もう俺の恋は終わりかな…
なんて考えたその日の朝、
みなみちゃんはいつも通り電車の椅子に座って眠そうにしてて…
…じゃなくて、
ため息ついてて。
これはまた、
ふぅやな。
そう思ったら、
行動に移さずにはいられんかった。
みなみちゃんの座っている椅子の隣に座って、
"おはよ"
と笑ってみせる。
明らかに驚きながら、
"おはよう"
と返してくれるみなみちゃんも、
可愛い
そう思うってしまう俺は重症かな。
苦しくて苦しくてたまらないこの感情を無視して、
みなみちゃんの相談に乗る。
安の定、ふぅの事で、
"キスしていい?って聞かれて、でも冗談で…"
"それなのに苦しいの、何でかな、"
って無理矢理口角を上げるみなみちゃんは、
あぁ、ほんまにふぅに恋してるなぁ
…って、分かるほどで。
そろそろ気付いてもええんちゃう?
鈴木さんも、いつ動き出すか分からんし。
俺?
…俺は、
もう、ええよ。
もう諦めた、とか…無理。
やって、一生好きやもん、
みなみちゃんの事。
でもそれを言わないだけ。
隠すだけ。
友達として好き。
友達として隣に居る。
歩く。
笑う。
話す。
…それだけ。
それだけでも、
…好きな人の隣に居られること、
幸せやと思う。
こうやって馬鹿みたいな会話して笑い合える方が、
誰も傷つかんで、
幸せを保てると思う。
その思考は…
…あまりにポジティブすぎるけど、
それでもええかな、って。
結果的には、
悩んで悩んで…
その答えになったんやし、
まぁ、俺が出した答えだしやから。
やから、みなみちゃんにヒントをあげた。
冗談でも、
"キスしてええ?"
って言った後の、
"あはは"
といつもみたいに笑ったみなみちゃんには、
結構えぐられたけど…
"みなみちゃんは、ふぅが好きなんやで"
のヒントに、
限りなく近い物を渡せたから良いとするか。
俺のおかげあって、
今こうやって結ばれてるんやしな。
まさに天使、
恋のキューピットやん。
って、おもろないけど、
"おめでとう"
…最初俺は、心からの言葉では無い、
言うたけど、
取り消し。
今考えたら十分な祝福であり、
心から願った本音であり、
今も思うこと。
俺はもうみなみちゃんに好きやと伝える日は一生こうへんけど、
それでええと思ってる。
ただ、隣には居させてや?
3人で…さ、
いつもみたいに。
西村拓哉
西村拓哉
静かに蓋した感情は、
苦くて、
俺の嫌いな味その物だった。
*拓ちゃんの想い。 END*
コメント
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ドラマ化、映画化どっちでも絶対面白い! 切なすぎる…
切ないね、
号泣です、映画化しようか