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アリス

佐野 万次郎

うめぇー!

佐野 万次郎

やっぱここのパフェはうめぇんだよなぁ!

パフェを口に含ませながら彼はニコニコ顔で言った。

アリス

、そうだね…

そう言って私も頼んだパンケーキを口に運んだ。

こんな会話(?)がかれこれ10分弱続いている。

美味しいからなのかちょびちょび食べる佐野くんと、

緊張で食べ物が喉を通らない私。

長居確定のコンビだ。

佐野 万次郎

アリス。

アリス

な、なぁに?

佐野 万次郎

なんか今日元気無くね?

アリス

え、

それはあなたのせいなんですけどねっ

という喉元まで来た言葉をギリギリのところで飲み込んだ。

アリス

佐野くんは、

アリス

パフェが好きなの?

佐野 万次郎

ん?おう!

佐野 万次郎

ウエハース付きのやつじゃないと俺はパフェと認めねぇ…!

かわいい。

もう変なこだわりがかわいい。

でもずっとこの笑顔をそばで見る人は私なんかじゃない。

きっとあなたの彼女になる人は

優しくて元気な人なんだろうね

佐野 万次郎

あれ?

佐野 万次郎

アリスなんか泣いてる?

アリス

え、

そういわれて瞬きすると、涙がポロッと流れてきた。

アリス

えっ…

佐野 万次郎

ねぇなんで

佐野 万次郎

なんで泣いてんの

アリス

分かんないつ

佐野 万次郎

誰のせい?

佐野 万次郎

俺?

彼は早口で聞いてきた。

佐野 万次郎

誰のせい…?

アリス

誰のせいでもない

ホントは佐野くんのせい。

ずるいよ佐野くん。

女の子泣かせちゃうなんて。

佐野 万次郎

じゃあなんで泣いてんの?

アリス

か、花粉…?

佐野 万次郎

…?俺そういうのあんま分かんねぇ…

アリス

気にしなくていいよ…

ほんとに。

「好き」なんて言えない

あなたしか見えないよ

目が合うたび

声を聞くたび愛しくなる

切なくなる

もしも二人で

寄り添い合ってキスしたらなんて思っても

叶わないのに…

あなたに恋したせいですか

心が痛いよ

もっと知りたい

触れたい

膨らんでく想い

風船みたいに飛ばせたならいいのに

本気で好きなんです

佐野 万次郎

ふぅー!ごちそーさん!

アリス

…ごちそうさまでした

佐野 万次郎

じゃあ帰るか!

アリス

…そうだね

アリス

私払うよ

佐野 万次郎

俺も払う

アリス

アリス

ありがと、

すると彼はニコッと笑って分割払いしてくれた。

どうしよう

もう佐野くんのこと以外なんにも考えられない…

佐野 万次郎

うまかったなぁー!

アリス

うん

佐野 万次郎

アリスのもうまそうだったなぁ!

アリス

そうだね

佐野 万次郎

アリス聞いてる?

アリス

うん

佐野 万次郎

誕生日教えてー

アリス

そうだね

佐野 万次郎

聞いてねぇじゃんっ!

アリス

うん…

佐野 万次郎

アリスぅー!

佐野 万次郎

起きろぉ!

そう言って、彼は私の肩を揺さぶった。

アリス

ふぁっ?

佐野 万次郎

やっと反応したぁ!

アリス

ごめん、

アリス

ちょっと考えごとしてたの…

まずい。

佐野くんのことを考えすぎて佐野くんの話に返答できないのは最悪だ。

佐野 万次郎

…いいよ

ちょっと怒ってる…?

佐野 万次郎

誕生日いつなの?

アリス

…7月の16日

佐野 万次郎

ふーん

アリス

ねぇ、佐野くん

佐野 万次郎

アリス

怒ってる…?

佐野 万次郎

えっ

佐野 万次郎

怒ってねぇよ

佐野 万次郎

けど

佐野 万次郎

俺のこと嫌いになったのかと思った、

アリス

アリス

佐野くんのこと、嫌いになるわけないじゃん…

佐野 万次郎

ふーん…

佐野 万次郎

ま、俺もアリスのこと嫌いになるわけねぇけどな

キュン…

あーもうだめだ。

その言葉ひとつで気分が変わる。

なにも気づかないで笑うあなたの横顔を

じっと見つめています

佐野 万次郎

家帰ったら何する?

アリス

宿題

佐野 万次郎

やだぁー

アリス

頑張らないとダメなものなの。

佐野 万次郎

俺高校行かねぇ…!

アリス

それでも一応やっといたほうがいいよ?

佐野 万次郎

彼は口を尖らせてブーと今にもいいそうなくらいしかめっ面をしていた。

かわいいっ…!

佐野 万次郎

もぉ早く帰ろうよぉー!

彼の突然の甘え口調にキュンキュンしている間もなく彼は私の手を引いて走り出した。

アリス

ぁ、速いっ

佐野 万次郎

早く帰りたいの!

佐野 万次郎

たぁだいまぁー!

アリス

ただいま…、

アリス

はぁ、はぁ…

ごめん、やばい。

息できない。

佐野 万次郎

アリス?

アリス

、っ、

佐野 万次郎

?なぁアリスっ!

アリス

は、ぁ、

佐野 万次郎

なぁどうした?

アリス

っ、ぁ!

アリス

ゲホッ…ゲホッ

佐野 万次郎

佐野 万次郎

エマーあぁあああああぁあああああ!!

佐野 エマ

なぁにぃー!

遠くから…エマちゃんの声が聞こえてきた…

佐野 万次郎

はやく!来てぇー!

佐野 エマ

なによぉー…

アリス

うっ…ゲホっゴホッゴホッ

佐野 エマ

えっアリスちゃん?!

アリス

うっ、コホッ

佐野 万次郎

どーしよぉ走ったらぁアリスがあぁ!

佐野 エマ

なんでぇ?!

アリス

う゛っゲホっ

佐野 万次郎

やべぇっ

佐野 エマ

もしかしてアリスちゃん喘息持ち?

アリス

フゥ…っ

アリス

う…んッ

アリス

ゲホッゲホッ

佐野 万次郎

ええええ

佐野 エマ

もぉーたくさん走らせるからあぁ!

佐野 万次郎

アリスぅごめんっ

アリス

うぅう…

やばいっ…

佐野 エマ

えーと喘息は確か…

佐野 エマ

運動を止めれば…っ

佐野 エマ

アリスちゃんしんどかったらしゃがんでね

アリス

私は頷いてゆっくりしゃがんだ。

アリス

コホッ…

するとエマちゃんが背中をさすってくれた。

アリス

ん…コホッ

佐野 エマ

あそうだお水とか持ってくるね!

佐野 エマ

マイキーさすってて!

佐野 万次郎

わかった

さす、さす…

アリス

ん…

佐野くんにさすられると…好きな人にさすられるとすごい安心する…

アリス

ふぅ、コホッ

佐野 万次郎

ごめんっごめんっ…

アリス

だ、…い、じょうぶ…

佐野 万次郎

アリス…

ドクン

佐野 万次郎

瑠璃…

佐野 万次郎

なぁ…大丈夫?

佐野 万次郎

なぁっ…

佐野 万次郎

返事してよ…?

ん…大丈夫っ!

佐野 万次郎

ほんとに?

大丈夫だよ。心配しないでマンジロー…

佐野 万次郎

瑠璃…

佐野 万次郎

アリス…?

アリス

ん…大丈夫

アリス

心配しないで佐野くん…

佐野 万次郎

…なんか

佐野 万次郎

前もこういう事あったよなぁ…

アリス

…え?

アリス

そ、そんな事ないと思うよ…

佐野 万次郎

…だよな!

あぁ…

もうヤダ…

また思い出してしまった。

今となれば辛い記憶ばっかり…

アリス

大丈夫、大丈夫…!

佐野 万次郎

どうした?アリス?

アリス

あ…

アリス

何でもない…

佐野 万次郎

え…?

アリス

ほんとに大丈夫。

私はそう言ってこの場から離れようと立ち上がった。

アリス

あっ…

佐野 万次郎

あぶねぇっ

ドサッ

アリス

あ、…

アリス

あぅっ、?!

佐野 万次郎

大丈夫か?

アリス

大丈夫!!!!!!!

2回目だろこれ!

なんでこんな…っ私平衡感覚イカれてるだろおぉっ

佐野 万次郎

ん…

あれ?なかなか離してくれないぞ?

アリス

佐野くんっ

アリス

あの…離れた方が良くない?

佐野 万次郎

なんで

アリス

その…あのぅ…

佐野 万次郎

だってこれ2回目だろ

佐野 万次郎

危ないからさ

佐野 万次郎

安定するまで支えときゃいいだろ

アリス

ん…その

アリス

もう安定したから…

佐野 万次郎

…俺が安定してない

アリス

…は?

佐野 万次郎

俺が安定してないから離せませーん

ケロッとした口調で彼は言う。

アリス

え…なんで佐野くんが安定してないの?

佐野 万次郎

アリスのせいで安定してない

アリス

…?

ますます訳が分からない。

アリス

なんで私のせい?

佐野 万次郎

何でだろうな…

佐野 万次郎

アリスの全部が…

アリス

全部が??

佐野 万次郎

佐野 万次郎

言ーわないっ

アリス

え、ちょっと教えてっ!

こうしてわちゃわちゃしている間に、いつの間にかエマちゃんが戻ってきていた。

佐野 エマ

んふふ…

佐野 エマ

イチャイチャしちゃってー♪

佐野 万次郎

は?違うし

アリス

ち、違うっ!

アリス

…と思う…

佐野 エマ

ごめんって!

佐野 エマ

良いなーって思ったの!

佐野 万次郎

佐野 エマ

あーもうマイキーガチギレしないで!

アリス

あはは…

苦笑いしかできなかった…。

時は過ぎて夜。

佐野くんはお風呂。

佐野 エマ

マイキーはアリスちゃんのこと好きなのかもね

アリス

…え

アリス

えぇーええええっえ!

アリス

待ってぇ??!!

アリス

なんでえ!!!?

アリス

ぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!?

佐野 エマ

だって長時間くっつきたがってたし

佐野 エマ

イチャイチャを疑えば真っ赤になって違うって

アリス

え、それは怒ってるのでは?

佐野 エマ

違う違う。照れもあるけど1番はそれでアリスちゃんに距離置かれないか心配だったんだよ。

アリス

え?

佐野 エマ

だって自分のことを好きな人…ましてや出会って数日の人と同居って普通は嫌がるよ?

アリス

ん…

佐野 エマ

アリスちゃんに好きな人は居ないの?

アリス

えっ

アリス

…い、

佐野 エマ

い?

アリス

居る…

私は聞こえないようにそう呟いた。

けど…

佐野 エマ

居るのね!

佐野 エマ

誰?!誰!?

アリス

えっあっ

佐野 万次郎

誰が好きなの?

アリス

あっぴゃあ?!

すごいビックリした。

突然後ろから話しかけられるとは…

ん?

誰が好きなの?って言った?

あれ…?

聞いてた…?

佐野 エマ

マイキーには関係ないよー

佐野 万次郎

関係ある

アリス

…っ

待って佐野くん…

すごく怒って…

佐野 万次郎

アリス

佐野 万次郎

誰が好きなの?

アリス

佐野 万次郎

言って

アリス

…ごめん、言えない

佐野 万次郎

なんで?

佐野 エマ

マイキー!

佐野 エマ

アリスちゃん困ってる

佐野 万次郎

佐野 万次郎

ごめん…

アリス

大丈夫…

アリス

ふぅ…

2人が居る居間から離れ、客室に行った。

好きな人に好きな人誰か言ったら告白と一緒じゃん

言えない

ずるい

期待ばっかりさせて

ほんとずるい

アリス

アリス

うぅ…

涙が溢れてきた…

もういいよ…

最初からあなたの幸せしか願っていないから

私が…

アリス

私が諦めれば、良いだけなの。

言葉と一緒に溢れ出てくるのは涙だけだった…

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

マイキーとアリスちゃんすっごいお似合いだわ! 「聞いてた?」あー!!!!よくあるある!いいとこ聞いてるねぇマイキー!付き合ったらいいじゃん!! アリスちゃん泣かないでー!! 次回もたのしみです!待ってま〜す!!

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