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【僕と兄さんの関係、{小湊家の話}】

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【僕と兄さんの関係、{小湊家の話}】

25 - 第三十三話 捕まえていた光は… 絶望の扉はもう開いている

♥

201

2023年09月15日

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俺は現実を受け入れることは出来なかった

小湊奏

は……?嘘……

それは俺が想定していた中で最も最悪な事態だった____

俺の名前は小湊奏

小湊奏

兄さん…結局帰って来なかったな

一晩連絡もなく家に帰らない兄を心配する、元殺し屋の半グレだ

これは大体3日程前の話になる、

俺は、殺し屋時代の元相方、霧ヶ峰那由多とともに帰路を歩いていた

霧ヶ峰那由多

それじょ!また明日も待ってるかんね!

小湊奏

はいはい…おやすみ

この日は那由多にショッピングモールに連れて行かれ、遊びまくった

那由多は意外と、無関心そうに見えて結構仲間のことを見ているし考えている

今日遊んだ理由も、俺への気遣いだった

那由多の優しさに、少し心が軽くなり 久しぶりに兄の待つ

“黒蔫街の家”に帰った、

家につき、いつものように兄が笑顔で出迎えてくれると思いドアを開ける

だがその期待は、裏切られた

小湊奏

あれ…?居ない…

何故か鍵は開いているのに、電気も付いていない…それどころか、人の気配一つしなかった

狭い部屋に大の大人が隠れることなんて、いくら兄でも難しい

気配を消すとしても、あの兄がこんなしょうもないことに使うのかとも思った

だけど、俺は探そうとしなかった

小湊奏

まだ仕事だよね…あの人のことだ、またハイになって暴走してんだろ…

小湊奏

止めてくださいよ城ヶ崎さーん…なーんてね

なんて、笑いながらいっていたのだから

それに、待っていれば必ず戻ってくると信じていたから

小湊奏

あ、それとも久遠町の方かな…でも、それなら連絡ほしいな

兄さんの隠れ家は二つ、一つはここ 黒蔫街のドヤにある廃屋

そしてもう一つ、久遠町ドヤがいのボロアパート…だったはず

小湊奏

それなら僕もあっちに向かえばよかったな…寂し…

でも悲しくはなかった

だって兄さんは僕をおいて何処かに行ったりしないから

俺を裏切り、忌子といい除け者にしたアイツらとは違う…

そうしてその日は、冷え切った布団に1人で入り眠りについた

そうしてしばらくは1人で居た

今日も1人、街をふらふらと歩いていた

今日は久しぶりに師匠に稽古をつけてもらう日だから、お土産でも買おうと思ったから

小湊奏

結局また瓜生君のメロンパンだよ~、まぁいいか先生はひどいこといわないし、

そして呑気にスキップ気味の足取りで、伊集院さんの事務所を目指した

この時のことを俺は後悔している

あの時引き返せば良かったと、そうしたらこんな感情も持たなかったのに…と

事務所にはついたものの、伊集院さんの姿がなかったため一応拷問室も確認に向かった

小湊奏

確か、ここの階段降りたらだよね…

そうして階段を一番下まで降り、廊下を歩いていた時だった

廊下のさき…拷問室の方から鋭い悲鳴のような叫びが聞こえる

あぁまた依頼かと思い、終わるのを待とうと近くに寄った時

俺はある違和感に気がついた

小湊奏

え…待ってよ……この声って…

俺はその叫び声の声色に引っかかるものがあった

間違える訳がない…でも、勘違いであって欲しかった

小湊奏

まさか……!

俺は気配を消しドアの前までやって来、

そして、絶望した____

小湊奏

は?…え…あ…兄さん?…、
え…何で…この声って⁇…

痛々しい叫びと、鞭を打つような鋭い音が聞こえる…

先生の怒号と兄の悲痛な叫びが、脳内にこだました

小湊奏

________

俺はその場から逃げるように走り出した、手に持っていた土産もその場に落として…

小湊奏

ハァ…ハァ……ハッ…ハァ…っっ!

無我夢中で走り続けた 夢であって欲しいとも思った

でも、それは現実だったんだ…

あの鼻をつんざくような鉄錆のような匂い…耳に残るあの叫びが…これは現実と訴え続けた

小湊奏

嫌…嫌だ…嫌だ嫌だ‼︎‼︎

小湊奏

嫌ぁああああぁぁああッッッ…!

いやああ"あああああああああああああああああああああああああああああッッ

俺は叫んだ、裏路地全体に響くほどの大声で

喉が裂けて血を何度か吐いたが、叫び続けた

そんな時、俺の背後に人が現れた

霧ヶ峰那由多

え…奏…?!どうしたのその血!

小湊奏

あ…あ…那由多…っ

偶然の遭遇だった、那由多が俺を見つけて駆け寄ってきた

この後のことはあまり覚えていないなし、思い出したくない____

そしてしばらく経ち、俺が羅威刃本部にいた時もこの情報を聞くことになったんだ

構成員

城ヶ崎さん!、小湊さんと連絡が取れませんっ‼︎

城ヶ崎賢志

何⁈…あの狂獣が…
一体何が起きてやがる…

小湊奏

俺はその会話を城ヶ崎さんの部屋の外から、ドア越しに聞いていた…

俺は知らせもなく本部をあとにした

再びつきつけられる現実に、俺は完全に絶望していた

その日の帰りは雨が降っていた

まるで俺の心を表したような、荒れた夜空だったのを覚えている

 

小湊奏

兄さん……とても、

小湊奏

とても…寒いです…

でも、これは単なる始まりに過ぎない… 大事なものというのは、いつか全部

必ず朽ちて消えるものだから

 

希望のない終わり方ですみません‼︎

まだ続きます!次回をお楽しみに!

【僕と兄さんの関係、{小湊家の話}】

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コメント

4

ユーザー

仁義を守るプロとして、必ずしなければならない仕事だったけど、それでも、圭一と奏のことを思うと、依頼人のあの子にだけは、本当に来てほしくなかったわ…。

ユーザー

どこまでも救いがない...∫

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