最初はほんとにすごい確率の偶然だと、思っていた
キヨ
ねぇこの前貸した小説読んだ?
クロオ
読んだ〜
キヨ
めっちゃ感動しない?!
クロオ
はいはい笑
クロオ
にしてもすごい偶然だよな〜
キヨ
私に、黒尾、それに海くんまで!!
クロオ
すごいよな
キヨ
黒尾に貸したし、次は海くんに貸そー!
クロオ
お前そんなことより今日の小テスト勉強したか?
キヨ
え?!今日小テストなの?!
キヨ
黒尾!一生のお願い!!
クロオ
この前もそー言ってたよな笑
違和感を感じたのは昼休みの時だった
クロオ
おい清ー!
キヨ
ん?
ふと振り返った清の顔が誰かと重なった
珍しく目眩でもしたかと思い目を擦る
キヨ
どうしたの?黒尾
キヨ
そんなに目擦ったら赤くなるよ
クロオ
いやちょっと、目眩が
キヨ
大丈夫??
キヨ
保健室行く?
クロオ
いや、気のせいかも
キヨ
ほんとに?
キヨ
ならいいんだけど、
キヨ
それで、どうしたの?
クロオ
あぁ、いや日直職員室来いって
キヨ
げ、
キヨ
絶対雑用じゃん、
クロオ
まあがんばれよ
キヨ
はぁ、
次に違和感を感じたのは放課後
クロオ
おい清
クロオ
委員会、
俺はそれ以上言葉を発せなかった
窓際の席で学級日誌を書く姿が妙に凛としていて
いつもの清ではない気がしたから
パッと清がこちらを振り向く
心臓がドクンと強く脈打たれるのがわかった
キヨ
黒尾?
キヨ
そんなところでなにしてるの?
クロオ
いや、今日委員会だったろ
クロオ
だから呼びに来たんだよ
キヨ
あ!そうだった
キヨ
忘れてた
キヨ
ありがとう黒尾〜、
キヨ
また怒られるところだった
クロオ
おう、
その違和感は日に日に強くなっていった_