光の母
光、おはよう
光の母
黒沢先生が今日、
退院してもいいって
退院してもいいって
光
・・・そう
光の母
・・・大丈夫?
光
ねえお母さん
光
私のお父さんってさ・・・
光
どこにいるの?
光の母
・・・え・・・
光
この前、家の棚にある
お母さんの昔の頃の写真
見たんだ・・・
お母さんの昔の頃の写真
見たんだ・・・
光
隣にいる男の人、、
光
どこかで見たことが
ある気がしてた
ある気がしてた
光
誰かに似てるなーって
光の母
光・・・
光
教えてほしい
光
私、もう17だよ
光
なんにも知らないまま
死んでいくのは・・・
死んでいくのは・・・
光
嫌だよ
光の母
・・・あのね
光
私のお父さんって
光
『誰』なの・・・?
光の母
・・・もう、話すべきよね
光の母
あなたのお父さんは・・・
光の母
黒沢先生よ
黒沢先生
すまない光・・・
黒沢先生
俺にはこれしか
できないんだ
できないんだ
光の母
黒沢先生とは
学生時代に知り合って
学生時代に知り合って
光の母
交際していたのよ
光の母
私も彼も、ちゃんと
想い合っていて
想い合っていて
光の母
結婚するつもりだった
光の母
だけど・・・
光の母
彼は優秀な医師の
息子でね
息子でね
光の母
親の決めた相手と
政略結婚することに
なった
政略結婚することに
なった
光の母
そして彼は
嘘をついて姿を消したの
嘘をついて姿を消したの
光の母
他に好きな人ができた
光の母
それだけ言い残してね
光
・・・
光の母
その直後だったわ
光の母
お腹に、彼との子供を
妊娠していることを
知ったのは・・・
妊娠していることを
知ったのは・・・
光の母
でも彼は二度と姿を
現さなかった
現さなかった
光の母
──光が初めて病院に
運ばれた日までは
運ばれた日までは
光
・・・
光の母
驚いたわ
光の母
こんな形で再会する
ことになるなんて
ことになるなんて
光の母
残酷な運命でしょう
光の母
父親が、実の娘に
余命宣告をしなければ
ならないなんて
余命宣告をしなければ
ならないなんて
光の母
神様を恨んだわ
光
今までずっと
隠してきたのって・・・
隠してきたのって・・・
光の母
あなたに何て言うべきか
分からなかった
分からなかった
光の母
このことを話せば、
自分は捨てられたと
思うんじゃないかって
自分は捨てられたと
思うんじゃないかって
光の母
でもそんなの、
親のエゴだったわね
親のエゴだったわね
光の母
ほんとに娘を思うなら
真実を話すべきだった
真実を話すべきだった
光の母
もっと早く、向き合う
べきだったわ
べきだったわ
光の母
ごめんなさいね・・・
光
・・・もういいよ
光の母
これだけは分かって
光の母
彼は、決してあなたを
見捨てたわけじゃない
見捨てたわけじゃない
光の母
あなたの担当医に
なったのだって
なったのだって
光の母
あなたを見守るために
自分で名乗り出たのよ
自分で名乗り出たのよ
光の母
だから許してあげて
光
・・・分かった
光
もう分かったから
光
ちょっと一人にして・・・
朝倉
退院したんだって?
朝倉
杏香さんたちから聞いた
光
うん、もう大丈夫
朝倉
よかった
朝倉
明日は学校来れるの?
光
うん、その予定だよ
朝倉
OK
光
光
朝倉くん、今、学校?
朝倉
うん昼休み
光
ねえ、
こんなのダメかな
こんなのダメかな
朝倉
ん
光
光
会いたい
朝倉
朝倉
どこ行けばいい
朝倉
めずらしいな
朝倉
望月が
ワガママ言うなんて
ワガママ言うなんて
光
・・・うん
光
朝倉くんも、
まさか学校早退して
くれるとは思わなかった
まさか学校早退して
くれるとは思わなかった
朝倉
・・・たまにはいいかなって
光
ありがと
朝倉
・・・何かあったんだろ
光
・・・んーん
光
会いたかっただけだよ
朝倉
・・・ほんとに?
光
・・・ごめん嘘
朝倉
話してみ
光
・・・お父さんいないって
話したことあるでしょ
話したことあるでしょ
光
今までずっと、父親は
死んだんだと思ってた
死んだんだと思ってた
光
でも、違ったみたい
光
私の病院の担当医
光
あの人が実の父親だった
朝倉
・・・!
朝倉
担当医が・・・?
光
笑っちゃうよね
光
もともと私のお母さんと
結婚する予定だったのに
結婚する予定だったのに
光
あの人は親が決めた人と
結婚することを
選んだんだってさ
結婚することを
選んだんだってさ
光
それで何食わぬ顔で
私の診察なんてして
私の診察なんてして
光
・・・ほんと、
意味わかんない
意味わかんない
朝倉
・・・
光
私を傷つけたくないから
隠してたなんて、
そんなの・・・
隠してたなんて、
そんなの・・・
光
そんな優しさ
要らなかったのに
要らなかったのに
光
お母さんは、
あの人のこと
許してほしいって
言ってたけど・・・
あの人のこと
許してほしいって
言ってたけど・・・
光
ちょっと今は・・・
光
自分の気持ちも
分からない
分からない
光
先生と、お母さんと
光
これからどうして
いけばいいのか
いけばいいのか
光
・・・私、許せるのかな
朝倉
許さなくて
いいんじゃん?
いいんじゃん?
光
え?
朝倉
望月は傷付いたんだから
朝倉
無理に許さなくていい
朝倉
自分に正直でいればいい
光
・・・
朝倉
でも俺、
ちょっと分かるよ
ちょっと分かるよ
朝倉
望月のお父さんと
お母さんの気持ち
お母さんの気持ち
朝倉
相手が大切で
あればあるほど
あればあるほど
朝倉
言えないことって
あると思う
あると思う
朝倉
望月への愛情だけは
嘘じゃないはずだ
嘘じゃないはずだ
朝倉
・・・望月にも、
そんな経験ないか?
そんな経験ないか?
光
え・・・
朝倉
この人を傷付けたくない
から嘘ついたとか
から嘘ついたとか
朝倉
ほんとのこと言わずに
隠してたとか
隠してたとか
光
・・・
朝倉
望月のそれも、
ちゃんと愛情だろ
ちゃんと愛情だろ
朝倉
その優しさと同じだけ
2人だって苦しんだん
じゃないか
2人だって苦しんだん
じゃないか
朝倉
だから・・・
朝倉
許さなくていいけど
朝倉
理解してあげて
光
朝倉くん・・・
朝倉
とか偉そうなこと
言ってごめん
言ってごめん
光
ううん
光
ちゃんと伝わってるよ
光
それも朝倉くんの
愛情だって
愛情だって
朝倉
・・・うん
光
──ありがとう
朝倉
うん
俺も嬉しかった
俺も嬉しかった
朝倉
『会いたい』って
言われたのは初めてだ
言われたのは初めてだ
光
ふふっ
朝倉
またいつでもワガママ
言っていいんだからな
言っていいんだからな
光
うん
光
ごめんね
光
明日も・・・会いたいね






