母
礼華…ッ!
母
本当にごめんなさい!
母
あんなことになってるなんて気づけなくて…
礼華
え、
礼華
謝らなくていいよ。
礼華
話さなかった私が悪いの。
母
いいえ、話さなかったんじゃなくて話せなかったのよ
母
私やお父さんがそういう環境にしてしまったの。
母
本当にごめんなさい。
母
松村さんも、ありがとう。
松村北斗
いえ、俺は
母
あなたのおかげで吏くんの悪行に気づけたのよ。
母
あなたがいなかったらうちの子は…
母
そうそう、礼華。
礼華
なに?
母
あなたをしばらく田中さんのお宅に預けることになったわ。
礼華
え…どうして?
母
どうしてって…
母
ここはあなたを散々痛めつけてきた場所よ。
母
そんなところにいたらあなたの心が休まらないと思ったの。
礼華
でもなんで樹の家…?
松村北斗
最初は療養施設に入所させようとしていたんだ、礼華のお母様は
松村北斗
でも、俺が提案したんだ
礼華
樹はしってるの?
松村北斗
大丈夫。
松村北斗
礼華に何かあったら連れて来いっていわれてるから
礼華
そうなの、良かった
母
それじゃあ、
母
家には何時でも帰ってきていいのよ。
母
帰りたいとおもうのなら、だけど苦笑
礼華
うん。
そして吏は傷害罪で逮捕され、 懲役13年の実刑が処された。 当然礼華との婚約も破棄され、 礼華は無事自由の身になった。
吏の逮捕によって SAIONJIグループの評判は下がり、 ホテルの売れ上げも激減。 1年後には破綻してしまった。