TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

数日後

晴人

(まもなく、今年も終わりか…。)

晴人

(今年は本当に大変だった)

仕事の合間に、一年を振り返る。

晴人

(島店長が病気で休職して、代わりに俺が店長をやって…)

晴人

(それから、晶子さんと深く関わるようになって…)

激動の1年だった。

晴人

(これから、一体どうなるんだろう)

晴人店長、畑、休憩上がりました

晴人

おかえりなさい

晴人店長も、休憩どうぞ

晴人

こんなにスムーズに休憩回せるなんて…これから忙しくなるのかな

どうでしょう?もう年末だし、こんな状況ですから、今年は家で過ごす人が多そうですね

晴人

確かに…テレビ番組で取り上げてくれたあと、少し忙しくはなったけど、それ以降は相変わらずテイクアウトの売上ばっかりだしなぁ………

あっ、お客様いらっしゃいました

接客してきます。晴人店長、休憩入ってくださいね

晴人

はい、休憩いただきます

バックヤード

晴人

(今年の年越し、晶子さんと一緒にしたらダメかな?)

ピロン

晴人

LIMEの通知音だ。誰だろう

晴人

(晶子さんだ!)

晶子: こんにちは。先日はお世話になりました。お元気ですか? ネクタイピンの作り方が分かったので、今度直接話をしたいのですが、お忙しいかしら?

晴人

(年内は31日12時まで仕事はあるけれど、3が日はお休みです、と)

もともと、普段は1月2日から営業をしている店舗だが、人員不足もあり、運営不可能と見なされた。 今回は1月4日から営業することになった。

晴人

(早く、返信来ないかな………)

晶子の家

晶子

あ、晴人くんから返信が来た…

晶子

晶子

これって、一緒に年越しできるのかしら?

晶子

晶子

いやいや、晴人くんのお父さんはご存命のはず。

晶子

私と、年越しなんてしてくれないわよね………。

今年も、 また一人の年越し。

晶子

何故かしら

晶子

こんなの、毎年経験して、慣れたはずなのに………

晶子

(寂しい、なんて変よね)

晴人の自室

晴人

あ、晶子さんから返信来てたんだ

晴人

晴人

これって………。

晴人

晴人

電話、してみようかな

晴人

(声が、聞きたい)

晴人

もしもし、晶子さん?

晶子

も、もしもし?!

晴人

あ、もしかしてお取り込み中でしたか?

晶子

ううん、大丈夫

晶子

(いきなり電話が来て、びっくりしちゃった)

晴人

実は、僕

晴人

晶子さんと、一緒に年越ししたいな〜…なんて考えていまして

晶子

えっ

晴人

もし、嫌じゃなければ、なんですが………

晶子

………………………

晴人

(返事が、無い………)

晴人

晴人

僕が相手じゃ嫌、でしたか?

晶子

違うの

晴人

えっ?

晶子

嬉しくて、言葉に詰まっちゃった

晶子

晶子

私も、実は晴人くんと一緒に年越ししたかったんだ。

晶子

でも、家族と一緒に過ごすのかな?とか考えたら、声かけられなくて…

晴人

晴人

僕の家族、実はもう、いないんです。

晴人

母は、晶子さんもご存知のとおりなんですが、

晴人

父は、新しい家庭があって………

晴人

もう、父は、人のものなんです。

晴人

だから僕、一人ぼっちなんです。

晶子

そうだったんだ…

晶子

晶子

私と、一緒

晴人

晶子さんも、ご両親いらっしゃらないんですか…?

晶子

そう。父は、私が小さいときに亡くなって、母もその数年後に、事故で亡くなったの

晴人

そうでしたか…

晶子

祖父が、私を育ててくれたんだけれど、祖父も、この世にはいないから、私は本当に一人ぼっちなの。

晶子

みんな、私を置いて、先に逝っちゃう………

晴人

寂しい、ですね

そう。私は寂しい

でも、その言葉を口にしてしまったら。

晶子

(まだ若く、未来もある彼を縛り付けてしまう)

晶子

(言えるわけがない)

晴人

僕、年越しソバを晶子さんと一緒に食べて、翌朝おせちも一緒に食べたいんです

晴人

晴人

ダメ、ですか

晶子

(そんな聞き方、ずるいよ)

晶子

…わかった

晶子

一緒に年越し、しよう

晴人

晴人

ありがとうございます!

ああ、早く、電話を切りたい。

晶子

じゃあ、待ち合わせ時間はまた連絡するわ

晴人

分かりました。夜遅くに、すみませんでした

晴人

おやすみなさい

晶子

…おやすみ

嬉し涙、彼に気付かれなくて良かった。

つ づ く

loading

この作品はいかがでしたか?

3

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚