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YOLO!!

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YOLO!!

1 - はじめまして

♥

404

2025年02月13日

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父親が病んだ。

仕事関係のストレスか何かが溜まりに溜まったのだろうか。

鬱病に近いものと診断され、しばらくの療養が必要となった。

しかし、しばらく療養しても一向に良くなる兆しが見えず、悪化しているようにも見える。

そんな父を見かねた母が、いっその事、何もかも忘れて田舎の方で療養しないかと提案してきた。

母の実家はかなりの田舎で、緑と川くらいしか無かったのを覚えてる。

父親だけを送るのも、かと言ってオレ達を置いていくのもはばかられ、結局全員で田舎へ引っ越すことになってしまった。

とある田舎

絵名

はぁ…最悪なんだけど。電波通ってるのかな、ここ…

彰人

文句言う暇あったらこれ運べよ

絵名

重いのはアンタ担当でしょ

彰人

自分のくらい自分で運べって言ってんの

2人とも、ごめんね。学校もあったのに…

彰人

いや、別に。こっちにも学校くらいあるんだろ

父さんが病んで、母さんも少し精神的に不安定そうだった。

向こうに残って祖父母と暮らしても良かったが、そんな母が心配だった。

絵名

私、こっちの運ぶから。暑いし、お母さんは家入っとけば?

え?でも、

絵名

大丈夫!あとは彰人にやらせるから!

彰人

おいこら絵名‪💢

絵名

男の子なんだし、大丈夫でしょ

絵名

だから、ほら。先入っててよ。

ご、ごめんね。何かあったらすぐ呼んでね。

彰人

はいはい

彰人

これで最後か

絵名

お疲れ様〜

彰人

ほとんどオレにやらせやがって…

絵名

全部じゃないし〜

彰人

はぁ…まぁ、いいか。

彰人

お前は母さん見とくんだろ?

絵名

え?うん、そのつもりだけど…どこか行くの?

彰人

散歩。ランニングコースとかも決めときたいし。

絵名

分かった。暗くなる前に帰ってきなさいね。ここ、電灯とかも無さそうだし。

彰人

はいはい。行ってきまーす

絵名

行ってらっしゃい

彰人

(しばらく歩いてみたけど…マジでなんもねぇな…)

彰人

(最後にここに来たのは…たしか、7歳だっけ?もう10年近く来てなかったんだな。)

彰人

(あ、けど…あんま変わってねぇ気がする。)

彰人

(ま、夏休みにくらいしか来てなかったけど…)

彰人

(人っ?!)

彰人

(び、ビックリした…いや、人くらいいるだろ!)

彰人

(しばらく滞在するんだし、一応挨拶…)

彰人

こんにちは〜。今日からしばらく滞在することになった、東雲彰人です。

彰人

(同い歳くらいか?全く喋んねぇけど)

…彰人、

彰人

(初対面で呼び捨てかよ)

あまり変わっていないな

彰人

え?

…流石に覚えてないか、

10年も前の事だし…一年に一度程度しか、会うことが無かったからな。

彰人

10年…

彰人

……あっ、青柳冬弥?!

冬弥

…覚えてたのか

彰人

いや、思い出した。お前こそ変わってねーな

冬弥

そうだろうか?身長はかなり伸びたぞ。

彰人

うわ、マジじゃん。オレより小さかったのに。

青柳冬弥。たしか、歳はオレと同じ。

夏休みに遊びに行った時、たまたま会って仲良くなった。それから、毎年遊ぶようになったっけ。

冬弥

しばらく滞在…って、ここに住むのか?

彰人

あー、まぁ。親父の療養中はな。

冬弥

療養…そうか。

彰人

冬弥は今それ、何してんの?

冬弥

見ての通り、畑を耕している。

彰人

畑ねぇ…

冬弥

彰人もやってみるか?

彰人

いや……遠慮しとくわ。

彰人

(疲れそうだし、汚れそうだし…)

彰人

あ、冬弥スマホ持ってる?連絡先交換しようぜ。

冬弥

すまほ…

彰人

…マジ??

冬弥

持っていないと思う。

彰人

これだぞ?こんなやつ。

冬弥

?!

冬弥

と、都市伝説じゃなかったのか…!

彰人

スマホが?!

冬弥

ここでは持っている人の方が少ないと思う。

彰人

マジかよ…

彰人

(ド田舎過ぎんだろ。今どきスマホが都市伝説って…)

冬弥

そうだ。良かったらこれ、持って行ってくれ。

彰人

え、大根?

冬弥

沢山あるから。

彰人

サンキュー。ありがたく貰うわ。

彰人

(ともかく、知り合いいて良かった。冬弥は同い歳だし。)

彰人

(爺さん婆さんばっかかと思ってたから、ちょっと安心。)

冬弥

彰人は明日、時間あるか?

彰人

ん?おう。多分ある。

冬弥

もう少しゆっくり話したいから、明日も会いたい。

彰人

オレも。じゃ、またここ来るわ。

冬弥

ああ。

冬弥

あっ、帰る時は猪に気を付けて。

彰人

猪いんの?!

冬弥

よく降りてくるんだ。

彰人

マジかよ

彰人

じゃ、また明日な〜

冬弥

ああ、また明日。

彰人

(猪って……ニュースでくらいしか見た事ねぇな)

フシュー…

彰人

……

彰人

(いた!!!!!?)

彰人

(デッッッカ……!?初めて見た…!!)

シュー

彰人

(…もしかして、威嚇されてる??)

彰人

(なんだっけ…熊の対処法くらいしか覚えてねぇ…)

彰人

(冬弥に聞いときゃ良かったかな……いや、まさかこんなすぐ遭遇するとは思わねぇし)

大丈夫や慌てなすな

彰人

?!?

絶対に背中ば見せりなすなや

彰人

(何語?!)

彰人

(見せりなす…見せるなってこと?)

落ち着いて、ゆたーっと後ろに下がるぞ

彰人

(ゆたーって何すか?!)

刺激せんごつ、視界から消ゆるったい

彰人

(何語?!?)

彰人

(と、とりあえず…この人の真似すりゃいいのか?)

怪我は無かと?

彰人

あ、は、はい。多分。

ぬし、都会さ来たんか?

彰人

あー、えっと…はい。

彰人

(ゆっくり集中すれば聞き取れるな。)

そら珍しかね!仲良うしよう!

彰人

よ、よろしくお願いします…?

もうすぐ日が暮るるけん、早う帰りなっせ

彰人

あー、はい。ありがとうございます。

自宅

彰人

(冬弥が標準語だから忘れてたけど、そういやここド田舎なんだよな…)

彰人

(方言だよな、あれ…分かんねぇ…)

絵名

おかえりー…って、何その大根?

彰人

ただいま。冬弥にもらった。

絵名

なに、もう友達出来たの?

彰人

お前も会ったことあるだろ?青柳冬弥。あの小さくて大人しい奴。

絵名

……あー!あの子ね!

絵名

そっか、会えて良かったじゃない。アンタ、結構仲良かったし。

彰人

明日も会う約束してるから、出かけるわ。

絵名

了解。

翌日

彰人

冬弥、おはよ

冬弥

おはよう。

おお!やっぱり昨日ん都会人やったか!

彰人

あっ!き、昨日の!

彰人

えっと、昨日はありがとうございました。

気にしなすな!無事で良かったばい!

彰人

(やっぱ方言すげーな)

冬弥

紹介する。俺の1つ上の先輩の、天馬司さんだ。

天馬司だ!よろしゅう頼むぞ!

彰人

東雲彰人です。よろしくお願いします。

へぇ、本当に都会から来たんだね。

彰人

?!

初めまして。司くんと同い歳の、神代類だよ。

よろしくね、東雲彰人くん。

彰人

えっ、は、はい!

類!標準語が話せたんか?!

話す機会が無かっただけで話するばい。

彰人

(ビックリした…この人もちゃんと方言話すのか)

方言キツうて悪かね。オレは標準語が苦手なんや。

彰人

い、いえ。お気になさらず!

彰人

何となくで理解は出来ますし。

冬弥くんから聞いたよ。しばらくここに滞在するんだって?

彰人

あぁ、はい。

分からんことがあれば何でん聞いてくれ!

彰人

ありがとうございます。

彰人

(良かった。意外と歳近い人いて。)

彰人

(全員優しそうだし、上手くやってけるかも)

こけ滞在するちゅうことは、畑も手入れするたいな?

彰人

ん、んん…?

ここに滞在するということは、畑も手入れするのかい?

彰人

あぁ…えっと、すみません。どういう意味ですか?

君の家にも畑があるだろう?

彰人

あぁ…はい。婆ちゃんたちのですけど。

祖父母が亡くなったのは、3年前だ。

ずっと手入れせんのは畑が可哀想やて思うとったんや。

彰人

あー…たしかに、今朝見た感じ、結構荒れてましたね。

僕たちで良ければ、耕すの手伝うよ。

彰人

えっ

遠慮しなすな!畑仕事は得意なんや!

彰人

で、でも…

彰人

(土いじりとかやった事ねぇし、面倒くせぇからやりたくねぇな…)

彰人

(別に、放っておいてもいいと思うけど…)

冬弥

彰人のお祖母様達は、あの畑をとても大事にしていらっしゃった。

冬弥

今までは勝手に手入れするのは良くないと思って、荒れているのを見ているしか出来なかったが…

冬弥

彰人が許してくれるなら、俺に手入れさせて欲しい。

彰人

彰人

分かった、オレもやる。手伝いお願いしてもいいですか?

彰人

オレ、マジで土いじりとかした事無いんで。

フフ、任せてくれたまえ。

まずは草むしりからだよ。

根っこが残らんごつ気ば付くるったいぞ!

彰人

(マジで何語??)

冬弥

根っこが残らないように、気を付けて抜くんだ。

彰人

あ、あぁ。なるほど。

彰人

……冬弥も、方言使ったりすんの?

冬弥

あぁ、普段はな。

彰人

(想像つかねー)

冬弥

変わりがなかごたって安心した。また会えて嬉しか。

彰人

?!?

冬弥

聞きたそうだったから。

彰人

び、ビックリしたー…

ギャアアアアアアア!!!?!!?

彰人

何っ?!?

み、ミミズ!!!ミミズ!!!

彰人

え、ミミズ?

全く、何年畑仕事しとるったい?そろそろ慣れなっせ。

これだけは無理や!

しょんなかねぇ。

彰人

えーと…ミミズ苦手なんすか?

ミミズちゅうか、虫全般が無理なんや…

生物学的には、ミミズは虫じゃなかけどね。

彰人

そ、そうなんすね。

彰人は虫が苦手やなかとか?

彰人

あぁ、はい。苦手では無いです。

彰人

(それにしても、こんな田舎で虫が苦手とか…大変そうだな…)

冬弥

彰人

随分と手際いいな。慣れてんの?

冬弥

ああ。畑仕事は男のやることだからな。

彰人

へぇ…

彰人

(華奢に見えるけど、よく見たら筋肉ついてんな。すげー)

よし!こんくらいでよかね!

彰人

うぉー、すげ!めちゃくちゃ綺麗になった。

彰人

これ、なんか育てんの?

冬弥

彰人のお祖母様方は、ここで色々育てていた。家を探せば、まだ種があるかもしれないな。

彰人

あー、なるほど。じゃあ探しとくわ。

ふふ。彰人くん、初めてなのに筋がいいね。才能あるんじゃない?

彰人

ど、どーも。

彰人

にしても、流石に動くと暑いな…近くにコンビニとかねぇの?アイスとか食べたい。

コンビニなんて、徒歩で行くる距離にはなかぞ。

彰人

え?

冬弥

この近くだと…車でも30分近くかかるな。

彰人

は?!?!

彰人

え、嘘だろ?!コンビニねぇの?!

残念ながら無いねぇ

彰人

ま、マジかよ……!!?

彰人

(絵名が聞いたらキレそ〜…)

彰人

じ、じゃあせめて自販機とかは…?

冬弥

あぁ、自販機ならあるぞ。

彰人

あっ、良かった。どこにあんの?

冬弥

この辺りだと…向こうだな。案内しよう。

彰人

おう、サンキュー

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