本当にどうしてこうなった?先ほどのことがあって私は三日月と一緒に今布団に横になっている。しかも向かい合わせで!私みたいな人間を警戒しているはずなのに一肌を感じたいだなんてよっぽど追い詰められていたのかな。
三日月宗近
ほう、やはり一人で寝るより良いものだな

柘榴
あの、三日月さん?審神者なんて信用できないはずなのに何故一緒に寝る気になったんですか?

三日月宗近
うむ、お主だから…というべきか

柘榴
私だから?

三日月宗近
お主の涙を見て思った。こんな綺麗な涙を流す人間が居るのかと、今まで俺達のために涙を流す人間などいなかったからな

柘榴
一人になると、いろいろ考えちゃって。今日は三日月でしたし。普段は泣くことなんてない、はず

三日月宗近
はっはっは、泣き虫な主でもよいぞ。ほれ、もっとちこうよれ

柘榴
ちょっ、近い近い

三日月宗近
はっはっは、近いのはいいことだ。あるじは暖かいな

そう言って私を抱きしめながら背中を撫でてくる三日月。必然的に至近距離で見つめられる。あ、きれいな三日月の瞳…じゃなくて!心臓に悪い!こんな美しい人が真正面にいるなんて滅多にない!しかも異性!
三日月宗近
そう言えば三日月だったとはどういうことだ?

柘榴
その事ですか。詳しいことは約束のため言えませんけど、私が生まれた日、大切な人ができた日、大切な人が死んだ日、志桜里様に会った日、そして今日も三日月なんです。私の運命的なことが起こった日はすべて三日月だったんです。だから、これまでの事を考えてしまう

三日月宗近
主は三日月に好かれているのかもしれんな

柘榴
そうなんですかね。だったら三日月さんにも好いてもらえたらうれしいです

三日月宗近
はっはっは、俺はもうお主のことを好いているぞ

柘榴
えっ…ありがとうございます

柘榴
その、三日月さんは私を殺さないのですか?

三日月宗近
なぜ俺がお主を殺さねばならない?

柘榴
私は審神者ですよ?憎い憎い審神者。今は体も密着しているし私は防御手段もない、殺すには絶好の機会です。こんな絶好の機会、逃すのはとても惜しい

三日月宗近
……新しい審神者が来たと聞いた時は、俺を入れたレアがつく刀同士で話していたんだ。今後どうするかをな。俺達はもう人間なんてうんざりでしかなかった……だから最初は殺そうと思っていたんだぞ?

柘榴
、…そうですか

三日月宗近
でもな、新しい審神者を殺ったところで意味はない。審神者が居なければこの本丸は到底使い物にならなくなる…そうすれば俺達は強制的に折られる事になろう

柘榴
だから政府は必死で審神者を就かせるんですね

三日月宗近
うむ、そういうことになるな。お主が来た時も殺ってしまおうかと思っていたが…様子を見ることにしたんだ

柘榴
そうですか

三日月宗近
それで様子を見ているうちにお主にはどんどん刀剣男士がなついていくので驚いたぞ?あの来派までも手懐けるとは…さぞかしよい娘何だろうと思ってな。それでさっき縁側で見かけたから声をかけてみた…というわけだ

柘榴
まさかこの時間に人がいると思わなくて驚きました

三日月宗近
まあ最近は寝つきが悪くてなぁ…けれども今日はぐっすり眠れそうだ。温もりもあるしな

柘榴
よしよし

三日月が甘えるように私を抱きしめるのでかわいいと思ってしまい、まるで子供にするように頭を撫でてしまった。
三日月宗近
はっはっは、じじいが小娘に撫でられるというのは新鮮なものだな

柘榴
じじい?誰のこと?

三日月宗近
俺がじじいさ。平安時代の刀だからな

柘榴
三日月がじじい?こんな綺麗なじじいがいてたまるか!と言うか三日月がじじいだったら私はばばあだよ!そもそも刀剣に年齢なんて関係ないでしょ!はい、綺麗で美しい!それだけで十分!

三日月宗近
はっはっは、俺が美しいか…。主は夜伽は嫌いかな?

柘榴
……え?

三日月宗近
夜伽が伝わらんか?夜伽とは男女が混じr

柘榴
説明は結構です!分かります、伝わってますのでそれ以上言わないでください!

私は夜伽の説明をしようとする三日月の口を両手でふさいで慌てて答えた。頼むからそんな説明いわないで~。この本丸の安全枠って短刀だけなの?そう思い、三日月の口から手を離した。
三日月宗近
ほう、伝わるか。で、嫌いか?

柘榴
分かりませんよそんな事。意味は知っててもやったことないので、男の知り合いは居てもそういう関係ではなくて抱いているのは友情だけですしね

三日月宗近
そうか、お主はやはり心が澄んでいるな

柘榴
そうですか。私はもうそろそろ寝ますね?明日の予定も多いので

三日月宗近
主は忙しいのか。それでは、俺もこのまま寝るとしよう

柘榴
三日月さん怪我は…じゃなくてレア刀だからしなくちゃダメか

三日月宗近
どういうことだ?

柘榴
前任の霊力抜きですよ。手入れしてもいいですか?

三日月宗近
ああ、俺は構わんが…どうやってするのだ?

柘榴
嫌な記憶を引き出す可能性があるので言えません

三日月宗近
夜伽でもするのか?

柘榴
そんな事するわけないじゃないですか!さっき私経験ないって言いましたよね?後それでは短刀を治せないですよ!

三日月宗近
じゃあ何なのだ?

柘榴
キ、キス…です

三日月宗近
接物か、それなら別に大丈夫だぞ

柘榴
本当に大丈夫ですか?

三日月宗近
ああ、大丈夫だ

柘榴
じゃあちょっと失礼しますね。んっ…

三日月宗近
ん……

私の霊力をできるだけ多く送るが全然前任の霊力が抜けない。相当な回数閨に招かれたんだろうな。しばらくしてやっと全部霊力が抜けたところで唇を離す。
柘榴
これで終わりです

三日月宗近
前任の霊力が嘘のように消えたな

柘榴
それは良かった。三日月さんは綺麗になったけどまだちょっと頬が汚れてるから明日お風呂で癒されたらどう?いいお湯だったよ

三日月宗近
ほう、風呂か。久しぶりだ。仲間を連れて入るとしよう

柘榴
うん、それがいいよ。じゃあ三日月さん、おやすみなさい
