目の前で禰豆子が鈍い音を立て倒れた
炭治郎
ね、ずこ……!
くそっ……俺は1人の妹さえも守れなかった
こんなの兄失格だ
目の前にいる禰豆子に手を伸ばしかけた時……
富岡
……!おいっ!!
炭治郎
え、っ……?
顔を上げる暇もなく何かに引っ張られ勢いよく倒れた
炭治郎
……っ、!
背中に広がるじんわりとした痛みと雪の冷たさ
それ以上に冷たい瞳で見つめる彼女に
時が止まったと感じた
リリィ
は、……っ、っあ!
炭治郎
リ、リィ?
そう苦しそうに息を漏らす彼女は
いつもの空色の瞳が
赤く濁らせた血の色に変わっていた
なぁ、その瞳に何が写っているんだ……リリィ