恋はペットから　第１話

この何気ない風景、 俺にとってはめんどくさくてしかたがない

俺はけん。このゆうこって人のペットをしている。 今の、[ワ、ワン‼]ってやつ、何て言ったんだと思う？

実は、[うるせえ。早く帰らせろ]って意味なんだよね🎵 まあ、普通こんなこと言ったら限りなく怒られるだろうな。

でも俺は犬。もちろん飼い主は何を言ってるのかさっぱり。 しかーし、俺は人間の言うことが分かる。

だから犬の方が有利、なのかもしれないな。 その代わり、お腹を空かせても分かってくれない飼い主もいる。

ひどいもんだと俺は思う。こっちは命がかかってんだぞ‼ 分かってんのか‼思わない犬はいないだろう。

だからたまに、野良犬に憧れてしまう。 あんな自由であったらなあ。

あ、とりあえずこれで自己紹介はおしまいってことで。

視界には山盛りのドックフード、そして上には、 満面の笑みを浮かべるゆうこがいた。

ゆうこは大きな手で口を隠し、 目を左の方向に動かした。 俺は状況が理解できない。

さっきのは間違いだと、自分を落ち着かせるために 確認してみる

ゆうこは何かを隠してる。 俺はすぐに事実にたどり着いた。

俺はそれを聞いた瞬間、今まで言ってきた言葉よりも先に、 ビックリしたことが頭の中を駆け巡る。