サステリーな館

九葉視点

部屋の真ん中にある 机に案内して、探偵さんと 向き合うように2人並んで座る

もしかして今、カマかけられてた？

すごいな、流石探偵…… この調子なら、さっきの犯人も すぐ分かると思うけど……

芽衣が話して、浦田さんが 手帳に書き込んでいく

……つまり、ここで 殺人事件が起こることは、 元から決まってたってこと……？

畳み直して、服のポケットに 入れたはずのあの白紙の紙

だけど、どこを探しても 跡形もなくなっていた

「「「白紙」」」

え……まさか今ボク、 低身長いじられた？←

じゃあ、と言って、浦田さんが 部屋から出て行った

浦田視点

210号室を出て、青目達の部屋の 202号室に向かう

廊下を歩いている途中、 階段を上がってきている 坂田に声をかけられた

だとしたら今手がかりになるのは、 さっき一ノ瀬芽衣が言っていた、 部屋を出たもう1人の人物

どっかの一ノ瀬なのは 間違いないらしいが、 見分けがつかなかったらしい

だけど、ここまでそんな話は 聞かなかったからな……

考え事をしつつ、202号室の前に来る

コンコンッ

突然、俺達の真横から声がかかる

さっと容姿を見ると、片手に梅酒 らしき缶を持っていることに気づく

キッチンに行ってたのか？

さっきのヘラヘラした態度とは、 まるで違う

……身近の人が亡くなった時、 残された方にかかる負担は、 並大抵じゃない

それは、自分たちが一番 分かっているつもりだ

すると、俺達を部屋に入れてくれた

部屋に入ってすぐ、ベッドに座って 缶を開け始めた青目

それから、ぐいっと一口飲んだ

……よく見ると、目元が薄らと 赤くなっている

俺が質問をすると、そう答えた

心なしか、先ほどより 口調に棘がなくなっている

これは、さっきも 同じような話を聞いたな

物置に行ったのは こいつだったのか……

そうか……それで、こいつが部屋を 出た後も、赤目は物置にいて……

話を進めるたびに、 目に涙を溜めていた青目

とうとう、滴が一つ零れ落ちた

坂田がそばに寄って、青目の隣に座る

こいつも、白紙……？

犯人、か……

こいつは小6の頃、 友達を事故で失ったことがある

そのこともあってか、身近な人が 亡くなってしまった人には、 こんな風に寄り添う癖があった

俺は仕事と家柄の関係で、 殺人現場に行くことも少なくない

坂田はそれについてきて、俺の助手 として、事件解決もいくつかしてきた

でもそれよりも多く、残された 遺族の人達に寄り添ってきたんだ