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
沙奈江
他愛もない話をしながら
街灯が照らす坂道を登っていく
僕らの影は坂道にずっとずっと伸びていく
2年前の僕らと繋がっているみたいだ。
ここで言えなかったら
もう二度と言えないかもしれない
夏の、あの時に言えなかった言葉をポケットの中で握りしめる
沙奈江
裕太
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
沙奈江
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
言いたかった言葉は、
かじかんだ手を温めることももうできないくらいに
小さく萎み、冬の空気に溶けていった
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
沙奈江
沙奈江
裕太
裕太
裕太
2年も変わらない自分と
複雑な環境にいて、大きな決断をしている沙奈江
僕はその事実を前にただ、
絶対に君を忘れたりはしないという言葉を、
子犬のように吠えるしかなかった。
沙奈江
沙奈江
沙奈江
一瞬ふわっと夏のあの、湿った匂いがした
裕太
沙奈江
裕太
沙奈江
裕太
裕太
沙奈江
沙奈江
裕太
沙奈江
裕太
カシャッ
沙奈江が帰った後
僕はしばらく昔のことや、
今日の出来事、沙奈江の言葉、
沙奈江との思い出を頭の中で反芻した
あの夏に忘れてきた言葉は言えなかったけど
僕の中の時間はジェットコースターのような速さで進み
今まで僕の心を引き止めていたものが全てなくなったような
清々しい気持ちでいっぱいになった。
これが、大人になる、ということなのかな
やっと君がとっくにスタートしていた
スタート地点に今立っている気がする
写真の中の2人は笑っている。どこかぎこちなく。
裕太
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