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戻りたいのに、戻れない

後悔すら抱いているのに

だから***は

戻らない

ゾム

ショッピ君

ゾム

今夜、食事会しようぜ!

ショッピ

…はい

ゾムさんから食事会に誘われた

これは、俺の終わりを示している

ゾム

んじゃ後でな!

ショッピ

…わかりました

今夜、が最期

ショッピ

………

ショッピ

何も、しなかったな…

ただ、自分の部屋で思い出に浸っていた

“コンコン”

ショッピ

……

ゾム

入るでー?

ショッピ

…どーぞ

ゾム

んじゃ、いこか

長い机に洒落た椅子

ゾムさんとは反対側に座った

ゾム

隣でよかったんちゃう?

ショッピ

ここで、いいですよ

ゾム

……そか

ショッピ

………

ゾム

……

ショッピ

……

ゾム

……食べへんの

目の前には、

皿に色合いよく盛られた肉

ショッピ

…ちょっとお腹、空いてないかな

ゾム

…食べたほうがええで

にっこり笑うゾムさん

ショッピ

…そうかも、ですね

ゾム

………その様子やと

ゾム

色々、分かりきってる様子やな

ゾムさんが肉をナイフで刺す

ショッピ

ええ、もちろん

ショッピ

もう、最後の1人なんでね

俺の前には、手をつけていない食事が置いてある

ゾム

そやな…

ゾム

とうとう、ここまで

ゾム

来たんやな

悲しそうに笑うゾムさん

ゾム

なんや、怖ないん?

ショッピ

…えぇ、まあ

ゾム

なんで?

ショッピ

もう、心配してくれる人もいないんですし

ショッピ

皆さんのところに行けるなら

ショッピ

俺は、どうなってもいいですよ

ゾム

………っ

ゾム

おもんなっ…

顔を曇らせたゾムさんのナイフが俺の頬を掠る

ショッピ

ッ……

ゾム

………

震える右手を左手で抑える

ショッピ

………

それでも、表情は変えずに

ゾム

ほんま、みたいやなぁ…w

俺の頬を見つめ笑うゾムさん

ショッピ

……どうしたんです

ショッピ

一思いに、殺してくださいよ

俺は、薄く笑った

ゾム

みんなは、

ゾム

あいつらは、恐怖に引き攣った顔をしてたのになぁw

ゾム

そか、なら少し話をしようや

ショッピ

…わかりました

意味がないとわかっててゾムさんは話を進めた

最初は“彼奴”やってん

コネシマ

あ、食事会?

コネシマ

なんや食害かっ!?

ゾム

たまには洒落た食事しよーや!

コネシマ

………

少し考え

コネシマ

しゃーないな

コネシマ

ええよ

時間通り彼奴は食事会に参加した

そう、ちょうどショッピ君が座っとる、そこやで

コネシマ

食事会って言っても

コネシマ

ただ飯食うだけじゃねーかw

彼奴は美味しく頬張りながら

ゾム

そーゆーもんやろ?w

ここまではよかったんよ

ゾム

っ……!?

急に、ほんまにそれは唐突に、

俺の中で喚き始めたんよ

コネシマ

ん、ゾ…ム?

ゾム

………っ

“今幸せそうである、彼を殺したらどうなるのか”

まあ、可愛く言えば好奇心やな

悪く言えば、ただの惨殺や

ゾム

…シッマ、

コネシマ

あ…?

ゾム

……今、幸せか?

コネシマ

まあ、飯食えてるし

コネシマ

幸せなんかなぁ…w

彼は、苦く笑った

ゾム

そか…

その言葉を聞いたら

俺は、もう行動に移していた

コネシマ

ガハッ…ぞ、む……?

ゾム

え、ぁ……

自分の手が赤く染まり

シッマは苦しそうに俺を見た

コネシマ

嘘、…や、……ろ………?

シッマはそう問いかけ、今にも閉じそうな目に涙を浮かべて

ゾム

えっ…なん、で……?

そりゃ、ナイフで刺したら死ぬわなw

でも、俺はそん時死ぬなんてこと考えてなかってん

彼奴が、シッマが、俺の手で死に逝く顔を見たら

ゾム

…あ、は……そのか、おすて、き……!!

ものすごく興奮してん

コネシマ

ッ……

コネシマ

ぞ、む……

がっくりと手が落ち

瞳は閉ざされ、心音が消えゆく

ゾム

……え、しんだ?

ゾム

やだよ、やだやだ

ゾム

もっと見たいよ、あの時の顔…!!

ゾム

そんな、目を閉じて楽になろうとせんで……!!?

ゾム

もっと、もっと…!!

コネシマの肩を揺らす

力なく、コネシマが揺れる

ゾム

苦しむ顔を見せて、やッ……

エーミール

ゾム 、さん……?

俺がシッマを揺らしてるとエミさんが来たんよ

シッマを見て、青ざめてた

そして、俺は

“この、表情(カオ)だッッ!!”

ゾム

エミさん…?

エーミール

え、どうゆうことですか…?

エーミール

ま、さかぞむさんがっ……

ゾム

エミさん待ってや

エーミール

い、嫌です!

「そのままでいて、」と言おうとしたがエミさんは逃げるように部屋から出ようとした

ゾム

ちょっ……!

コネシマのことを言われるのが怖かった

俺は近くにあるナイフを投げ

エーミール

ッ……!

それはエミさんの腕に刺さったん

その時こっちを見たエミさんの顔が

俺が求めてた顔やってん

ゾム

ちょっと、まっ……!

「そのままでいて」

エミさんは俺を見ながら薄く笑ってた

でも、怯えてた

逃げることもできない

だから俺に

エーミール

もど、ってくだ…さい……

ゾム

………

片腕を抑え、血が流れている

俺がそんな言葉を聞くとでも?

ゾム

さっきの、

ゾム

さっきの、顔してや……

俺は不思議と口角が上がる

エーミール

……?

エーミール

か、お…?

エミさんは震えているが

一向に怯えるそぶりを見せない

ゾム

……

ゾム

……しゃーない

ショッピ

それで、エミさんを…

ゾム

シッマとおんなじくらいの顔やったわ…!

ゾム

すまんなぁ…大事な先輩を取ってしまって…

にんまりと笑うゾムさん

ショッピ

………

そんな言葉で俺が怯えるとでも?

トントン

な、なぁゾム!

ゾム

ん?

トントン

シッマとエミさん見てへんか?

ゾム

え、見てへんけどどしたん?

トントン

なんか連絡繋がんないんよ……!

ゾム

え?

トントン

シッマならともかく、エミさんが……

トントン

いっつも図書にいるはずのエミさんにも連絡が……

ゾム

つなが、んない…?

トントン

……うん

トントン

俺、ちょっとぐるさんに相談するわ…

ゾム

あ、待って!

トントン

ゾム

今夜、食事会しようや

トントン

…は?

トントン

こん時に何を……

ゾム

食事会っていう

俺はトントンに近づき、耳元で言った

ゾム

“密告”会やで

トントン

……!

トントン

な、なんかわからんけど

トントン

…行くわ

トントン

な、なぁ密告ってなんや…?

ゾム

一つ条件がある

トントン

……?

トントン

条件……?

ゾム

………それは

“恐怖で怯えた引き攣った顔をしてほしい”

トントン

…は?

トントン

え、何それ……

冗談を見るような目で俺を見た

ゾム

できへん?

トントン

できるわけないやろ……w

トントン

そんな冗談よりもっとマシな条件なかったん?w

ゾム

まぁ、そやろな

ゾム

あの2人もできなかったんやから

トントン

は、2人…?

トントンは頭がいいし、物分かりがいい

トントン

え、まさ…か……

言い切る前にトントンの目の前には俺がいた

ショッピ

トントンさ…ん……

ゾム

…俺はわかったんよ

ゾム

その表情(顔)は一瞬しか見れなく

ゾム

そして、本当に怯えた時にしか出来ない

ゾム

本物の怯えた顔…

ショッピ

…好奇、心

ショッピ

ですか……

ゾム

あ゛ー

ゾム

カッハハハ…

俺の周りにさっきまで生きていた奴らが並ぶ

倒れて目を閉じ、もう、動かないガラクタが

ゾム

次は、誰やろなぁー

ロボロ

ショッピ君!

ショッピ

え、あはい

ロボロ

俺、食事会に誘われてもうた…

ロボロ

どしよ…

ショッピ

嘘でしょ……

流石に人の無さにみんなは疑っていた

そして、ロボロさんは見てしまったのだ

食事会の場面を

それを俺に教えてくれた

今まで呼ばれたのは

コネシマさん

エミさん

トントンさん

シャオロンさん

鬱さん

チーノさん

グルッペンさん

オスマンさん

ひとらんさん

もう、覚えれないほど呼ばれて、そのまま消えてしまった

今、残ってるのは

ショッピ

ロボロさん……

ロボロ

どしよ…どすればええん…!?

まだ俺らは、知っている

だから逃げれるはずなんだ

ゾム

お、ロボロとショッピ君やん!

ゾム

ロボロほらいこか!

ロボロ

ゾ、ゾム…?

ゾム

ん、なんや?

ロボロ

食事会、やめへん?

ゾム

………

ゾム

なに、ゆうてん

ゾム

お前今日暇やろ?

ゾム

ほら行くで!

ショッピ

あ……

ロボロの裾を掴み

ロボロ

ま、待ってや…!

ロボロ

俺は行かへんって…!

ゾム

…なんで?

ショッピ

都合が悪いんすよきっと

ゾム

じゃあショッピ君は来れるん?

ロボロ

えっ

ショッピ

え、俺…?

ショッピ

俺も、都合…が……

ゾム

ふーん…?

ゾム

そかあ…?

ロボロ

そ、そうやで…!

ゾム

わかったわ!

ゾム

また今度にしよな!

ロボロ

え、あう、うん…

ショッピ

そですね…

そのままゾムさんはいなくなった

いくつか日にちが経った

ショッピ

ロボロさん!!

ショッピ

ロボロさーん!!!

忽然とロボロさんはいなくなっていた

ショッピ

ま、さか…

ショッピ

嘘でしょ…?

ショッピ

そん、な……!

ショッピ

そんなああ……!!!!!

ショッピ

………

ゾム

ショッピ君

ゾム

今夜、食事会しようぜ!

そして今に至る

ゾム

もう、好奇心には

ゾム

逆らえんのよ

悲しそうに笑うゾムさん

ショッピ

ゾム

でも、俺が何もしてないのは違う!

急に机を叩き立ち上がる

ゾム

後悔は、したんや…

ゾム

殺した後に戻る静寂と俺を追い込む罪悪感

ゾム

後悔なんて何度もした!したんだよ!!!

ショッピ

ッ……

ゾム

それでも、戻れないんや…

ゾム

なら戻らない

ゾム

それが…俺の導き出した答え………

ショッピ

その答えは、間違ってる

ショッピ

戻るべきです…

ショッピ

罪を償うべきです

抑えられない、正義が揺らぐ

ゾム

うるさい!

ゾム

罪なんて、そんなもん償ってどうなるん!?

ゾム

彼奴らは、戻らない

ゾム

だから俺も戻らない……

ショッピ

戻らない、そうかもしれません

ショッピ

でも、あなたは戻るべきだ

ショッピ

そこで迷っちゃダメです…!

ゾム

お前は、俺に何が言いたいん?

ショッピ

ッ……

もう、無駄なんだ

誰もいない、1人残された俺が

彼に希望を与えては

ショッピ

………

静かに座る

ゾム

……話は終わりや

ゾム

ここまで乱したのは初めてやなぁ…

ゾム

そろそろ死ぬこと、わかっとるやろ?

ショッピ

………

ゾム

おい、なんか言わんのか?

ゾム

てか、最後なんだから怯える、あの顔を…

ゾム

…してくれよッ……

涙目で言われる

ショッピ

………

ショッピ

…ぁ…ろ……

ゾム

…?

ショッピ

…ざぁまみろ!

ゾム

っ!?

ショッピ

俺は、貴方の要望なんかに答えない!

ショッピ

怯えた?顔?そんなのするか!

ショッピ

もうみんなはいない!

ショッピ

死にたがりを殺すだけ…

ショッピ

最後の最後で…!!

ゾム

うっさい!!

ゾムさんと俺は距離がだいぶあるのに

一瞬で目の前まで来て

首筋にナイフを当てられた

ショッピ

グッ……

ゾム

最後に残すべきちゃうかったな…

ショッピ

最後に残れて、光栄っすよ……

ゾム

殺すぞ…

ショッピ

ええ、どうぞ

俺は無防備と見せるため、両手を大きく広げた

ゾム

チッ……

貴方が求める絶望の顔なんてしない

それが俺の、最後の最後の、反抗だ…!

ショッピ

ほら、殺してくださいよ

ショッピ

もう、生きる方がついらんですって

早く殺して、そのような言葉を繰り返した

ゾム

………

ショッピ

ほら、手が震えてますよ

自分も震えてるのに、ゾムさんの持つナイフを見てそういった

ショッピ

殺せば、いいじゃないっすか…

ショッピ

もう、誰も、誰も…いないんですって……

ショッピ

だから、俺にとって生きることは……

ショッピ

もう、無駄なんです、って…

ショッピ

辛いん、ですよ……

言葉が途切れ途切れになる

みんなとの思い出が蘇る

まだ狂う前のゾムさんとのも

ゾム

えっ……

ショッピ

うッ……

涙が伝うのがわかる

止まれと念じても、止まらない

それほどみんなの思い出が熱いんだ

ショッピ

……

ゾム

…死ぬほうが楽、か…

ショッピ

……?

ゾム

生きる方が辛い、…

ゾム

少なくとも、俺の求めてる顔は

ゾム

絶望なんや…

ナイフを俺の首筋から退け

ゾム

生きてる方がそんな顔になるかな…

純粋な子供の目をして俺に行った

ショッピ

…は?

ショッピ

え……

殺人鬼に生かすなんて選択が出るとは思わなかった

ショッピ

殺せってッッ!!

俺は無表情になることも忘れ

ゾムさんの胸ぐらを掴んだ

ゾム

おっ…

ゾム

その顔も、ええなぁ……

ゾム

予想外、って顔しとる…w

呑気だ

ショッピ

ッ……!

ゾム

まあ、辛く生きてみ

ショッピ

……くそっ!

死ぬことなんていつでもできる

でも、俺が一番避けたいのが“自殺”だ

もし自殺したら

先輩のところに行っても

コネシマ

お前、何自殺してんねん!

コネシマ

まだ生きれたやろ!?

コネシマ

なんで、もっと生きれた、はずなのに…

って行って俺を叱るだろう

もしかしたらあの世に行ってもみんなの輪に入れてくれないかもしれない

それは、嫌だ

ショッピ

くそっ…くそっ…くそっ………

ショッピ

……後悔させてやるッ

ショッピ

俺を生かしたこと、をっ

ショッピ

後悔させてやる!!

不思議と口角が上がる

誰もいない食事会場でそう叫んだ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

12

ユーザー

読んでて、ゾムの後悔、罪悪感が凄い伝わってきて、自然に2人の気持ちを考えてしまいます…凄いですね!

ユーザー

ゾム狂ってるでも、、、好き(お前もな)

ユーザー

めっちゃ良い! 最高 ショッピ君強! ゾムの狂ってるすがたが、良き!

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